7月26日(木)にてだこホールで、カンボジアから来沖したNGOファーポンルーセルパク協会のメンバーによる「カンボジアサーカス学校公演 Holiday Ban Touy Ban Tom
ストリート・ギャングたちの休日」の公演が行われました。ファーポンルーセンパク協会はカンボジアの戦災孤児自立支援組織で、演劇などのワークショップを通した子どもたちの育成や、地雷への警告、エイズ問題の啓蒙活動をしています。今回の公演は16歳から23歳のメンバーが出演してサーカスを演じました。いずれも7〜8年とサーカス学校で学んできた若者たちが、舞台狭しとアクロバット演技を披露し、満場の観客の喝采を浴びていました。
Ban TouyとBan Tomはストリートギャングの兄弟で、彼らとその仲間たち、総勢11人が登場。街角でたくましく暮らすストリートチルドレンの休日の一日を描いた、せりふのほとんどないサーカス芸です。
カンボジアの伝統楽器の生演奏をバックに、11人が入れ替わり立ち替わり次々と演じる様子は、スピーディーでユーモアたっぷり。二人の少年が持った麻袋のような大きな袋に、一人の少年が前転しながら飛び込んだり、逆立ちや腕立て伏せ、バック転しながらの縄跳びなど目を見張るような芸に、会場から大きな拍手が起こります。
舞台のあちこちで、袋に顔まで隠して入った子どもらが、屋台で買い物をした少女を「ワーッ!」と言いながら袋から顔を出して驚かす場面では、親子連れの観客が大笑い。少女が紐で繋いだニ本の棒で、太鼓のようなヨーヨーのような丸い物を、くるくる回したり上に投げ上げたりと自在に操るパフォーマンスの見事さに見とれていると、その少女からヨーヨーを受け取って操る少年と別の少年が小競り合いになり追いかけっこになったり、少年の後ろから別の少年が近づいてズボンを下ろし、また追いかけっこになったりと、息つく間もない展開に観客席は大喜びです。
また自転車を使ったパフォーマンスでは、寝転がって自転車を口にくわえて振り回します。これには客席もびっくり!すると歯が折れたらしく、少年が泣き出してしまいます。そして折れた歯を客席へ投げるふりをして、またまた客席からは笑い声が。
そのほかにも少年の肩に別の少年が登り、さらにその肩に別の少年が乗って立ち上がり、同じように少年の肩の上に乗ったもう一組の方へ飛び乗ったりというハラハラドキドキの芸や、「コケー!コケー!」と言いながら鶏の羽を腕につけた少年がこっけいなニワトリ歩きで出てきて卵を産み、その卵を5個も6個も操ってのジャグリングなどに大きな拍手が起こりました。棒やフラフープのような大きな輪、旗やボールを使った芸なども、ユーモラスで大変おもしろく、観客は最後までサーカスにくぎ付けでした。
メンバーたちの素晴らしい芸に感嘆するとともに、終始ニコニコと人懐っこい笑顔からは「自分たちのサーカスを見て喜んでもらってうれしい」という気持ちが観客に伝わり、観終わった後に会場は大きな感動に包まれたのでした。
今回の公演は、沖縄タイムス販売店会浦添・西原連合会主催のチャリティー企画として実現。パンフレットの広告収入と入場料金の一部のなかから10万円がカンボジアサーカス学校へ寄付されました。また、会場入り口に募金箱を設置して集まった募金93.821円と、個人や企業(文明堂)から寄付されたノートや鉛筆などの文具類も、同校へ寄付されました。公演はこの後、沖縄市のキジムナーフェスタを始め、福岡、広島、京都、大阪など8月15日の東京公演まで、全国9都府県で開催されるということです。
会場入口の募金受付 | 主催者代表より寄付金および募金の贈呈 |
販売店および企業から文具類も贈られました |
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