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企業特集 第18回 - 蘇った OUTDOOR SHOP NEOS  アウトドアショップ・ネオス

笹尾商工 株式会社 (アウトドアショップ・ネオス)
代表取締役社長 Seakayaker 笹尾 修司 さん

アウトドアは、人と人の絆を深めてくれるものNEOSという空間を通して人と人、人と自然がつながっていくのがいい

沖縄のアウトドア・シーンを牽引するいわずもがな名の知れたNEOS。

2009年2月、不審火という不幸にも見舞われてしまいましたがその機を人と人、人と自然との絆をより深め、今につながるものとポジティブに切り換えられました。

そして、6月中旬に待望のリニューアルオープンに至ったのです。
代表取締役社長の笹尾さんにNEOS誕生の秘話から、リニューアルオープン、さらに未来への展望までお話を伺うことができました。

2月10日初上陸 沖縄が原体験を思い出せてくれた

笹尾さんは福岡のご出身。沖縄には復帰前、貿易会社の沖縄支店勤務の命を受け、2月10日に初上陸としたいいます。「あまりの海のきれいさに、2月だというのに海に飛び込んでしまった!」と豪快に笑い、当時を懐かしみました。

仕事でヤンバルへ赴けば、その帰り道には海に潜る。仕事でがんばるほど、海のご褒美はたまらない活力となったようです。

ほどなく沖縄出身の方と結婚をされ、子どもにも恵まれ、家族でキャンプをするようになったといいます。

「私は父がハイカラだったんでしょう。キャンプなど馴染みのない時代に、アウトドアというものを体験させてくれたんですね。沢を登り、 飯ごうでご飯を炊き、たき火を楽しむ。こんなに楽しいものがあるのか!と思いましたよ。またね、自然を相手に、生きる術をおしえてくれる父が頼もしいわけです。親子の絆というものが、自然の中でより深まっていったのでしょうね」そんな思いを胸に、まだ赤ちゃんのお子さんを連れ、キャンプに出かけたというのです。

ビーチで小さなテントを張り、キャンプを楽しんでいたという笹尾さん。まだ沖縄にはアウトドアの認識がなく、キャンプを楽しむのは外国人が多かったそうです。

「カルチャーショックでしたね。ビールを飲みながらステーキを焼き、自然と人を相手に時間を楽しんでいるわけですよ」また「外国人の使っているランタンの明るさにびっくりしました」

NEOSの母体、笹尾商工設立へ

さて、そうした中、笹尾さんの貿易の仕事が、本土復帰という社会情勢によって変わっていきます。価格や競合企業の出現などを予想し、沖縄撤退の意向になったというのです。

「私にはやり残した感が残ってしまった。沖縄で地元採用したスタッフもいる。沖縄という地で、沖縄に、沖縄の人たちに、もっと身近に感じてもらえる何かがあるのでは?」

ウチナームゥク(沖縄婿)ともなっていた笹尾さんは、笹尾商工という会社を立ち上げたのでした。カー用品や部品などを扱う一方で、アウトドアというマーケットに参入。沖縄で初ともいえる試みです。

「おつきあいのあった企業さんたちから、沖縄でアウトドアはうまくいかないなど、折にふれアドバイスをいただきました。戦後の思い、世代交替や時代の移り変わり、ウチナーンチュの様々な思いや願いなど、いろいろなことを私に享受してくれたんですね。でも私には、ファミリーでキャンプをすることがどれほどのものかを体感している。そして、キャンプやカヌーを通して沖縄の自然の豊かさを感じており、それをみなさんに感じてほしい、その一心でした」

実際、カヤックの在庫を抱え、カヌービジネスの事業を断念しようと思ったこともあったといいます。

「でもね、時代がだんだんとアウトドアの楽しみを認知してくれた。自然環境を大切にしながら、楽しむ体験学習やエコツーリズムが広まっていったんです」

昨年は東村で第一回コールマンの親子キャンプスクールが開催され200名以上の参加がありました。

時代の後押しを得るのもまた、先見や企業努力の積み重ねのように思えます。

社員の賛同を得ながら信念を持って、NEOS誕生を実行

ホームセンターなどDIYショップに、キャンプ用品が陳列されるようになり、沖縄もエコツーの時代が到来。しかしアウトドア専門店ではないショップでの、陳列スペースは限られたもの。笹尾さんは、専門店の必要性を感じアンテナショップの出店の検討を始めたのでした。

