喜屋武一仁 社長 |
外人住宅のノウハウを今に活かす
「スカイコーラル前田」
平成17年の談合問題のあと公共工事の縮小があり、それをきっかけに平成18年7月に会長の長男、一仁さんが代表取締役社長に就任。公共工事の下火に伴い、徐々に住宅の建設に事業内容をシフトしていきます。公共工事でつちかった土木技術の蓄積を住宅建設に応用。去年からは民間分野に大きく力を入れ、浦添市当山のバークレーズコート内に、5階建ての病院ビルの建設を大和住宅産業さんと共同で請負っています。
また、企画会社として、有限会社k・kを設立。現在浦添市前田に建設中のメゾネットタイプのマンション「スカイコーラル前田」(今年9月完成予定)は、眺望重視のため、わざわざ傾斜していて、かつ地盤の強固な場所を選んで建てており、喜屋武建設の外人住宅のノウハウが隅々まで活かされた、新しいタイプのマンションです。社長は「この広さはマンションのディベロッパーなら20戸、30戸は造るはず。でも私達は一戸々々景観を確保するためと、外人住宅のような広い庭も欲しかったので、段段畑のような形状にして、空間を広くとったんです」と、「スカイコーラル前田」へのこだわりを熱く語ります。
マンションは「空に浮かんだ海の珊瑚礁」をイメージしており、一見したところ、新しい建築様式に見えますが、全7戸の住居はバリアフリーで少しずつ部屋のデザインが違い、独立型の戸建て感覚。傾斜地を活かした眺望のよさと、住む人同士、環境に配慮して暮らしていけるように、という思いから、下の階の屋根がそのままベランダの庭スペースになっています。抜群の見晴らし、開放感溢れる広い庭。リビングなど、それぞれの部屋も16畳から22畳と通常のマンションより広く作られており、まさに牧港ハイツの縮小版といったところ。外人住宅と同じように、勝手に増築したり、庭に建造物を作ったりできないという暗黙の規制が、かえって住環境を守ることに繋がります。
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喜屋武社長は「自分が住むならこんな家を、と思って造りました。ここは珊瑚礁のように、外人住宅の集合体なんです。独立していて、お互いに多少規制のかかる、住環境が守られる見晴らしのいい空間のある家造りという『コーラルシリーズ』は今後も続けていきたいと思っています。ただね、非常にコストがかかるんですよ。これがちょっと悩みの種ですけど(笑)」と話してくれました。社長の思い入れがたっぷりつまった「コーラルシリーズ」が、これからどんな展開をみせてくれるのか、とても楽しみです。
公共工事華やかなりし頃は、事業全体の90%を公共工事が占めていたそうですが、現在その割合は50%ほど。住宅建設の請負いや企画・建設・販売のほか、住宅のリフォームにも力を入れており、現在はこの四本柱で事業を展開しています。最初に手がけた外人住宅が築40年ほど経過しており、日本人向けに天井や床を取り付けたりと、リフォームの需要が多いそうです。住宅の寿命はメンテナンスの仕方によって大きく変わるもの。喜屋武建設では、一軒丸ごとのリフォームも手がけています。「スカイコーラル前田」も、後々リフォームができるように設計されています。近年のマンションブーム、移住者ブームなど、現社長も先代に劣らず、時代のニーズを敏感にキャッチし、時機を逃さずうまく事業の舵取りを行っているところはさすがです。
また、自社ホームページでの物件紹介や、建築やリフォーム情報のメルマガ発信など、顧客の立場に立った情報提供も行っています。長年の実績と信頼で、時代のニーズに添って、こだわるところはとことんこだわり、臆することなく新しいことに挑戦する喜屋武建設。これからもより一層の活躍が期待されます。 |