|
『 素晴らしかった第6回 うらそえ 青年祭 』
〜魅力たっぷりの勇壮なダイジェストシーン〜
去る9月16日に浦添の青年会が集い、それぞれの地域伝統エイサーの腕前を披露する『第6回うらそえ青年祭』が浦添運動公園 陸上競技場で開催されました。その『青年祭』を振り返り、浦添の各青年会の青年たちのエネルギッシュな太鼓の勇舞や、若さ溢れる娘たちの手踊り(ティーモーイ)を写真で紹介。また、これまでの青年会活動のなかでの苦労したことや、裏話も交え浦添市青年連合会長の安里さんにお話しを伺いながら魅力ある『青年祭』をダイジェストで皆様へご紹介してまいります。
|
※こちらから第6回うらそえ青年祭のダイジェスト映像をご覧いただけます。
|
今年も、先日催された青年祭で浦添各地域の素晴らしい伝統エイサーを、一同に市民が楽しむことが出来ました。青年会の皆さん有難うございます。そしてご苦労様でした。
牧港青年会
仲間青年会
Q ところで、安里さん、普段、地域エイサーの伝統を青年会の皆さんが伝承していることで、大変なことだと思うことは何ですか?また、大切だと思うことは何でしょうか?
A 浦添の場合は、エイサーが元々無い所で、青年エイサーの伝統が出来て未だ新しい地域なんです。何年か途絶えていた青年会があり、そこが再発足して、エイサーを再開している所もあります。やはり、一度途絶えてしまった青年会は、再び途絶える可能性があるんですね。ですから、大変なのは絶やさないように続けていかないといけないという責任と緊張の持続ですかね。先輩から後輩、そのまた後輩へ、習って来たものを同じように伝えないといけない「伝統という大切にしていかなければならないもの」を続けるのは大変であり、大切な事なんです。
城間青年会
西原エイサー保存会
Q 青年エイサーが喜ばれ本土でも或は、世界にも拡大しているのは何故だと思いますか?また、エイサーを皆さん(青年会)が続けている魅力とは?
A エイサーは、人を集める何か(催し)としては絶好なもの、人を引き付ける魅力があるから、皆やっているのだと思います。本土でも、県人会の人たちが沖縄で創作エイサーを覚えて帰り本土でやっているし、創作エイサーなどが実際、かなり広がっている事から言うと「琉球國祭り太鼓」の影響が一番大きいのではないでしょうか。
勢理客青年会
A 「続けている魅力?」エイサーだけでは続かないです。エイサーと言うよりは青年会活動全般のことですね。高校生は「青春時代エイサーをやっていた」で満足するんでしょうね。
自分らは正直、手当てもないし、時間も相当費やすし、ただ、続けていれば後輩も出来るし、後輩に教えないといけないという責任感がでてきて、青年会活動を通して周りからも認められ、期待されることで意識が高まってくることに充実感を感じていることが実状だと思いますね。自分も、エイサーやりたいから入って、やってる内に後輩を育てていて、もう辞めようかな?と思う時にも後輩が頑張っている姿を見ることで辞める訳にはいかないと思うんです。少しでもサポート出来ればと思って、いつの間にか連合会までやっては来たんですよ。
最初は何処の青年会も自分達のだけの祭りをやっていたんですが、合同での祭りを興すようになり、他の青年会とも顔見知りが増えてきて仲良くなり、「皆で何かやろうや!」がこの浦添市青年連合会のスタートのきっかけで今回が『うらそえ青年祭』第6回目です。青年会活動の中のひとつとしてのエイサーなんですが、これまでの活動を皆さんに見てもらえる発表の場でもあり、認めてくれて激励されることが続けられる最大の魅力ですかね。
Q 青年エイサーは基本的に念仏踊りですが、現在は違う側面をもったエイサーが定着してきました。そのこと自体は如何ですか?
A やはり、盛り上がるからじゃないですかね!結婚式でもやれる様に成って来たんですけれど、中には「エイサーをお祝いにやるか?」という人もいますが、最近では催しの前後に出るのは当たり前の様に普通になっている。「エイサー祭り」という祭りがあること自体でお祝い演舞として定着している証拠だと思います。
内間青年会
浅野浦青年会
Q 青年会はエイサーを通してそれぞれの地域の子ども達・中高生に、健全育成の意味でかなり貢献していると思うところがあると思うのですが、浦添市青年連合会では具体的に青少年健全育成を目指して行っている事はありますか?