「自分自身がこれ!と思ったなら、信念を貫け!松下幸之助氏の言葉にも出合い、信念を持ってできると思ったので、オープンしたんです」

沖縄初のアウトドア専門店の、斬新で、華々しいデビューは、こうして幕開けされたのでした。

それからキャンプ用品、シーカヤック、登山用品、自転車など、アウトドア専門のみならず、質のいいアパレルなども取り揃え、誰もが知るNEOSへと成長していったのです。

1階キャンプ用品、トレッキング用品、衣料品など

ダッチオーブンやウェバー等の
輸入バーベキュー用品を数多く品揃え

液体燃料のランタンストーブやガス製品、燃料など修理メンテナンスの対応もOK

アウトドア用チェアー

ファミリーキャンパーからソロキャンパーまで満足のいくラインナップのテント

アウトドアウェアー

県内No1の品揃え、ザック

トレッキング、トレイルランニング、ウォーキング
シューズ

スポーツサンダル

2階 MTB&ロードバイク、バイク用ウェア、カヌー・カヤックなど

カヌー・カヤック

マウンテンバイク&ロードバイク

豊富な品揃えの店内

NEOSで集合・解散の自転車のツーリングツアーなども開催することから、シャワールームも設えています

世代を超え、仲良く楽しめる
アウトドアの魅力

アウトドア用品を専門的にそろえるだけではなく、NEOSを窓口にさまざまな情報を提供しているのもここならでは。一般また初心者、難聴児の子ども達や子ども会などを対象にした奥武島でのシーカヤック体験試乗会や自転車ツーリング、野外料理教室など、アウトドアの魅力やノウハウを発信。登山人気も広がり始め、沖縄本島内はもとより屋久島や富士山など日本の名山へのトレッキングツアーも開催しています。登山を安全に楽しんでほしいという観点から、「ネオストラベル」という旅行代理店も立ち上げています。

富士山など日本の名山へのトレッキングツアーも開催、トレッキング関連商品も取り扱っています。

ネオストラベル

笹尾さんは「仕事や子育てに一生懸命生きてきた団塊の世代が、今、ようやく自由な時間を手に入れ始めました。元気なうちに何かをやっておこう!そのバイタリティにもあふれています。その何かに、登山など気軽に楽しめるアウトドアスポーツを取り上げる方が多いんですね。NEOSはね、若い人の空間かと思っていたら、幅広い世代のお客様が足を運んでくださっている。60、70の方も多いんですから!」と語り、シーカヤック好きが集うサークルにも、トレッキングツアーに参加される方にも、60代や70代のはつらつとした方がいらっしゃることを自慢されていました。

トレッキングツアー

2階ギャラリーは、アウトドア好きが気軽に集えるスペース。コーヒーも無料で提供

「子どもと楽しむアウトドアは、家族の絆を深める。若いときは仲間ができ、自然と人がもたらす充実感やチャレンジ、達成感をおしえてくれる。そしてね、自由の時間を得た団塊世代以降の世代には、夫婦の会話や楽しみを深めてくれます。健康作りのためにもいいですしね」

世代を超えた楽しみ、それが心を潤わせてくれるようです。

また、世代を超え、アウトドア好きが交流できる場所にしたいというますますの希望を携え、NEOS2階にはギャラリー風のミーティングルームがあります。ここで登山説明会などを行うほか、お客様同士が集えるように開放しています。

苦難は福門、打つ手は無限。人に感謝を重ねる

NEOSの歴史は順風満帆かと思いきや、2009年2月、不審火により店内を全焼。営業を休まざるを得なくなりました。その経験を笹尾さんは、静かに振り返ってくれました。

「これは不可抗力の出来事。起こったことは仕方ない。試練と思えば乗り越えられる。静かに受け止めるしかない」

そして、「苦難は福門」とも。

不幸をいつまでも引きずっては、前に進めない。起こったことを受け止め、どう前向きに転じていくのか、そこが人生のさらなる分かれ道。タフに、柔軟に、発想を変えて歩み続けるしかないことをおしえられた気がします。

「この試練があったからこそ、今こうしてまた、きれいな空間をあつらえることができたさ」と笹尾さん。6月14日のリニューアルオープンは大雨にも関わらず、本社より駐車場係を用意せねばならぬほど、多くのお客様が足を運んでくれたそうです。その数、3日間で1,200名!

