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企業特集第28回 沖縄自然案内人~下地幸夫さん~

下地幸夫さん

沖縄ネイチャーウォーク代表
沖縄大学地域研究所特別研究員
農学博士
国内旅行業務取扱管理者

沖縄の自然なら この人に聞きたい!案内されたい!

 

ネイチャーガイドとして、沖縄の自然を案内して歩く下地幸夫さん。
生き物を研究し続けてきた専門家であるその経歴と、根っからの自然好きを謳歌した個性的なネイチャーツアーとコーディネートメニューに注目が集まっています。

子どもや親子、観光客などを対象としたやんばるの山や海のネイチャーツアーや沖縄人(うちなーんちゅ)としてのアイデンティティを生かした歴史や文化のツアーもしています。
そのほかに、自然関連事業のコンサルタント、自然研究調査のサポート、産学官連携事業のコーディネート、さらにはテレビなど映像関係のロケーションサポートも手がけていらっしゃいます。

また、お客様のリクエストに応える形で、旅行プランの企画提案やコーディネートも行なっており、このように多角で幅広い専門知識があればこその対応は、まさしく下地さんならでは!なのです。

そんな下地さんの幼少時代から現在、そしてこれからの沖縄の自然との関わり方やその魅力を伺うことができました。

 

 

野生の植物や動物愛好家の専門的なガイドにも対応できる、知識と資格

『自然のことなら何でもご相談ください!!!』下地さんの名刺に力強く添えられたひと言には、下地さんの自然への思いと経歴が凝縮されていると感じます。

親子クワガタ採集ツアー

小さなころから自然が大好きで、研究者として自然や生き物と関わり、自然を伝えたいという思いからネイチャーガイドとしての道を歩み始めたという下地さん。

ネイチャーツアー

取材時には、浦添大公園の川面を美しく彩っていた花に夢中になっていました。「うわぁ!なんだろう。どんなふうに生えているんだろう。ちょっと観察…」そういって何十分も川面を眺め、カメラのシャッターを切っていた下地さん。「自然の小さな変化を見つけると、心が躍る」と照れ笑い。下地さんに研究者然とした堅苦しさはなく、とっても穏やかな語り口。その人柄のよさにこちらも和み、安心します。

リュウキュウヤマガメ

そんな下地さんの特筆すべきはやはり、沖縄の自然と生き物の研究調査や環境調査、テレビなど撮影隊のコーディネートなど、その専門性の高いネイチャーガイドです。この知識があるからこそ、観光や体験などの一般的なツアーメニュー(詳しくはこちら)も、自然の営みがより深く分かり、おもしろいと評判を呼んでるのです。

ノグチゲラ

植物や生き物の専門家として、少々専門的な愛好家向けともいえるガイドツアーも相談に乗っているといいます。例えば鳥愛好家の方の案内をされたこともあるそう。季節や場所などを考慮し、最も鳥に出合えるツアー内容はどういうものか?下地さん自身もどきどきわくわくしながら、ツアー内容や案内の方法などを考えている様子。

国家資格である『旅行業務取扱管理者』の有資格者でもあることから、ネイチャーツアーの案内だけではなく、効率のいい旅行プランの提案もしてもらえます。

オリジナルの旅ができる、オリジナルに自然を楽しめる、下地さんになら叶えてもらえるのです。

 

 

自然と遊ぶのが大好き!生き物はおもしろい!

下地さんは那覇市に生まれ、小学3年から浦添市に移り住んだといいます。当時はどちらの市も自然がいっぱい。
浦添では特に、アオヘビやクマゼミ、クワガタがいっぱいの森、シリケンイモリやカニ、フナ、闘魚(タイワンキンギョ)などがいた美しい小川、ちょっと足を伸ばせば海と、さらに自然との関わりを深めたと思い出します。

「なぜ、好きだったのかはわからない」と幼少時代を振り返りながら、とにかく自然と関わることが大好きだったと語る下地さん。
5〜6歳の頃から牛乳瓶を虫かご代わりに、牛乳瓶の中に草などを敷きつめ、生き物が育つ環境を整えつつ、ジューミー(アオカナヘビ)やバッタ、毛虫、クモ、ヤゴなどを入れて、縁側に並べて飼育していたそう。楽しくて仕方なかったそうです。

「ヤゴには、あごの下に隠し技があるんです。伸びるマスクがあり、伸びた先にガブッとエサをつかむマジックハンドがある。すごいんですよ!そういうのを見ているだけでも楽しくて!」

ヤゴはトンボになるまで、おたまじゃくしはカエルになるまで、いも虫は蝶になるまで育てるなど、観察することに夢中になっていたそうです。触ったり、眺めたり、幼虫が成虫に育っていく様子を観察し続けたり、エサを食べる様子に見入ったり、幼虫と成虫の違いや生き物の種類による違いの発見に驚いたり、感動したり、不思議が深まったりの毎日。もうとにかく見てるだけでも楽しかったと振り返ります。

お母さんはそんな下地少年を静かに見守っていたそうですが、「カマキリのたまごがふ化したとき、あまりにたくさんの幼虫が出てきて、あれはさすがに…」と思い出して苦笑い。好奇心を満たしながら、自然とふれあった下地さんの礎です。

 

 

生物クラブと農学部、サラリーマン、研究者

高校1年の2学期から生物クラブに入部し、クモが大好きな下謝名先生の個性や言葉に刺激を受けたといいます。活動としては自然と半自然(公園など人工的な自然)などの自然比べを行ない、県児童生徒科学コンクール(今の沖縄青少年科学作品展の前身)で最優秀賞を2年連続受賞するなどしたそうです。

