儀間浦添市長の基調講演を得て
浦添市の歴史・文化・未来構築を
地域力の活性から考える
市民主体の夢と活気・元気ある浦添のまちづくりを目指して活動する市民ボランティア団体「浦添まちづくり元気ネットワーク」の定期総会と地域力アップフォーラムが、2009年6月16日(火)に浦添市ハーモニーセンターで開催されました。
地域力アップフォーラムでは、浦添市長の儀間光男氏を迎えた基調講演と、その講演を受けてのワークショップは(まちづくり懇談会)グループワークでの話し合いとビジョンや要望をまとめました。
グループ分けを誕生日による各月分けにするなど、その手法もおもしろく、今回も活気あふれるものとなりました。
(総会の部)
「定期総会」で事業報告および事業計画案の報告
さらに元気な市へと成長するために
会運営を力強い歩みへと願う
スタートの約30分は第1部として、定期総会にあてられました。
平成20年度(平成20年4月から平成21年3月まで)の事業報告では、生涯学習実践交流会やてだこ市民大学開学に向けた意見交換・勉強会、協働のまちづくりフォーラム開催、NPOなど団体紹介や行政事業紹介など、幅広い視点で開催された実績を振り返ったほか、決算報告も行われました。
平成21年度の事業計画案では、将来展望をも加味検討したという内容報告がありました。定例会開催(毎月第3火曜日19時から浦添市役所内会議室)や情報・意見交換会ならびフォーラムの開催、研修会などの情報収集などを、昨年度以上に行っていきたいと力を込められていました。実態調査実施では部門を設置し、より強化を図っていくとのことです。
役員配置もよりよい充実した内容の実行を目指して副会長を増員、事務局次長を新たに設けるという体制が総会で承認されました。
会長の大濱さんは「今年度が会運営の正念場。足腰を強くしながら、運営を進めていきたい」と、市民および各種団体と行政が連携し、ネットワークを強めていくことを力強くコメントされていました。
(儀間市長)
地域力アップフォーラム
浦添市長による基調講演で
浦添の底力と可能性を再認識!
第2部フォーラムの部では、儀間光男浦添市長を講師に招き、「浦添市の目指す地域力とは〜市民・団体、地域に望むこと〜」と題して基調講演から行われました。
儀間市長のお話は、舜天や英祖王などいにしえの歴史や文化から、浦添の立地利点などをひも解くところから始まりました。浦添牧港が中心となり交易が行われていたことや、首里城の正式名が中山城であり、玉座には「中山百浦添御殿」と記されていることなど、誇れる浦添市の歴史を継続して伝えていく必要性を説かれていました。
また浦添が地域力をつけることが、国を変えていくことにつながると語られ、「基礎自治体である市町村が県と国の礎となる。しかし基礎自治体を創出し、守って行くのは、地域の人にほかならない」と『地域力』を掲げました。
『地域力』をつけるためには「親子3世代、4世代と同じ地域で暮らせる環境」と、街作りが基本になるとも語られました。「世代を超え、あらゆる階層、あらゆる団体、あらゆる立場、あらゆる人がそれぞれの立場から探り合い、求め合い、議論し合い、発見する力が大事」。だからこそ「昔ながらの地域の関係性や世代間交流を掘り起こし、人間力のある地域コミュニティの確立を目指したい」と儀間市長。さらに、子どもたちに『心』と『生きる術』をおしえてくれたじいちゃん、ばあちゃんもキーワードであると語っておられました。
理想的な地域力をつけるためには、浦添市に住む地域の人々の安定や安全、安心の暮らし、所得の安定などが求められます。それについても浦添の東西南北に分けられる地域的特長を活かし、環境と人に配慮したまちづくりを行っていく構想も話されました。
(グループ話し合い〜発表)
地域力アップフォーラム
各グループで浦添市の地域力を考える
みんなで手を携え合えれば実現できる!
儀間市長の基調講演の後、各グループで市長講演の感想を含めた浦添市への要望や未来展望、『地域力』についての話し合いを熱く行いました。
今回のワークショップ(まちづくり懇談会)のグループ分けは「誕生月」2カ月ひとくくりの6つという、おもしろい試み。残念ながら5・6月生まれの方がひとりもおらず、各月からの寄せ集めも1グループ作られましたが、誕生月によって進行の仕方や意見の出方、まとめ方などに、少なからずも特徴があるようでした。こうした形式を職場などで取り入れてみると、今までとはひと味違った思わぬ成果が得られるのかもしれません。発見などをもたらすのも、様々な団体や企業、個人が集うまちづくり元気ネットワークならではのように思えます。
6グループでの活発な話し合いの後、グループ発表も行われました(以下、発表順)。
7・8月生まれは「自治体という縦と、地域と人が中心となる横、その縦と横のつながりを拠点に。浦添の歴史と文化を活動源にし、子どもたちにも実感させたい」とまとめていました。
9・10月生まれは「Yes We Can!グループ」と名乗り、地域力でまちづくりを核に、地域力を支える5つの要素を提案していました。「環境の保全」「海外交易や市役所建物を広告塔にするなど、経営基盤の強化」「子育てしやすい浦添市」「モノレール延線による新しい街作りの構想」「歴史とグスクを知り、グスクの再現」さらに、一人ひとりのがんばりが大事であると発表されていました。
3・4月生まれは、「3世代の人材づくり」をテーマに、「子ども会、青年会、老人会という3世代のコミュニティの強化」を提案。