リニューアルオープンしたNEOS

「NEOSの新記録。お客様から『待っていたんですよ』とお声をかけていただき、本当にうれしかった。社員もみな、それを実感しています。お客様をはじめ、多くのみなさんに支えられていることを、改めて感じました」

清掃など、社会貢献活動にも積極的に参加
牧港川の川まつりでは環境保全に賛同し、
「てだこウォーク」にも協賛しています。

人に感謝を重ねているという笹尾さん。企業全体として社会貢献という形で、利益や感謝の心を還元されています。本社周辺の清掃活動は、その姿勢が評価され表彰も受けています。

「本社前バス停が草ボーボーだったから始めたこと。周辺をきれいにするのは、社員の心を美しくする禊(みそぎ)にも通じる。新入社員には特に、トイレ掃除を特訓します。社員には『何でここまでさせるのか?』と真意を感じ取ってほしいですね。『何で?』と、疑問を持つことも大事」

社内外の掃除を通して、心のありようまで美しくしている、という笹尾さんです。

浦添牧港を流れる牧港川を拠点に行われる、「川まつり」にも積極的に参加。シーカヤックを10艇ほど提供し、川を身近に感じられる体験メニューを行っています。

ネオスのスタッフは、川まつりにボランティアで協力し、カヤック体験を通して、地域の大人や子ども達が低い目線で河川の汚れを感じ、清流を取り戻す事の大切さを体感できる、意義ある時間を提供しています。

環境特集 第1回 川まつり 〜牧港川に清流を取り戻そう〜>>

「川の浄化や環境保全など、啓蒙運動に共感して、協賛させていただきました」、その他「毎年、市民の健康づくりのイベント『てだこウォーク』にも協力・協賛し、特売コーナーを設けて即売会の実施、そして抽選会ではキャンプ用品やスポーツ用品を提供し市民の皆様に喜んでもらっています。」

NEOSは夢を束ねる

さて、アウトドアを通じて家族、夫婦、人と人の絆を深めるNEOSですが、笹尾流の人間力養成についてもおしえていただきました。

笹尾さんはアウトドアという観点からは「トップ自ら楽しさを知ることが重要。アウトドアの楽しみを伝えることが仕事、ならば自身も体感していなければ」と語り、シーカヤッカーとして積極的に海へと出かけています。社員に対しては、ボーイスカウトや、キャンプ協会等の研修への参加、NAHAマラソンでは走るかボランティアで参加することを義務づけているといいます。アウトドアを知り、体感することからスタートしているようです。

「利益を追求していくだけではなく、共に育むことが大事ですよね。理論・実践的な人材教育を目指すため、人材能力開発のMSIへの参加。また早起きは三文の徳、倫理法人会にも参加し、毎週木曜日は朝6時からの参加を社員に義務づけています」と、人材教育には心の教育も必至と積極的に取り組まれているようです。

「生まれ育った環境の違う人間が集まっているのが、企業。その集まった人間の夢を束ねることが、私の使命」

笹尾さんの好きな言葉もおしえていただきました。

「微差は大差。一生懸命の積み重ねが成果になる。微を重ねていくことをモットーとしたい」

そして企業として、大阪船場の社長さんよりおしえてもらったという言葉「先義後利」を挙げました。

「利潤よりも、先に義務を果たすこと」

笹尾さん、そしてNEOSには、全て人と人との関係がもたらす深いものが存在しているようです。

OUTDOOR SHOP NEOS  アウトドアショップ・ネオス

【住所】 浦添市牧港2-50-11
【電話】 098-877-6122
【FAX】 098-874-2509
【企業情報】 企業情報ページはこちらから
【URL】 企業ホームページはこちらから
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掲載日:2009/6/23

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