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沖縄の人材育成について 後田多 純寿(津田塾 塾長) ビジネス・モール うらそえ 開設満8周年記念特別企画『投稿エッセイ』「大好きな沖縄へのメッセージ」

沖縄の人材育成について

後田多 純寿 (しいただ すみす)
(津田塾 塾長)

「純寿」という名前は、戦後沖縄で調査に携わった民俗学者のアラン・スミス氏によって名付けられた。
・1952年(S27年)沖縄県八重山郡石垣市川平生まれ
・1971年 八重山高等学校卒
・1975年 琉球大学法文学部法政学科卒
・1975年 津田塾 前身の学習塾を仲間3人で開塾。
・1977年 津田塾を一人で創設する(1998年法人化)
・NPO塾全協連合協議会西日本ブロック理事長を3期務める
・現在 NPO塾全協連合協議会全国会長(5期目)
著書に「塾長室」-巣立ちの窓から-
URL:http://www.tsuda-juku.com/

数年前ある離島に本土の友人を連れて旅行した。宿泊した立派なホテルでスタッフの名札を見ていると全員が本土の名前で地元らしき名前の人がいない。夕食後お酒を飲んでいる時にたまたま通りかかった支配人に気軽に声をかけてみた。

「スタッフはほとんど本土から来た人ですよね。何故地元の人を使わないのですか。」

「実は・・・。地元の若者は使えないんですよ。募集はしているんですけれど・・・。○○ができないし、△△が足りないし・・・。仕方なく本土の人を採用しているんです。」

ショックだった。こんな素晴らしい働き場所があるのに採用されないなんて・・・。採用されて地元で働くことができれば地元にも貢献できるし、地元の人ならではの「おもてなし」もできるのに、考え込んでしまった。

また数年前、私の故郷八重山のことが新聞記事になった。

――― 県立八重山病院・産婦人科医師いなくなる
八重山で出産できなくなる ―――

これもショックでした。八重山で出産できないとなると、本島の病院に行かなくてはならない。陣痛が始まってからでは遅いので、何日も前から準備しなくてはいけない。お金がかかりすぎる。大変だ。そんなことになったら八重山では子供を産む人が減る。八重山出身の産婦人科の勤務医がいたら自ら名乗り出て県立八重山病院に行ってくれるはずだが、残念ながらいない。考え込んでしまった。

世の中には色々な職業がある。様々な人材が必要である。沖縄の私達大人は「沖縄の人材育成」をキチンと考えて実践しているのだろうか。「人材は一日にして成らず」である。根気よくコツコツと長い時間をかけて育てあげなければならない。大まかに言えば、小・中・高と基本をタタキこんでプロの養成所である大学へ入れなければ一流のプロになることはできない。

いつも塾生に話していることがある。

「一生懸命頑張って、努力している人が全て成功(夢実現)するのではない。成功するのは一部の人だ。努力して成功する人と成功しない人は何が違うのか?それは単なる努力ではない。――正しい努力――を継続したかどうかだ」

私は塾人なので、スポーツとか技術系などのことはさておき「正しい勉強法」について話す。

小1から高3まで「正しい勉強法」をコツコツと続ければ、必ず志望大に合格し夢実現ができるはずだ。津田塾では「高校入試はゴールではない。高3(18才)で受験学力をピークに!!」をテーマに塾生もスタッフも取り組んでいる。難関大に合格するということは、一流のプロの養成所に入るということだから一流のプロになれる切符を手に入れたことになる。あとは本人の精進次第であるが、夢実現に成功し社会に貢献できる人材として無くてはならぬ存在となる。

人材育成とはそこまでのことだと考えている。つまり、大学に入学させるまでは社会の大人たちの責任だと。小学生の子ども達に、「大学入試に合格するための正しい勉強法を考えて努力せよ」と言っても出来るはずがない。それを1つ1つ手取り足取り教えながら訓練し導いていくのが大人達の責任だと思う。「子ども達は教わったことしか分らない。訓練されたことしか出来ない。」が私の持論である。私達沖縄の大人達は様々な分野の人材育成について原点に戻って真剣に考え、取り組まなければならないと考える。日本の・沖縄の将来は子ども達の双肩にかかっている。親任せ、学校任せでは十分であるハズはなく、地域を挙げて、行政をも巻き込んで取り組まなくてはならない重大な課題だと思う。

では、「正しい勉強法とは何か。」まず、第一にしなければならないのは「大学入試の分析」である。それをキチンと分析して「どんな学力が求められているか」を知ることである。そして次にその学力を確実に身につけるための小1から高3までの「逆算のプログラム」を作成することである。あとはそのプログラムに従ってコツコツと努力を続けることである。簡単に言えばこうなる。しかしその途中において様々な困難が待ち受けている。その立ちはだかる壁を乗り越え少しずつ成長していくためには周りの支援が絶対必要である。誰が、いつ、どこで、何を、どのように支援するのかを考え、取り組まなければならないと思う。グローバル化の時代である。グローバルな激しい競争に勝ち抜かなければ日本の沖縄の明るい未来はないと思う。

「天生我材必有用」(李白)――「天が自分をこの世に生まれさせてくれて自分がこの世に生きているのは、必ず用(役割)があるからだ。人は全て他人には出来ない、自分にしか出来ない役割を担って生きていく。」すべての子ども達が自分の役割を立派に果たして社会貢献し輝いている姿をイメージしながら、大人の皆さん頑張りましょう。

 

ビジネス・モール うらそえ 開設満8周年記念特別企画『投稿エッセイ』「大好きな沖縄へのメッセージ」

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