石川千草さん（ピアノ）

　会場は、７月よりライブハウスとして活動を始めた「ギターラウンジ　エスペランサ」（内間パイプライン沿い）。そこでの第一回記念ライブ「ゲスト・コンサート」として催された演奏会でした。

　内容は､女性３人だけによる今話題の『ステラトリオ』（フルート・クラリネット・ピアノ）が木管楽器を中心とした演奏スタイルで、
ライブのプログラム（曲目）はクラシックから誰もが聞いたことのあるポップな曲まで、3人が奏でるハーモニーを楽しみ。カクテルや、ビール・ソフトドリンクを片手にライブハウスならでわのリラックスした気分で、癒しのひとときを味わえるというなんとも贅沢な趣向です。

根間安代さん（クラリネット）

　ステージは、会場の中央に設置され、満席になった観客席は、正面のカウンター席と、左右に分かれたブース席に座り、手を伸ばすと奏者に届く様な近かさである。クラシックの演奏は通常、ミュジック・ホールなどの舞台上にいる演奏者の彼女たちを遠くから眺めるように聴くものですが、今回は奏者が舞台から降り、同じフロアーで観客と一体となった様なスタイルなので「こんな近くで聴いていいの？」と、首をかしげたくなる身近さに驚いた。

石垣 円さん （フルート＆ピッコロ）

　演奏が始まり、観衆は間じかに見上げる知的できれいな３人の女性たちの演奏にまず華麗なオーラを感じ、驚きと共に意外と静かに響きわたるアンサンブルの調べの魅力にひきこまれていった。

　最初の曲が終わり、彼女たちは自己紹介の挨拶を始めた。左から「フルート奏者の石垣円」さん、右手に「クラリネット奏者の根間安代」さん、そして、中央奥に「ピアノ奏者の石川千草」さん。彼女たちが、「今日はステラトリオのライブにいらしてくださりありがとうございます。皆さんに、クラシックをもっと身近に感じてもらいたいと企画したライブですが、いかがでしょうか？」と挨拶をすると、会場から「ブラボウ！素晴らしい！」と大きな拍手で歓迎された。

　

　客席を見渡すと、客層に幅があり年配のご夫婦（７０代）から４０〜５０代のファミリーそして、２０、３０代の女性グループや、十代の若者まで多種多様な客層に、素晴らしい構成だと感心するほど見事に年齢や性別がばらけていた。
　観客は静かに聴き入り、本格的なクラシックから身近な映画音楽までの数十曲を休憩を挟み２ステージに分けて楽しんだ。彼女たち、ステラトリオの演奏力は私達の期待を遥かに超えた素晴らしい演奏技術のアンサンブルでした。
　

○【フォーレ作曲　組曲「ドリー」より　子守唄】の曲では
フランスの作曲家フォーレによるピアノの為の作品をフルートとクラリネットのトリオにアレンジした演奏で緩やかなメロディを木管楽器の温かなハーモニーで聞かせた。

○【ミヨー作曲　「スカラムーシュ」より　ブラジレイラ】の曲では
「ブラジルの女」という意味が示すように南国調のラテンのリズムがはじける楽しい作品を軽やかにしかし、艶やかな演奏表現で楽しませてくれた。

その他、映画音楽からエンターティナーやニューシネマパラダイスのメドレー、ムーンリバーなど、親しみやすい作品も演奏してくれて、観客は懐かしい思い出を回想する時間に浸ることが出来たでしょう。
アンコールの曲も、心に染みるような艶やかな音色で、とりわけフルートとクラリネットの明度の高い瑞々しい音色の響きが印象的でした。ピアノの主張も心地よく、一級品のアンサンブルの腕前に会場全体が聞き惚れた。
　

感想としては、浦添に初めて、本格的なクラシックも含めた幅広い音楽のライブ演奏を身近に楽しめる癒しの空間が誕生したのかなという感じでした。市内近くに「子育てに頑張る主婦のみなさんにワインを飲みながら疲れを癒してあげるひと時をプレゼント」出来るのではと？と思ってしまいました。お父さんたちの宿題ですね！
　

◆フルート&ピッコロ　石垣 円 （いしがき まどか）
1995年沖縄県立芸術大学器楽専攻管打楽コース卒業。1996年アメリカ･フィラデルフィアに留学。フルートを中野 富雄、時任 和夫両氏に師事。現在、エミュ木管五重奏団代表、ステラトリオメンバー、沖縄県立開邦高等学校芸術科非常勤講師、音楽教室Girasol(ヒラソル)フルート講師。
　

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◆クラリネット　根間 安代 （ねま やすよ）
エリザベト音楽大学卒業。同大学大学院、沖縄県立芸術大学大学院修了。
　平成１２年〜１３年沖縄県立芸術大学器楽専攻管打楽コース助手、
平成１４年〜１７年沖縄県立芸術大学器楽専攻助手、平成１８年同大学非常勤演奏員を務め、現在フリー。主にエミュ木管五重奏団団員、琉球交響楽団賛助団員、ステラトリオメンバーとしてクラッシックのみならず幅広く積極的に演奏活動を行っている。
　

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◆ピアノ奏者 石川 千草 （いしかわ ちぐさ）
平成１０年、沖縄県立芸術大学音楽学部卒業。
平成１１年にピアノ教室、オペラ伴奏ピアニスト等を経て、現在は沖縄県立看護大学学長秘書兼、ピアノ教室講師をしながら、ステラトリオのメンバーとして演奏活動を行なっている
　

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◇エミュ木管五重奏団
1997年８月に沖縄県内で活動続ける演奏家で結成。同年11月のパレット市民劇場音楽祭での「エミュ木管五重奏団演奏会」を皮切りに福祉施設、ホテル、学校公演などの演奏活動を続ける。クラシックの枠にとらわれない企画にも意欲的に取り組み、三線との共演や、ナレーションを入れた音楽物語などをファミリーコンサートシリーズとして取り入れ、初心者から音楽愛好家まで幅広く楽しめるようこころがけている。