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企画特集第25回子どもたちの元気を応援!学校給食の調理室は栄養とバランス、おいしさを日々研究開発中!-株式会社オーディフ-

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沖縄県内の学校給食、会社・官公庁の食堂や売店の運営、福祉施設への食事など様々なフードサービスを提供する株式会社オーディフ。

管理栄養士による厚生労働省推奨バランスガイドに基づいた食事であることはもちろん、沖縄県との地産地消コラボメニューの企画など安全で健康的な食に取り組んでいます。

また、学校給食では、学校訪問を行い食育啓蒙活動を行うほか、廃食油のエコリサイクルなど環境活動にも積極的に取り組んでいる企業です。食に関する幅広い活動の中から、今回は、誰もが楽しい思い出をたくさん持っているはずの「学校給食」にスポットをあててお話を伺いました。

身近だけれど、給食をつくっている調理室の現場は見えないもの。子どもたちの食はどうなっているの?安全や衛生面、おいしさはどうなの?どんな人が作っているの?学校給食の日々、研鑽を重ねる現場に潜入です。

学校給食のプロとして食育の大切さを考え続ける

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常務 管理栄養士 饒平名カツ子さん

常務兼管理栄養士として、よりよい食の取り組みを推進する饒平名カツ子さん。以前は学校給食センターの職員として、沖縄県内の各小・中学校の栄養職員として在籍していたといいます。

オーディフの普天間社長とは東京の学生時代の同級生であることから、若い頃から官民を超えて情報交換を行っていたといいます。そして公立給食センター退職後、「食育」への熱い思いを胸に、オーディフに参画しています。学校給食への思いなどを伺いました。

こだわりの献立作成

「学生時代、ヒョロヒョロ細いお嬢様が事業を起こしたかと思えば、子供たちの給食に使用する新鮮な食材を求め2t車を自ら運転し、中央卸売市場、時には生産地まで足を運ぶなど、パワフルな活動をするとは思いもしなかった」と、普天間社長の話をされた饒平名さん。官民を超えて情報交換を重ねるなかで、「オーディフの取り組む献立作成は刺激的だった」と振り返ります。

地産地消も取り入れ給食で旬のうまさを伝えていく

「自分が生まれ育った土地のもの、気候風土を同じくして育った食べ物を食べることが一番いい。それが体に最もやさしい」と、饒平名さん。給食にも、地元で採れる食材をできる限り取り入れ、県からも指定を受け、旬もののおいしさを多様に伝えています。うちなーカレーと名付けた、冬瓜のカレー。ナーベーラーのクリーム煮。シィークヮーサーの日、パパイヤの日など、イベント時にも工夫献立で食材の紹介も行っています。

「給食での地産地消拡大にも貢献し、食べる人、生産する人との交流も深まり今後もウチナームンを応援したい」と熱く語ってくれました。

給食の必要性献立作りの工夫DSCF5136

「飽食の時代、好きな食べ物を不自由なく食べられるといわれている。そういう時代だからこそ、栄養を考えた学校給食の役割は大きいと考えます」なぜ、食べることが大事なのか?そうした一つひとつのことを、伝える役割も学校給食は担うようになった、と饒平名さん。残さず食べてもらう工夫にも余念がないといいます。

「1年前は残量が全体で30%だったのが現在は10%代になり、私たちの献立の工夫や食育の成果だと確信しております。捨てるのがもったいない、食して得る栄養を摂取できないことも非常に残念。だから、素材と献立を照らし合わせるほか、毎月、献立検討会を行い、献立開発に力を入れています」

給食を通して見えてくるもの

また、貧困の問題も見逃せないと語尾を強めました。「先日、ある集まりで聞いた話なのですが、給食時間に窓の外をじっと眺め、給食に手をつけない子どもがいたそうです。その子は家で待つ妹や弟が食べるものが無いから、自分は食べなくていいから今日の給食を持ち帰っていいか?と聞かれ担任は涙がとまらなかったという話を聞いて、ここに給食を通して社会情勢が見えてくる。わずかな給食の時間で食の楽しさを伝えること。心と体の健康への手伝いをしていきたいです」

給食試食会で思いを伝え

「食」を一緒に考える

「子どもはいつもどんな給食を食べているの?」「どんな人が、どんなところで作っているの?」保護者の思いに応えるように、オーディフでは「給食試食会」 を開催しています。

栄養士や調理師が学校へ出向き、給食を保護者の方々に食べてもらい、質疑応答などを交え懇談をはかります。栄養士の比嘉昌代さんも給食試食会に参加、説明などを行っています。給食試食会の様子について伺いました。

