初めてご利用の方へ 企業登録のご案内 リンクについて お問い合わせ プライバシーポリシー サイトマップ
トップ >> エッセイ >>空の楽しみ(4) 〜空から見る沖縄の島々1〜

エッセイ - 空の楽しみ

空から見る沖縄の島々1

- 第4回 -

井上徹英 (いのうえてつひで)

(浦添総合病院 院長)

山口県岩国市出身 医学博士
広島大学医学部卒業後、救急医、麻酔科医として北九州の病 院に長く勤務し、平成15年に浦添総合病院に赴任。院内改修 事業や救命救急センター創設、ヘリ事業などに携わり、副院長 を経て平成20年4月に同病院院長に就任。
趣味は日韓問題研究や現代思想史研究で、猪木正道氏の評 伝などの著書がある。

空から見る沖縄の島々1

沖縄の島のことを書いていけば、その姿だけをとってもゆうに一冊の本になってしまうであろう。そのぐらい個性的な島が多い。

『島へ。』という日本で唯一の島の雑誌がある。その2008年第44巻は「沖縄発、魅惑の島旅」と特集が組まれていて、取り上げられた島の一つが渡名喜島である。天気のよい日だと慶良間諸島から少し離れて右側に見えるので、沖縄県人は絶対に知っているはずだ。人口500人足らずの小島だが、他の島とは趣を異にしている。その最大のものは容姿である。島の南半分は切り立った崖でできていて、絶海の孤島の趣がある。人が住めるのは大きな山と小さな山との間にわずかに存在する平地だ。

渡名喜島

写真はヘリコプターから撮影した渡名喜島。沖縄のかたにこの写真を見せ、「何という島かわかりますか?」と尋ねて一発で正解を出す人はまずいない。わからないのは当然で、ヘリ以外にこの島をこの角度で見ることはできないのである。

離島便をのぞいて、那覇空港の場合、どちらから着陸するか、どちらの方向に離陸するか、そして、左側に座っているか右側に座っているか、によって8通りの島の見え方がある。飛行機もヘリも風が吹いている方向に離着陸するので、北風の時は国頭半島の付け根をクロスするようにして本島の東側に出て南を大回りして那覇空港に進入する。南風の時は本島の西側を低空飛行で南下し、そのまま那覇空港に着陸する。北に向けて離陸の時は飛行機は嘉手納基地の進入路を避けるように一旦西に旋回してそれから北に進路を向けて高度をあげていく。南に離陸の時はすぐに左に旋回して高度を上げ、島尻半島の上を飛んで本島西側から進路を次第に北に向けていく。

したがって、渡名喜島がもっともよく見えるのは右側座席の時に北から低空で進入する場合である。ところが、この時は着陸寸前のため電子機器の使用が禁止され、島の姿を写真におさめることができないのが残念である。他の時は高度が高いため姿が小さくなったり往々にして雲に邪魔されたりしてしっかり見ることが難しい。

こんなことを書いていると、よほど暇人と思われてしまうかも知れないが、暇人と思われついでに、つい最近に中部セントレア空港でキョロキョロしている時に面白い飛行機を見つけたので紹介しておこう。それはボーイング747、つまりジャンボを改造した特殊輸送機である。おそらく名古屋の工場から部品を運ぶのだろう。飛行機の部品は驚くほど多く日本で作られている。

ボーイング747、ジャンボを改造した特殊輸送機

飛行機が重なっている状態で遠くからの下手な写真なのでわかりにくいので、西川渉さんのHP「航空の現代」で紹介されているよく分かる写真で紹介する。タヌキが襟巻と腹巻きをしたような不格好な飛行機だ。こちらはボーイング社だが、エアバス社も同じような機体を保有している。ベルーガと通称されているA-320の改造機である。こんなものがよく飛ぶものだと不思議でもあり面白くもある。

ボーイング747、ジャンボを改造した特殊輸送機
ボーイング747、ジャンボを改造した特殊輸送機

ついでについでで、飛行機から夕焼けの富士山が綺麗に見えたので本稿の末尾として紹介しておく。もうちょっと写真撮影がうまかったらと悔しい気もするが、実物がいかに壮大であったか、下手な写真から想像でお楽しみ頂けたら幸いである。

飛行機から夕焼けの富士山

>> 【エッセイ】 空の楽しみ 第1回

>> 【エッセイ】 空の楽しみ 第2回

>> 【エッセイ】 空の楽しみ 第3回

>> 【エッセイ】 空の楽しみ 第5回

>> 【エッセイ】 空の楽しみ 第6回

>> 【特別インタビュー】 救急ヘリ搬送システム「U-PITS」 2007年6月掲載

掲載日:2008/12/12

このページのトップに戻る