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エッセイ - 牧港川フォーラム

牧港川フォーラム

- 第1回 -

比嘉宥海 (ひが ゆうかい)

1943年12月5日生まれ 国頭村安田出身
浦添市安波茶 在住
真言宗智山派 雄翔山大願寺 住職

  • 2005〜 まちづくりてだこ市民会議事務局
  • 川まつり実行委員長
  • 生活排水対策指導
  • 小学校長期自然体験活動補助指導者
  • プロジェクト ワイルド エデュケーター

〜牧港川に清流を取り戻そう〜

昨年11月24日にてだこ市民ホール市民交流広場で「牧港川フォーラムを開催しました。 当日は突然の大雨に見舞われ出足が心配でしたが、それでも大勢の市民が参加して下さいました。

昨年6月には「第1回川まつり 〜牧港川に清流を取り戻そう〜」を実施しましたが、その後、川の現状をもっともっと知っていただくために、西原町のみなさんを案内して牧港川観察会を行いました。

上流の西原町の方々は生活排水が、牧港川に流れ込んでいることを知らない方々が多かったのですが、下流の方の汚れの現状を目の当たりにして驚いていました。
おそらく参加された西原町のみなさまは川をよごさないように気をつけていただけるものと思います。

浦添市字当山
浦添大公園上流には大量のゴミや泡がたくさん溜まっている

浦添大公園内の川には琉球王国時代に作られた橋で有名な当山の石畳道ですが残念なことに悪臭が漂う・・・

当山の自治会さんも川の観察会を行いました。生活の場の足もとの川が石鹸の泡やビニールやごみが引っかかっている惨状をみて驚いていました。

浦西中学の裏手で水性生物の調査も行いましたが、スカムが堆積していて、足もとがヌルヌルして気持ちわるく、とても川に入れる状態ではありませんでした。

このような川をどのようにしてきれいな川にするかを見つけるために今回のフォーラムの開催となった次第です。

第1部の基調講演は沖縄玉水ネットワーク副会長の寺田麗子が「きれいな川を子供たちに残そう」の演目でお話をしていただきました。寺田さんは、久茂地川フェステバルを取り上げ、継続することで市民の関心を高め、年々川の汚れが改善されて行った事例から、牧港川は久茂地川と似ているので、川への取り組みを継続していけば必ず地域とつながり、行政とつながり、話し合える場ができてきれいな川を取り戻せると強調されました。目標とする昔の川はどうだったかを知ることも大切ですし、子供たちにつなげることも大切です。「つなぐ」という言葉が大切キワードとなると言われました。

第2部のフォーラムは、パネリストに沖縄県公衆衛生協会の高平兼司さん、浦添市環境保全課の高嶺哲夫さん、当山自治会長の神山高成さん、西原町棚原自治会区長伊波英正さんが当たり、寺田麗子さんはアドバオザーとして引き続きフォーラムに参加していただきました。

神山さんと伊波さんの2人には、きれいだった昔の牧港川について語っていただきました。昔はどこの川もそうだったのでしょうけど、牧港川にも、魚や、えびや、うなぎがいたそうです。子供の頃は川でたくさん泳いで遊んだそうです。その川はもうありません。しかし大公園から陽迎橋まではまだ自然の川の形態を保っています。水質さえ改善できれば、子供たちが遊べる川をとなります。

専門家の高平さんは、水質を改善するには、

  • 生活排水の量を減らすこと
  • ごみを捨てないこと
  • 河川や町を清掃すること
  • 水量を増やすこと
  • 河川の自浄作用を助ける

ことを強調されました。

フロアーから小学生が「いつから牧港川は汚くなったのですか」という質問がありました。「浦添市にキャンプキンザーが移ってきてから急激な人口増加が続き、生活排水が増加して川を汚す原因となった」ことを説明し、またフロアーからもっと噛み砕いて小学生にわかるように「人口が増えて、田畑が無くなり草木が減って緑がなくなり、湧水もなくなったのが原因」と説明して下さった方もでて和やかにやりとりが進みました。また、寺田さんは1981年頃、那覇市の飲料水の取水場だった牧港川を取材した時、取水場の上の溜まり場に犬の腐乱した死骸を見て愕然となったそうです。その頃からもう飲めない水になって行ってたかも知れません。また、上流の三面張りの護岸や、雨水の浸透しないアスファルト道路、植栽の問題もフロアーから指摘がありました。

「みんなで力を合わせてきれいな川を取り戻しましょう」との力強いご意見や、「自治会でも川の浄化に取り組んで行きますと」決意を述べられるなど活発なフォーラムとなりました。

フロアーからの話では西原町棚原地区と浦添の前田は畑が縁で相互に婿や嫁とりが行われ地域がつながっていたそうです。今度は牧港川でつながって、清流を取り戻そうとラブコールが送られました。しかし、はじめから大きく考えずに、少ない人数でも気の合った者同士で、汚いものを流さない、ゴミをださない、清掃するといったことから始めた方がよいと思います。小さな輪が次々とつながって広がることを望んでいます。輪と輪がつながり行政をつなぐ力となって三面張りの護岸や、アスファルトの道路、植栽等の改善がはかられて、近自然型河川を実現することができると思います。

第2回川まつりの準備も実行委員会ですでに進めております。啓蒙活動を通じて川だけなく、地球温暖化、エネルギー、資源と言った環境問題にも関心を払い、自然再生を考える仲間が増えることを期待いたします。

掲載日:2009/2/28

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