寄せ集めグループでは「夢ひろがる街づくり」として、「夢、咲かせる」と発表。「市民大学やキャンプキンザー跡地利用、モノレールなど、地域の中で夢を広げて実現することが多い。地域づくりのためにも、自治体や地域行事への市民参加が課題」と語っていました。
11・12月生まれグループは、「浦添城跡復元で、浦添のアピールができている」と評価しつつ、「地域ボランティア活動を増やすこと」「加入できる地域活動とは何か?」「自治体活動の広報活動の改善を」「交通量が多いため、安全な地域づくりはできないのか?」など、「地域力や福祉力、教育力、文化力などをもっと深めるための話し合いを」と、疑問提示の提案型となりました。
1・2月生まれは、「3世代が同じ住環境に住みたい」というのが、みんなの意見であるとし、「浦添に住んでいる住民、我々が浦添に誇りを持つことから発見が生まれる。発見は保護にもつながり、子や孫へと受け継ぐことの自覚も生まれる。地域貢献への思いも生まれる」と発表されました。
これら発表を経て儀間市長より「楽しく、心豊かにできた様子。私の話を俯瞰し、理解をしてくださったみなさん。心の通じ合いを感じました。みなさんのおっしゃったことをやれば、必ず浦添は今以上のいい街になる。歴史を掘り起こして振り返り、今日へ、明日へとつなげていきましょう」、そして「島の小さきを見るな。海の開きを見なさい!」と一人ひとりのマンパワーへ期待を寄せていました。
大濱会長からは「市長とひざを交えて、直接、意見を話せる機会を得たことを喜びたい。浦添の目指すポイント、視点が見えた気がします」と、今回の「地域力アップフォーラム」にも手応えを感じていたようでした。
今回は市長も来賓ではなく、フォーラムへの参加者、或は特別講師としての出席という事もあり、事務局では開催日までに非常にタイトな日程スケジュールをこなしての実現という事もあり、喜びも一入だったようです。
又、当日は、雨の降りの中での開催ではありましたが、各方面から大勢の参加者が集って頂いたことに、この会への住民からの期待と、これからは協働で物事を進めたいと言う市民の勢いを感じさせられました。
参加者は11の自治会に19の団体及び市会議員で47名。そして、行政側からは市長を筆頭に企画課・美らまち推進課・生涯学習振興課・市民課・中央公民館・ハーモニーセンター等で16名と総勢63名もの市内各団体の代表者の参加が確認されました。
【今回の参加団体】
地域自治会
- 内間自治会
- 牧港ハイツ自治会
- 勢理客自治会
- 前田自治会
- 陽迎橋自治会
- グリーンハイツ自治会
- 茶山自治会
- 沢岻自治会
- 浦城自治会
- 大平自治会
- 広栄自治会
市民団体
- てだこ市民大学
- 市学童保育連絡協議会
- NPOうらおそい歴史ガイド
- NPOまちづくりてだこ市民会議
- くるりんの会
- 市老人クラブ連合会
- 浦添青年会議所
- 市議会議員
- 浦添市文化協会
- 子ども文化連盟(太陽樹)
- 琉球大学(学生3年次)
- ピアサポートセンターほると
- 浦添中校区保健福祉センター
- 浦西中校区保健福祉センター
- 港川中校区保健福祉センター
- 仲西中校区保健福祉センター
- 神森中校区保健福祉センター
- 生きいき健康クラブ事業担当
- ライフサポートてだこ
- 浦添市産業振興センター・結の街
『ビジネス・モールうらそえ』
市行政関係
- 企画課
- 市民課
- 生涯学習振興課
- 美らまち推進課
- ハーモニーセンター
- 中央公民館
市行政側も企画課を中心に関連する各課・施設の職員が多数参加し、協働の地域アップフォーラムを盛り上げました。このフォーラムを通して見えてくるものがありました。「これからは、市民と行政が近い関係でまちづくりに関わり、お互いの意見やアイディアを出し合い協働という作業台の上で進めていく姿」がハッキリと見えて来た気がします。また、この会の意義を理解し積極的に参加された素晴らしい市の職員にもこれからの市政を任せることへの期待と安心感が沸いてきました。
※協働とは、アメリカ発の言葉で、共通の目的を実現するために、市民が互いに対等な関係で、相互に、または市民と行政が信頼と理解のもとに、お互いの特性や能力を生かしながら連携し、協力して取り組みを進めることをいいます。また、ここでいう市民とは、市民個人ばかりでなく、自治会などの地域コミュニティー、NPOなど各種市民活動団体、大学、企業も含んだ、浦添に住むすべての人達を指します。
「浦添まちづくり元気ネットワーク」の活動は、草の根運動的に広がり、浦添という大地に確実に根を張っているようです。

愉快にグループでのワークショップを進行して頂いた進行役の松本哲治さん。

司会をつとめられた森田弘美さん。
今回は各テーブルごとに社協の皆さんがコーディネーターとして担当して頂き、そのお陰で各グループとも、スムーズに話し合いが持てた様です。積極的なご協力お疲れ様でした。
(元気ネット事務局よりのお知らせ)
「浦添まちづくり元気ネットワーク」では、これから、市民・団体会員の拡大を進めて参ります。個人会員でも構いません。一緒にうらそえの協働のまちづくりに参加し、意見を述べたい!ボランティアを手伝いたい!或は自分達の活動も取り上げて欲しい!協力して欲しい!等等。
浦添市を良くするために一肌も二肌も脱いで共に汗をかき、安心出来る“うらそえの未来”を行政と二人三脚で作って行きたいと思う方、又は団体の参加をお待ちしております。
※毎月第三火曜日19:00〜市庁舎会議室にて集会を持っております。
お問合せ先:090-1940-3212(大濱)