経塚青年会
A 『うらそえ青年祭』自体が青少年健全育成の趣旨そのものなんですよ。例えば飲酒・たばこ・暴走行為等の問題がある子ども達が、エイサーをやってなければ夜中からオートバイを乗り回して、「バー バー」やってる人もいるんですよ!私に言わせれば、エイサーをやっている時間はエイサーに夢中なっているので、エイサーがきっかけに成り、健全育成に大きく貢献していると思っています。
しかし、そういう子は既にお酒も、たばこも隠れて呑んでいると思います。ただ、エイサーをさせることでそういう行いをする時間を与えないし、青年会の中では先輩の言うことを聴きますから青年会の活動の中では絶対させません。でも、終わったらどこかで隠れて酒も、たばこも呑む子もいると思います。そういう子にも、指導を続けることで時と場所を考えるようになり、自然に、「やってはいけない・皆に迷惑をかける」と言うことを学んで行くと思うんです。
多分、青年会の先輩たちも過去に経験があると思うので、(笑い)エイサーの練習活動外での強制的な指導は出来ないが、時と場所をわきまえる事と、なるべくは辞めるようには指導できる。あれもだめ、これもだめ、とただの強制だけでは練習に来なくなり、せっかくの健全育成をするチャンスを潰す事になりかねないですから。
Q 創作エイサーとエイサーの違いは何ですか?
仲間青年会
A ミュージックですかね。日出克さんの「ミルクムナリ」とか、げんちゃんの曲とか基本的にはウチナー歌謡曲に合わせて踊るというのが創作エイサーかなと思っています。新しい青年会では、それから入ることもある。正直、青年会活動をしている人からすると創作エイサーの存在というのは、ある意味脅威でもあるんです。ヒットした歌謡曲に合わせて踊るのですから楽しいし、盛り上がる。ですから、女の子達がわりと太鼓を叩きたがるんです。今、創作エイサーが大きく広がっているのは女の子達の力でもあると私は思います。
最近、エイサーの中で女の子(特に大学生)が太鼓を打っている姿が目立つと思うのですが、「琉球國祭り太鼓」でもそうですし、やはり女の子の太鼓はダメだという青年会は昔からあるので、太鼓をやりたいと言うと「琉球國祭り太鼓」のように創作エイサーに向いてしまうのかなぁと思う。だから、最近は、青年会の中に手踊り(てぃーもーい)の女の子が少なくなったんじゃないかと思う。青年会のエイサーは飽く迄、地域の青年会活動の一部なので旧盆念仏踊りの「道ジュネー」や、盆踊り、敬老会、こどもの日、等、自治会のイベントで青年会がお手伝いする中での演舞として披露されるもので目的が違う。みんな創作エイサーに行ってしまい、青年会の地域活動に参加しなくなることが無いように伝統的なエイサーの魅力作りのためにも『うらそえ青年祭』を盛り上げていきたいです。
城間青年会
勢理客青年会
Q 最後に、浦添市青年連合会の今後の抱負と青年エイサーを続けていくに当たってのコンセプトは何でしょう?
