2009年 新春特別インタビュー
新年あけましておめでとうございます。 Q 最初に、昨年はどのような年と総括されますか。
儀間 前半は一昨年から続いている社会保険庁の問題や防衛省の問題がありました。どちらも日本の社会保障制度についての根本の問題ですが、政府の視点も姿勢も定まらず、私たち市町村は翻弄されました。米軍再編も全然進まない。 そして後半はアメリカ発の大不況です。しかも社会保障の問題もまだ決着はついていません。そこへ契約社員などの雇用不安、生活不安、金融不安、為替不安、経済恐慌の社会不安で年末を迎え、それが今年も続くだろうというわけです」 Q 丑年は昨年以上に厳しい一年に?
儀間 が、そういう荒波の中でも、私は決して夢を失うなといいたいです。決して現実から逃避はしてはいけない。常に現実を見据えて自己研鑽し、一歩一歩、自己実現をして欲しい。若者は自暴自棄にならないで、強い精神で前に進んで欲しい。」 Q 今、辛い経験をしている若者たちへ、励ましの言葉をお願いします。
儀間 希望がうち砕かれ自ら自暴自棄になった私は、病院を脱出して毎晩酒飲んで回っていた。しかし一週間ほどして、こんなことばかりしていいのだろうかとはっと我に返ったのです。このままここにおってはいかんのじゃないか。厳しい現実を受け入れ、どうすれば脱出するかを考えた。そして沖縄に帰ってきたのです。 今、辛い思いをしているみなさんに言いたい。意識さえあればどんな危機も脱出できる。自分の行く先はどこなのかを自分に問い直してみて欲しい。決して自暴自棄にならず、今は自分を振り返る訓練の時期だと思って欲しい。 そしてともかく進む。サイドステップでいいからともかく前進すると、新たな発見があります。そこからまた一歩進む、きっと新しい窓が見えるはずだ。 雇用がないというが、3K5Kといわれている仕事を嫌がらなければ、仕事は見つかります。そこからでもともかく始めてほしい。止まっていてはいけません。 Q 今年の浦添市は、大きな事業が展開される予定ですが
儀間 私が育った時代は、まだ豊かな地域力がありました。戦後復興のあおりで核家族になり、地域のコミュニケーションが希薄になった。それをもう一度練り直し、やり直さないといけないと考えます。 特に防犯は地域力が重要だ。大勢の人の視線が地域にあると犯罪は起こらない。児童虐待、老人虐待の情報もいち早くキャッチできる未然に防ぐことができます。」
儀間 すなわち、今まで市の施策として、してきたことをこれからは地域に移したい。さらに地域からの提案も待っています。市の職員は市役所にだけいるのでは十分な行政サービスが勤まらない。どしどし地域に出かけて、地域と一緒になって活動してもらいます。 子供たちには、全小学校5年生でセカンドスクール、やんばる2泊3日に行きます。すばらしい自然を体験するのです。全小学校に英語の先生を置きます。さらに今後、中学生 の短期外国留学を考えています。
儀間 それぞれハード事業にはソフト事業がつながってくるわけで、浦添市民は上を向いて歩きましょう、と言いたいですね(笑い)。 Q てだこ市民大学について教えてください。
儀間 Q 市民だけでなく、浦添市役所の職員も参加しないと片手落ちになりませんか?
儀間 Q 昨年、牧港川の清掃ボランティアが話題になりました。環境問題も今年の重大な課題では?
儀間 ボランティア活動はシニアの方たちの参加が多いですが、そういう先輩方の知識や経験にプラスして、若い人たちの行動力が入っていき、ここのように子供たちも参加できる、三世代四世代が地域に関わっているのが理想だと思います。 地域ボランティアの組織は、浦添では特筆すべきです。ボランティア団体が集まった『浦添元気ネットワーク』という組織があますが、この方たちこそが浦添の地域力のベースと私は考えています。 Q 最後に、今年のヤクルトを占ってください(笑)。
儀間 明るい浦添市の話がいっぱい出てきました。今年も一年、良い年になりますように。 コラム「浦添織り」浦添織りは新しい産業として浦添に根付いています。「ゆい」という織り子の組合があり、技術力デザイン力ともに向上し、人気が出ていますよ。H20年の「産業まつり」では売り上げがいきなり6位、さらに11月の全日本経営者商工会議所女性大会で売りあげ3位!すごいですよ。 本当の指導者とは?「臣四千里を照らす」威王(いおう)は臣下を大切にし、国を平和に治めた斉国(紀元前300年代)の名君。あるとき魏の恵王と会見、恵王は「あなたの宝は?私は車12台を照らす1尺の珠を持っていますよ」と自慢します。威王は「私の考える宝はあなたのとは違う」と答え、自らの家臣の4人を褒めて、「四人の家臣は国外まで含め千里をすら照らします」と答える。これを聞いた魏侯は恥じ入ったといいます。 つまり自分で指示を出すだけの指導者は、本当の指導者ではないと思います。人々の衆智を集め信頼をして、その上で危機に向かってでも自分が先頭に立つことだ。どんな荒波の先端でも危険の中でも、先頭に立って果敢に行くのが本来の指導者だとぼくは思う。
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掲載日:2009/1/14 |