浦添市教育委員会
指導部長 池原 武
平成20年の新春を迎え、今年の[てぃーだぬふぁー通信]の幕開けを飾っていただく役を、浦添市教育委員会の池原指導部長にお願い致しました。私達があまり知らない教育委員会・指導部の役割や、これまでの事業、又これからの取り組み等について浦添市民へご紹介して頂きたいと思います。
では、池原指導部長、宜しくお願い致します。
A1 皆さん明けましておめでとうございます。
平成18年4月に浦添市教育委員会指導部長を拝命致しました池原武(いけはら たけし)と申します。
どうぞよろしくお願い致します。
Q2 指導部の組織とはどんな仕組みになっているのでしょうか?教えていただけますか。
A2 そうですね、組織図を見ながら説明しましょう。
指導部には学務課と学校教育課の2課があり、機関としては青少年センター、教育研究所、学校給食共同調理場(浦添、港川の2調理場)と幼稚園が11園、小学校が11校と中学校が5校あります。
教育委員会の指導部は一口に言って、浦添市内の幼児・児童・生徒が健やかに育ち、充実した学校生活が過ごせるように支援したり、諸事業を展開したり、教職員の資質向上のための指導・助言を行うところです。
Q3 それぞれの課や機関はどのような業務をしているのですか。
A3 各課・機関の主な業務内容について述べますと、
1 学務課は、主に幼児児童生徒の就学・入園に関することや学校備品等の整備や教科書給与に関することや各学校への不審者対策や児童生徒の安全確保のためのスクールサポーターの配置や経済的に困っている生徒への育英会奨学金貸与に関することや児童生徒の県外派遣費に関することや学校の予算に関すること等を担当しています。
2 学校教育課は、教職員の各種研修会の開催、直接学校を訪問しての指導助言、学力向上対策のための諸施策の策定及び推進、英語特区による英語教育の推進、生徒指導・教育相談の充実強化、特別支援教育の推進、幼稚園教育の充実等、広く幼稚園・小中学校の教育に関する支援を行うところです。
3 青少年センターは、あかひらステーション内の3階にあって、
青少年の非行を未然に防止し、健全に育成するために、学校・地域・警察・児童相談所等の専門機関と連携を緊密にして、教育相談活動や巡回街頭指導を行い、児童生徒の悩み相談や問題の早期発見、早期解決並びに非行の発生源となる劣悪な社会環境の改善・浄化に努めています。
4 教育研究所は浦添小学校内の4階にあり、業務は大きく分けて調査・検査事業、研修・講座事業、教育相談事業、情報教育推進事業の4つの事業を行っています。
5 学校給食調理場は、浦添共同調理場と港川共同調理場があり、小中学校の児童生徒1万3千人の給食を作っており、発達段階に応じた栄養のバランスのとれた食事、安心・安全な給食に努めて各学校へ配送しています。
Q4 他の市町村とは違った浦添市独自の特徴的取り組みもありますか。
A4 浦添市の特徴的な取り組みは沢山ありますが、特に3点紹介したいと思います。
(1) 内閣府総務省指定の英語特区
本市は、平成16年度から内閣府総務省の英語特区の指定を受けて、
誰とでも気兼ねなく臆せずコミュニケーションが図れる児童生徒を育成し、国際社会を生き抜くたくましい児童生徒を育成するため、全小学校にAET(アシスタント・イングリッシュ・ティーチャー)を配置し、小学校1年生から週1時間程度の英語の授業を実施しています。
また、中学校英語教育との連携・交流も推進しており、その成果発表会として、本年度は「てだこホール」で大々的に発表会を開催しました。
 英語授業風景 当山小学校
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 牧港小学校
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 浦城小学校
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 神森小学校
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 第1回浦添市英語発表会(浦添小)
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(2) セカンドスクールの実施(東村エコパ−ク)
全小学校5年生で2泊3日の自然体験・農業体験・漁業体験・勤労生産奉仕的活動体験・トレッキング体験等の五感を使った体験学習活動を通して、自然とのふれあいや地域とのふれあいや人間的なふれあいを深め,生産のありがたさ、協力し支えあうことの大切さ、お世話になった方々への感謝の気持ち、心身のたくましさの育成を目指して実施しています。
 第28回 全日本リコーダーコンテスト金賞 (宮城小)
(3) 小中学生の県外派遣費補助
県内のスポーツ大会文化的コンクールで優勝か準優勝、または金賞など、優れた成績を納め、九州や全国大会に派遣される個人や団体に対して、その派遣費の殆どを市が補助しています。
平成18年度は、41種目、71団体、518名の小・中学生を県外へ派遣し2,700万円以上を補助しました。平成17年度は450名ほどでしたので、大幅な伸びを記録しています。他の市町村には類をみない素晴らしい取り組みであり、浦添市の児童生徒にとって、心強い励みとなっています。
 第28回 全日本リコーダーコンテスト金賞 (港川中)
 第38回 全国ミニバスケットボール大会優勝 (浦添小女子バスケ)
その他にも浦添市独自の多くの取り組みがあります。
(1) 小中学校全校へ「心の教育相談員」を配置し、週3日間、不登校気味の児童生徒の悩み相談,進路相談等を実施しています。
(2) 小中学校全校へ「スクールサポーター」を配置し、学校への不審者対策として、また、児童生徒の途中抜け出し防止のために安全指導をおこなっています。
(3) 発達障害のある特別支援の必要な児童生徒のための「ヘルパ−」 を平成19年度は、24名配置して生活安全の確保や教育学習活動の支援を行っています。
(4) 教育研究所に不登校児童生徒の支援として、適応教室「いまぁじ」の開設して、学校復帰や自立支援のための活動を行っています。
(5) 不登校対策として、中学校区単位や各小中学校ごとの不登校対策実務者会議を開催し、個々の児童生徒に対してケース会議を開き、支援策を立て、サポートチームを編成して支援を行っています。
(6) 平成18年度から全小中学校において2学期制を導入しています。授業時数を確保し、特色ある学校経営ができるようにしています。
等、多くの取り組みがなされています。
Q5 昨今、いじめや飲酒やタバコの喫煙や万引きなど、児童生徒の問題行動が大きな社会問題になっていますが、浦添市内の状況はどうなのでしょうか。
A5 浦添市内でもいろいろな問題行動が発生しており、遺憾に思っています。
私たちは、問題が起こってからの対処的対応に奔走するのではなく、如何に未然に防ぐかに全力を注ぎ、学校だけでなく地域ぐるみで地域の子どもの健全育成に努めているところです。
子どもは、地域の宝です。次代を担う大切な人材を健やかに育成するために、学校と保護者・地域社会と行政がしっかり手を取り合って取り組んでいく所存です。地域の皆様のご協力をよろしくお願い致します。共に頑張りましょう。
