エッセイ - 心豊かに |
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心豊かに今年もまたいつものように新年度がやってきました。一年前とは社会情勢が一変し、年度の事業計画は困難を極めます。 ファンドの企業買収などの話題に多くの人が違和感を感じていたはずですが、複雑化した金融の暴走を止めることができませんでした。社会全体が反省し、一人一人が物の豊かさと心の豊かさについて考え直す必要がありますが、クリアしなければならない目の前の課題があまりにも大きすぎます。 昨年の秋、ピーターラビットの絵本の世界、イギリスの湖水地方を旅してきました。穏やかなその風景の素晴らしさもさることながら、そこで行われているナショナル・トラストによる自然保護活動には感銘を受けました。ボランティアの数とその活動内容、莫大な寄付は、日本では想像できません。真の豊かさとは何だろうと考えさせられました。 心豊かに生きたい暮らしたいとは、誰しも願うことです。心豊かというと、よくお年寄りが穏やかそうにしている様子が思い浮かびます。人生を達観し不惑の域に達するのは難しくても、年を重ねれば穏やかにはなってきます。それは年の功だけでなく、人生の残された時間への感じ方の違いもあるからなのでしょう。何でもない日常を有難いと感じられるか。美しいものを美しいと感じられるか。 一方、若い人や現役の人にも心豊かな生き方は大切です。孫ができなくても心豊かになれます。時間の余裕や経済的な要素も関係しますが、絶対的なものではありません。 また、心の豊かさのひとつの側面に、優しさや思いやり、奉仕の心があるのではないでしょうか。さらに、達成感や誇り、希望や向上心も心の豊かさに繋がります。心のやましさや妬み恨みなどの感情が大きかったり、怠け心や誘惑に負けて心が病んでいては心豊かとはいえません。 県民所得が全国で最も低い沖縄は出生率が全国一高く、県外からの移住者も増え続けています。地球温暖化の問題もそうですが、真の豊かさとは何か、また日本の社会がどうあるべきかを考える時、私には「沖縄」の持つ意義が大変重要なものに思えてなりません。
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掲載日:2009/5/7 |