給食試食会で安心・安全な給食を伝える

試食会では担当栄養士がスクリーンに資料や映像を映す『パワーポイント』を使用し、会社概要や給食についての思いや栄養面、献立の工夫、調理場の衛生管理等について説明をします。

取材でお邪魔した日は、丁度、給食試食会が行われた日。『子どもたちの給食がわかってよかった、衛生面等の取り組みがわかった』等の感想が寄せられたそうです。

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栄養士 比嘉昌代さん

比嘉さんは「メニューやトレーサビリティーについての企業の取り組みへの質問、家族での食事の様子等保護者との意見交換の場になって、いい給食試食会ができたと思います」と、笑顔で報告。

また、保護者の方に食育にふれてもらえることも、給食試食会の意義のひとつだとおしえてくれました。「給食だけでは一日の栄養素を補うことができません。例えば、『今日の献立には鉄分が足りません。なので、夕食に鉄分の多いレバーやほうれん草などを是非加えてください』と伝えます。

野菜や魚を食べてもらう工夫

比嘉さんは、保護者の方から「給食では全部食べたよと子どもたちはいうけれど、給食と家庭料理の違いは何?」と尋ねられることも多いといいます。「給食では衛生面も考慮し、すべての食材をボイルします。温野菜にすることで、野菜は甘味を増し、食べやすくなります」とアドバイス。

ただ給食の現場でも野菜をいかに食べてもらうかは、常に課題だといいます。「野菜が残りがち。魚も食べない子どもが多い。どうやったら食べてもらえるだろう?魚の焼き方を蒲焼きにしたり、野菜をボイルして食べやすくしたり、マヨネーズや味噌などで味付けを変えるなど、ちょっとした工夫を取り入れるようにしています」

幼稚園での試食会の様子

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真栄原カトリック幼稚園で行われた「給食試食会」の様子。説明のほか、質疑応答も行い、給食を通してのコミュニケーションを図ります。

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管理栄養士、栄養士、調理師が出向き、顔の見える給食を伝えています。

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献立は人気の『ビーフストロガノフ』です。当日は保護者の方も配膳を行い、使用する食器も同じもので、子供たちの給食を体験してもらいました。

自分の子どもに食べさせたい給食その思いを込めたおいしさ

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給食調理責任者 長濱義人さん

学校給食を調理する厨房の責任者として現場を仕切る長濱義人さん。「500人分をいっぺんに作る」と大きな鍋釜を相手に、味の管理、煮崩れや色合い、焦げをつけないなど気配りを要しながら、調理師が息を合わせて調理を行っています。

目指すのは、子どもたちに「おいしい!」と喜ばれる給食。新メニュー開発にも着手して、日々、アイデアをひねり、アンダンスーやシィークヮーサーゼリー、シィークヮーサーふりかけなど、考案しています。

家庭料理に近い味を目指しておいしい給食作りに精魂を込める

「オーディフの給食で、みそ汁はめちゃくちゃおいしい!」と笑った長濱さん。「静電誘導水」という特別な水にこだわっていることが、その理由だとか。「ダシの旨味を最大限に引き出せ、カツオダシは際立っておいしい」

「昼食時に当日の給食を食べることで、今日の味や素材、課題など、いろいろな意見が出る。この時間も貴重です」月に一度の献立会議では、前回のメニューについての反省な ども踏まえ、食材の重複やバランス、味つけ、色合い、食器、下処理など、さまざまな視点で活発に意見を交換を交わすそうです。

新メニューの開発と試食を繰り返し、常に「子どもたちに喜ばれる給食」を目指して研鑽中だといいます。例えば、冷凍物を使わないフレッシュな鶏肉を使い、その肉の旨味とジューシーさを活かして考案したのが、スパイシーチキン。当初はビールのおつまみにぴったりな大人向けな味つけになってしまった失敗作だったよう。スパイスの調合を何度も変え、試行錯誤し、子どもにも喜ばれる味に完成したそうです。今では給食の定番献立として、人気のメニューです。

アンダンスーは、具材である肉の大きさや焼き方を変えるだけで、食感や旨味に違いが出るといい、「子どもたちに喜ばれるには?」と考え続け、開発を重ねているそう。

「子どもたちに、安全安心の給食を作りたい。おいしいと喜ばれ、食べることを楽しみにしてもらえるように、自分の子どもに食べさせる気持ちでいつも作っています」

衛生管理を徹底し、安全な給食であるために朝一番に行う調理師チェック

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危機管理主任 比嘉由子さん

比嘉由子さんは、人当たりのよい大らかな性格と、気配りと機転のよさ、仕事の細かさから、危機管理主任に抜擢された人です。調理器具などの衛生管理から、調理師の健康状態に至るまでチェックする様子を伺いました。