Q6 平成19年4月に行われた全国学力・学習状況調査の結果が10月に公表され、本県は全国最下位という結果となりましたが、浦添市の状況と対策についてどのように考えていますか。
今回の調査結果は、県民全員が大きなショックを受けたのは事実です。
本市は、小学校国語、算数、中学校国語、数学のA検査及びB検査すべてにおいて県平均を上回っていました。また、全国平均を上回っている学校も数校ありました。しかし、それで良しとするものではありません。
今回の検査結果を謙虚に受け止めて、多面的・多角的に分析・考察し、対応策を講じていきたいと考えています。
今回の調査結果から、学力と学習状況とは深い相関関係があることがわかりました。「朝食を食べない子は学力が低い」「早寝・早起きをしない子は学力が低い」「家庭学習や読書量の少ない子ほど学力が低い」「テレビ視聴やゲームをする時間の長い子ほど学力が低い」「意欲的・計画的に学習をしている子ほど学力が高い」等、基本的な生活習慣が形成されているかどうかが、学力に及ぼす影響が大きいことがはっきりしました。
今後、学校・家庭・地域・行政がしっかり連携しつつ、それぞれの立場でやるべきことを具体的に実践できることから着実に実践していくことが大切であると考えます。次代を担う子どもたちが自分の夢・目標をしっかり持ち、その実現に向けて取り組めるよう、教え育てていこうではありませんか。
Q7 次に、指導部長をしての感想と平成20年を迎えての豊富をお願いします。
A7 私は浦添市の指導部長を拝命して2年目になりますが、浦添市は活気に満ちており、学校、地域、行政が一体となって諸活動に取り組めるまとまりのある市だと実感しています。
儀間光男市長はじめ、西原廣美教育長の次代を担う子どもたちへの予算的裏づけに立った支援に感謝しています。市内の子どもたちが浦添市に誇りを持ち、学業やスポーツ面、文化面の諸活動に切磋琢磨して取り組んでいる姿は、実に美しいものです。
生徒指導上の問題等、課題も多いですが、学校・保護者・地域・行政がしっかり連携し、児童生徒の健全育成のための諸施策を展開できたことは、実に嬉しいかぎりです。
今後とも、ネットワーク、フットワーク、チームワークを大切に連携を深め、行動・実践していきたいと思います。浦添市の将来を担う子ども達が、夢・目標を大きく掲げ、成長していけるように、よろしくご支援・ご協力のほどお願い申し上げます。
Q8 最後に、「ビジネス・モ−ルうらそえ」に対してご意見・ご感想がありましたら、お聞かせください。
A8 私は、朝出勤したら、まず「ビジネス・モ−ルうらそえ」のホ−ムペ−ジを開いているのですよ。
「てぃーだぬふぁー通信」、警察署からの情報、その他多くの新しい情報が瞬時に入ってくるので、楽しみですし、大いに活用させていただいています。
これからも地域を支える情報源として、交流の場としての情報を大いに発信していただきたいものです。
よろしくお願い致します。
池原指導部長プロフィール
昭和25年那覇市首里 生まれ
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昭和49年3月31日
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琉球大学理工学部数学科卒業
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昭和49年4月1日
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伊是名村立伊是名中学校教諭
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昭和52年4月1日
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浦添市立神森中学校教諭
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昭和57年4月1日
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那覇市立石田中学校教諭
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昭和62年4月1日
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那覇市教育委員会指導主事
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平成元年4月1日
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那覇市立教育研究所指導主事
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平成4年4月1日
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沖縄県教育庁那覇教育事務所指導主事
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平成8年4月1日
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久米島町立仲里中学校教頭
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平成11年4月1日
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在マレイシア国ジョホール日本人学校教頭
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平成14年4月1日
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那覇市立上山中学校教頭
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平成15年4月1日
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沖縄県教育庁那覇教育事務所指導課長
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平成17年4月1日
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浦添市立神森中学校校長
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平成18年4月1日
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浦添市教育委員会指導部長
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現在
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与那原町在住
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