後に博士の学位を取得した際、その報告のため琉球大学の助教授になっていた下謝名先生を訪ねたそうですが、「十数年ぶりに会ったのに、『元気だったか?』とかそういう言葉もなく、あっさりとした対応。でも、『お前に渡しておくさ』と手渡されたのは、高校のときに県児童生徒科学コンクールで受賞した研究レポートだった」とほっくりとした笑顔に。

「人間的で、生き物的魅力にあふれた先生」と、その魅力を語るのと同時に、生物クラブの実積と学位取得が結びつくエピソードをおしえてくれました。

さて、大学は昆虫を知りたいという思いから、琉球大学の農学部へ進学。応用昆虫学教室の研究室(ゼミ)で、「国際的になれ、ということで英語の研究論文を勉強させられて…」とにかく勉強を重ねたと振り返ります。

大卒後は岩石から成分を取り出し肥料を作る会社のサラリーマンに。東海地方の自然豊かな場所にあり、冬には雪の上に残る動物の足跡、春になれば蛇が出てきて、ツクシが芽を出す、初夏には幻想的なホタルの光。タヌキやテンも出没するし、上空に飛ぶイヌワシに心が向く……。生き物へ思いが向き、仕事に身が入らなかったと反省しきり。

そんなときに、沖縄でミバエ対策事業所の病害虫研究の研究者をひとり探していると、先輩からおしえてもらったといいます。
「昆虫にたずさわることができる。それだけでよかった」と、飛びつくように転職を決めたという下地さん。研究者の道へと突き進みます。

 

 

沖縄の虫はグローバル!個性あふれる生態系!

昆虫にたずさわるだけでよかったという下地さんですが、「先輩方に導かれるまま、研究に没頭し、またアドバイスをもらって論文を書き、がむしゃらのうちに今に至る」と多くの実積も残しています。

ミバエ対策事業所は県の機関。民間企業からの出向という形ながら、イモゾウムシやアリモドキゾウムシなどサツマイモの害虫について研究を進めました。岡山大学の大学院では論文を提出するなどし、博士の学位も取得。科学と民間企業をマッチングさせる、産学官連携産業創出事業にも関わりました。

沖縄の害虫を研究し、論文を進めるにあたっては、沖縄は日本で唯一の亜熱帯地方のため、日本本土には生息していない害虫が多く、必然として日本語で論文を書いても、日本の研究者に読まれないことがほとんどだとか。
そう、沖縄は日本列島の中ではちょっと異質で、個性あふれる生き物たちが生息する場所なのです。
虫がグローバル、自然の形態が独特だというのです。

下地さんの根底に芽吹いている思いはここ。「沖縄の特異性を伝えたい!沖縄の自然を伝えたい!」ということ。下地さんが幼少期より見て、感じて、楽しんだ自然、研究を重ねることで独自性の見識をさらに深めた自然を、もっと多くの人に伝えたい!思いを熱くしています。

リュウキュウハグロトンボ

下地さんは40を過ぎ、自然についてより深く掘り下げていく「研究者」としての道から、多くの人々に沖縄の自然を案内する「ネイチャーガイド」の道へ。
『沖縄自然ツーリスト』(事業主は合同会社沖縄ネイチャーウォーク)を立ち上げたのです。

 

 

 

自然を伝える、沖縄を伝える、好奇心を伝える

下地さんは語ります。「大げさだけど、自分に与えられた感性は、自分がいなくなれば消えてしまうもの。消える前に子どもたちに伝えていきたい」と。

「カブトムシやクワガタムシ、みんなに知られた昆虫だけど、実のところ全くわからんのです」と、その生態はいまだ不思議だらけだといいます。「ホントのところ生態がわからないって、好奇心がうずく」と、くしゃくしゃな笑顔を見せます。「世界中で多くの研究者が植物や生物、自然のことを研究しているのに、それでもわからないことだらけ。だからもっといろんなことを知りたいと思う」と。

そして「自然という大きな枠で話すけれど、一つひとつ、一種ごとに名前があり呼び名がある。生活の身近で役立っていたものも、たくさんあるんですよ。そうしたなかから子どもたちに『なんで?』というトキメキを伝え、考えたり、知ったりすることのおもしろさを伝えたい。想像を超えたところに、自然のおもしろさがあることを伝えたい。自然の付き合い方を伝えたいんです」

また、沖縄の文化や歴史も伝えたいとも続けます。

「自然の翻訳者とともに、歴史・文化案内もしたいと考えているんです。地域に生まれた歴史・文化というのは、自然が大きく関わっているから独特なものになるんですね。また、ネイチャーツアーに参加するお客さんが、青い海と青い空、リゾート、芸能、スポーツばかりではなく、なぜ自然や文化が違うのか、なぜ米軍基地があるのか、なぜ言葉が違うのか、親から聞いた戦争体験にはどういうものがあるのかなど、沖縄をいろんな視点で知ってほしいと思うのです。沖縄人(うちなーんちゅ)だからこそ持っている独特のニュアンスや培った感性をそのままに、いろいろな沖縄を伝えていけたらな、と思っているんです」

自然の研究・専門家であり、生き物や自然、環境にいつまでも興味と好奇心を抱く下地さん。専門家や愛好家にも、そして子どもたちにも多くのことを伝えていきたいと、自然に親しむ毎日を送っています。

合同会社沖縄ネイチャーウォーク

【本社所在地】 沖縄県浦添市
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