危機管理の意識を徹底小さな傷や変調も見逃さない

朝一番、調理師は比嘉さんのチェックを細かに受けます。身だしなみ、爪はきれいか、手指に傷はないか、体調はどうか、顔色はどうか、気分はどうかなどなど。「指の小さな傷も大問題。そこに菌が発生してしまうんです。だから、小さな傷も見逃しません」

下し気味の人は調理室に立ち入り禁止、顔色が少しでも優れなければ声をかける。気を配るほどに、一人ひとりの小さな変化に気づくのだといいます。もとはパート従業員。機転のよさや気配り、誰とでも気さくに話すけれど、叱るときには怖いほどに叱る。

その人柄のよさから危機管理に抜擢された比嘉さん。配属されてからは調理師の動きや工程の流れなど、一つひとつの重要性を意識し、食の現場に理解が深まったといいます。

また人だけではなく、食器や食缶、調理器具はきちんと洗浄され、整理されているかのチェックも危機管理の仕事。異物混入の防止などにも、目を光らせています。「うるさいといわれながらも、がんばっております」と笑った比嘉さん。「食を扱う私たちの小さなケガや体調不良、心がけ不足が大きな事故につながります。菌ひとつ見逃さないよう、徹底した管理を目指しています」と、力を込めて話してくれました。

才能の宝庫、調理の現場から

自信作を続々と商品化

2009年12月にスタートした商品開発部。給食事業および、県内企業の社員食堂や県庁、病院などの食堂運営のなかから、人気の味を商品化しています。長年培ったこだわりレシピのなかから「自信の味」を厳選。手作りのおいしさを県内外へと販路を広げていきたい考えです。

味に定評のあった「三枚肉」を販売

商品開発部の発端は、沖縄そばにトッピングされる『三枚肉』がおいしいと評判で、自信作であったからだといいます。味の統一化と効率を考えて、そばだし、ミートソース、三枚肉、カレー等はセントラルキッチンで集中的に作って各セクションへ配送しています。

『味は水で変わるもの』と水にこだわり煮込んだ三枚肉。味がしっかりと染み込んでいます。余分な脂を丁寧に取り除いているので、冷えても脂が浮き立たず、さっぱり食べられるのも特徴です。このおいしさが認められ、現在、販売元のサン食品から県内各スーパーで販売されています。

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商品開発部次長 山城るみ子さん

豆類体にやさしい素材にもこだわり

「体にやさしい食べ物もオーディフならでは」と続ける山城さん。オーディフオリジナルで饒平名常務考案のロイヤルぜんざいは、紫花豆、白花豆、黒豆、えんどう豆など、贅沢にも10種の豆を投入。個性のあるそれぞれの豆を煮込んで、煮崩れと各豆の味を守っています。

また、「豆類は給食や食堂で敬遠されがちです。給食ではミートソースに大豆たんぱくを加えて大豆を食べてもらう工夫をしています。ロイヤルぜんざいを召し上がってもらえれば、豆のおいしさ発見につながるかな」と語ります。

ほかにも、パパイヤカレー、パパイヤクリーム煮、シィークヮーサーふりかけなど、学校給食や食堂はもちろん、社内でのヒット食は多数あるとのこと。「オーディフには研究を重ねている調理師、栄養士がいる。食の才能の宝庫ばかり。この環境のなかで、おいしいと太鼓判を押したものを商品開発につなげ、販路を広げたいですね」心を込めた手作り。これも大切にしていきたいこだわりだそうです。

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手軽にそばのトッピングや煮付けにご利用出来ます。

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ロイヤルぜんざい

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パパイヤ中華風炒め

メンタルヘルスにも取り組み品質のいい給食を提供

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エリアマネージャー 村野勝子さん

総務部に所属し、内部衛生管理研修において従業員の心の健康管理を積極的に取り入れてきた村野勝子さん。オーディフでは昨夏、恒例の衛生講習会に加え、産業カウンセラーを招き、心のケアを取り入れたそうです。

メンタルへルスの取り組みによって企業がどう変化するのか、給食への取り組みによい効果があるのかを伺いました。

心のケアを取り入れて風通しのいい会社に

眠れない人は気軽に相談をするようになど、政府はテレビなどメディアを通じても呼びかけていますが実際は、心の悩みは相談しづらく、企業側も一歩踏み込めないのが実状のよう。