A 青年会活動はエイサーだけじゃないというのはそこなんですよ!好きな事だけさせていたら絶対に育たないし、地域イベントに参加することで得ることが多くある。敬老会でオジーオバーにエイサーを踊って「あんたたちカッコイイーよ〜!」と言われたら嬉しいし、やっぱり、褒められて育つ。おこられて、おこられて、おこられて、怒られっぱなしでは育たない。挨拶して褒められるんだ!当たり前のことをして褒められることで、当たり前のことが分かってくるんです。地域ぐるみが、やはりいいのかなぁ「あんた誰々の子どもでしょう?」とか、自分の知らない人が自分の事を知っているんだと分かってくる。
青年会をやっていたことによって社会に出て、仕事に就いた時にも生きてくる。今は人との付き合いの希薄な時代なので、青年会をやっている子達は割とハキハキしていると思います。人一倍強く教えられていると思うので、青年会活動をしていない生意気で挨拶も分からない様な若い子らより、自分は尊敬します。ただ、真面目だったらいいとかいうKYじゃなくて空気、雰囲気が読める人で、場を盛り上げることが出来るような社交的な人間作り、大人しくて目立たない子が青年会活動を通して自信を付け、人前でちょっと面白いことして笑わせたりとかする様な明るい子に成ったりします。
このように後輩たちの育成に力を注ぎ、挨拶や、団体行動の大切さなどを学び、先輩から後輩へと伝統文化を継承する中で、社会の規律、親や地域へ感謝する心を教え伝えていくことが大切だと思っています。
地域は、青年会、婦人会、自治会の三つが揃ってバランスがとれます。浦添市では38自治会中、9の青年会なので青年会がもっと増えて欲しい。青年がいないと活気がないので自治会は大変だと思う。また逆もありで、青年会が羽目をはずしすぎて地域に迷惑を掛けてしまい自治会と上手くいかず解散してしまった所もあるが、そんな寂しいいことにならないように自治会と青年会がお互いを必要として役に立って行かないといけないと思います。
「道ジュネー」とかを見ているとやはり、自治会が協力している所は一緒について回って交通整理をしてくれている。これを、青年会だけでやっている所もあるし、そういうのを見ていると地域ぐるみだとエイサーがやりやすいんだろうなーと思います。
浦添市青年連合会は現在、約300人前後、9団体(8青年会+舜天雅)です。私達は、エイサーだけが青年会活動ではないと思っています。伝統芸能のエイサーや、獅子舞、旗頭等を通して自治会に協力して地域の活性化に繋げていくのが青年会活動であり、地域の事は地域の青年が担う、エイサーだけであれば創作エイサーでもいいと思います。そういう志をもって、年に一度のこの『うらそえ青年祭』を日頃の活動と練習の成果を発表する場として目標にして来ました。
舜天雅団
今回は、@牧港青年会「マチナト節」の演舞に始まり、A地域ぐるみの応援で成長したと言う仲間区青年会の演舞。次に、B少数精鋭で創立21年の伝統を守る城間青年会。そして、C西原エイサー保存会として再結成、25年前に始まったの伝統を受け継ぐ演舞。また、D勢理客青年会は結成5年目で若いが意地とプライドの演舞は何処にも負けない。続いて、E内間青年会も再発足16年目高校生も入り若さ溢れる演舞に注目。更に、F経塚青年会は結成6年目だが市外の様々なイベントに参加し腕を磨いた技巧派の演舞。G浅野浦青年会も結成7年目と若いが勇壮演舞が自慢「気合・根性・笑顔」の演舞でした。
最後は、というところで、台風の影響を受けて我慢していた空が泣き出してしまい後半途中で雨が降り出してしまいました。ところが中断なしで、降りしきる雨の中をものともせず、H舜天雅エイサー団の清清しい娘手踊りと、パワフルな青年太鼓の演舞が始まり、帰りかけた観客の足を止め、雨の中、観客も一体となり盛り上がりました。
舜天雅団
合同エイサー
祭りの最後に「青年祭の見所」の一つとして、市内9団体の青年会が団結して、同じ衣装をまとい120人での連合会オリジナル演舞をしました。バチ回しも踊りも違う青年会が同じ踊りを踊ると言う事はとても難しい事ですが皆、「浦添市を盛り上げたい!」という一心で冬場から練習を重ねてきた演舞を披露しました。
当日、あいにくの天気にも関わらず足を運んでいただいた市民のみなさん、雨の中、最後まで応援してくださいました観客の皆様、及び来賓、関係者の皆様、誠に感謝申し上げます。この場を借りて、お礼申し上げます有難うございました。
また、都合でご覧いただけなかった皆様のために本サイト『ビジネス・モールうらそえ』のご協力により、VTR映像を制作配置されておりますので是非ご鑑賞下さい。青年たちの力強さ溢れる演技を見て頂き、感動と興奮を共感して頂ければと思っています。
合同エイサーでの連合会オリジナル演舞
|