そんな昨今の時勢もあり、村野さんは、メンタルヘルスについての取り組みが必要であると感じていたといいます。いろいろな外部企業と情報交換をするなかでもみな、同じ悩みや困りごとを抱えていることも感じたそうです。ますます、心のケアは急務。

「精神の安定は、食を提供する現場でとても重要です。火や刃物といった危険物を扱い、食べ物を扱う現場では、ほんの小さなミスが取り返しのつかない大きな事故につながります。予防のためにも、心のケアへの気配りも大事にしなくてはいけません

心の悩みって話したらいけないのではないか?と、いえない気がしてしまうのが普通。ならば、職場で聞いてあげよう!」会社として一歩踏み出すことを決めたそうです。

定例で行う「衛生講習会」に、産業カウンセラーという専門家を招いて「心のケアプログラム」を取り入れたのです。従業員の反応は冷ややかなものかと思いきや、「もっと話を聞きたかった」など関心が高かったといいます。

小さな悩みも、本人にとっては大きなもの。傷みに早く気づけたら、原因を取り除き、癒すお手伝いができるかもしれない。やさしく言葉を連ねた村野さんです。

村野さんは、心のケアプログラムの目的をもう一つあげました。それは「ストレスの自己管理」。「ストレスゼロもよくない。適度なストレスはよい緊張感となり、いい仕事や暮らしへと導くもの。ストレスとのいいつきあい方が大事」

講座では「ストレスマグニチュード」を取り入れ、ストレスを自己管理できることを伝えたといいます。ストレスマグニチュードとは、ストレスの大きさを数値化したもの。例えば配偶者の死は100、離婚は73、妊娠は40、夫婦喧嘩は35、ローンの返済不能は30、著しい成功は28など、悲しいことや悪いできごとのほか、喜びや祝いごとまで、環境の変化には全てストレスがかかるというものです。

オーディフで働く一人ひとりが自分自身の心のケアにも目を向け、気持ちよく働く。そうした気配りがあるからこそ、より一層おいしい給食を!と向上する気持ちが生まれているようです。

給食施設ではめずらしい「衛生検査室」を新たに設置

給食施設ではめずらしい「衛生検査室」を新たに設置したということですが、衛生検査室室長 新垣理江さんにお話を伺いました。

どのようなことに取り組んでいるのですか?

あえて、とても忙しい献立の日に抜き打ちの検査に行きます。現場からは、嫌われ者ですね。でも、そこを押し切りさあさあと検査に取り掛かります。
今は、「ルミテスター」という簡易の抜き取り検査機があり、いつでも、どこでも、誰でも、たった10秒で見えない汚れが数値で見ることができます。
また、手形の培地で検査すると、洗えていない箇所が一目瞭然です。


衛生検査室室長 新垣理江さん

汚れを数値や目で確認することができると、皆、「はっと」した表情に変わります。この瞬間が衛生管理のやりがいを感じる時です。

しかし、衛生検査よりも大事なことは、研修会や勉強会です。ただ、座っての講義ではなかなか意識改革はできません。
ノロウィルスの研修会では、小麦粉で作った嘔吐物で処理方法を学びました。1メートルから落とすと、3メートル範囲に飛び散り、みな、キャーキャー言いながら実習を行いました。
体験型や参加型の研修会を定期的に行うことで、衛生管理の重要性を肌で感じてもらいたいです。

また、検査室だよりを毎月発行しています。身近で起きた食中毒の事件や、衛生の最新の情報を発信していくことも重要な役割だと思っています。

まだまだ、立ち上げたばかりで実績は少ないのですが、頼りになる検査室であり続けるように努力していきたいと思っています。

見えてきた、学校給食の大切さと取り組み

㈱オーディフさんの事業取材を通して見えなかった学校給食に対する取り組みや、調理室の現場が少しは見えてきたでしょうか?子ども達の口に運ばれるまでにこれだけの人が関わり、安全面や衛生面に神経を注いでいるか。おいしく食べるためのアイデアなど、試行錯誤を繰り返し妥協を許さない姿勢には頭が下がります。

実際の現場で食を作る人、また現場で働く人を支える人、アイデアを出し食べるという行為をより楽しく美味しいものに変える人など、それぞれの想いが支えあい学校給食という形で教室にいる子ども達へ届けられていることが分かりました。

給食を食べるという行為ひとつとってもそこには様々なドラマがありました。なぜ、今食べることが大事なのか?飽食の日本だからこそ、地球レベルで見ると給食を戴ける事のありがたさや、食育の大切さを子ども達と家庭の食卓で語り合う時間を持ちたいものです。

株式会社オーディフ

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【電話】 098-875-1291
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