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まじゅ~ん前進しましょうね~ かでかるさとし(うちな~むんタレント) ! ビジネス・モール うらそえ 開設満8周年記念特別企画『投稿エッセイ』「大好きな沖縄へのメッセージ」

かでかるさとし
(うちな~むんタレント)

1963年 浦添生まれ
相方 仲里幸広とのコンビ「ニーニーズ」で90年代前半に沖縄中を笑いで席巻。1994年活動の場を東京に移し芸能活動を開始、「タモリのボキャブラ天国」や「天才たけしの元気がでるTV」等の人気番組に多数出演。
2000年より沖縄を拠点にソロ活動開始、RBCiラジオ「かでかるさとしのチムどんぱぁく」は2008年日本民間放送連盟九州ラジオ生ワイド部門最優秀賞、2009年ギャラクシー賞ラジオ部門優秀賞を受賞。
現在、TV、ラジオ、舞台出演、イベント、ニービチ等の司会、ライブ音楽活動でも活躍。
  RBCiラジオ かでかるさとしの 「なんくるラジオ」 月曜夜9時~11時   (かでかるさとしのホームページ)
http://www.ok.au-hikari.ne.jp/kadeco/

ハイサイぐす~よ~、沖縄一の沖縄ファン、うちな~むん(沖縄産)タレントの、かでかるさとしやいび~ん。ゆたさるぐとぅ御願~さびら!「ビジネス・モールうらそえ」8周年本当におめでとうございます。浦添出身の僕にとっても、大変嬉しく励みになってます。

さて、「大好きな沖縄へのメッセージ」という事ですが、僕自身、東京で6年の芸能活動期間があり(ニーニーズというコンビで、平成6年~12年までプロダクション人力舎に所属)沖縄を離れて改めて良さを痛感。

 

六本木 島唄楽園でのライブステージ(二ーニーズ時代)

 

まさにニーニーズのオリジナル曲のタイトル「大好きな沖縄」になりました。県外に住んでいると客観的に沖縄がみえてきます。たしかに交通マナーの悪さとか改善するところもたくさんありますが、逆に良いところもたくさんみえてきます。海や山、豊かな自然、琉球古典音楽や民謡、舞踊、組踊りなどの芸能や、多様な伝統文化、旧暦での諸行事、かりゆし余興大会?のようなニービチ(結婚披露宴)等々。実際に僕も東京に住みながら聴いた三線の音色に魅了された。沖縄の父親に電話で三線の勘所を聞いたり歌詞の意味を聞いて、「かしまさよ~なんで沖縄にいる時にやらなかったね~」と言われ、おじぃや父に言われていた「沖縄が一番上等ど~」という言葉の重さを感じた。ただその時のおじぃは「内地は寒~さんど~」としか理由は言わなかった(笑)失業率や離婚率の高さもよく取りざたされているが、たとえば首都圏で沖縄くらいの失業率だったならば、街ゆく人は皆、悲壮感を漂わせながら歩いているだろう、しかし沖縄の人はそれもどこ吹く風のような、、。

優しさとなれ合いは紙一重で、対策はしっかりとっていかなければならないけれども、そこはウチナ~ンチュの人間力なのかなぁ、なんて思ったりもする。良いところは残し、さらに良くして、悪いところは直していけばいい、みたいな。あれこれ考えていると早く沖縄に戻っていろいろ掘り下げてみたいと思うようになっていた。ニーニーズを「円満解散」した時も、叶ったものも多かったが、逆にままならなかった部分があったおかげで、「もっと成長せねば」「沖縄をもっと表現したい」と思えた事は、タレントを続けるモチベーションに繋がり大きかった。

決して東京が嫌いになったわけではなく、むしろ故郷の良さを再認識させてくれた東京、僕らを勇気付けてくれたファンクラブの皆さん、何より中央の芸能界進出の扉を開いてくれた「プロダクション人力舎」の先代の玉川社長には本当に感謝をしている。また、六年間住んでいたアパートの地域のみなさんには家族のようなおつき合いをさせて頂いた。沖縄へ帰る引越しの手伝いをしてもらいつつ、涙を流して別れを惜しんでくれたみなさんの気持ちは本当にありがたかった。沖縄の良さを再認識した事と同じくらい大切なものを頂いた。言葉、文化、習慣は違っていても、どこにいても人間は皆同じなんだ、という当たり前のことが身に染みて感じた六年間だった。多分、沖縄に戻る戻らないは別にして、沖縄を離れて生活をした経験のある人達なら、少なからず同じような思いをしているのではないかと思います。

 

「大太陽(うふてぃーだ)」公演で観客と交流する

 

平成12年に沖縄に戻り、ソロ活動をスタートした。ラッキーだったのはすぐに琉球放送のお昼のラジオ番組「らじお午後一」のパーソナリティーを担当させて頂いたのと、沖縄新歌舞団「大太陽(うふてぃーだ)」公演での語り部を任されたことだった。琉球の伝統芸能、組踊りから舞踊、民謡、創作を織り交ぜた舞台は、沖縄に飢えていた僕にとって最高の役割を頂いた思いだった。そこで心動かされたのが、組踊りなどの伝統芸能の素晴らしさはもちろんだが、それを見事に演じる10代、20代前半の若者たちの存在だった。若いとはいえほとんどが幼少の頃から琉球舞踊や音楽を始めていて多くの賞も受賞したメンバーで実績は十分だった。普段はごく普通の今どきのファッショナブルで明るい女の子達がいざ舞台に上がると別人のように、凛としたたたずまいで琉球伝統芸能の実演家になるのだ。

 

「大太陽(うふてぃーだ)」公演での出演者と

 

当時30代後半にさしかかった僕はこの若いメンバーのギャップにやられたなぁ、、「沖縄の若い人たちってスゴイ」と思った、と同時に自分も頑張らねばと、かなり触発されました。これまで全国各地80ヵ所以上の公演で語り部をやらせて頂いたが、舞台を見に来た観客と一体となって盛り上がる様子を間近に見て、充実感でいっぱいになりました。これほど多くの、奥深い伝統芸能、多種、多様な文化をこの小さな島、沖縄で代々受け継いできたウチナ~ンチュの誇り、勤勉さ、情熱を感じ、深く感動しました。

 

琉球放送 iラジオ番組 「かでかるさとしのチムどんぱあく」

 

平成12年、沖縄サミットが開催された喧騒に紛れて(笑)沖縄に戻りソロ活動を始めてはや、14年。自分なりに沖縄テイストをパワーアップさせて、テレビ、ラジオ、ライブ、司会などをやらせて頂いている。相変わらず歩みは、よんな~よんな~ですが、滞ることなく来れたのには本当に感謝している。とりわけ平成21年に、琉球放送iラジオ番組「かでかるさとしのチムどんぱあく」が全国すべての放送番組が対象に審査されるギャラクシー賞優秀賞を受賞できたことは、沖縄色を全面に出した番組が評価されたという点で、何よりもうれしかった。

今や日本の芸能界やスポーツ界、各界でのウチナ~ンチュの活躍は素晴らしく、戦前生まれの僕の親などは一昔前までとは隔世の感があると、しみじみと言った。沖縄人気が定着しつつある今、更に不動のものにするためにも、沖縄に居ながらにして、県外にいて感じるような沖縄を皆で再認識したい。

 

「琉神マブヤー外伝SOウチナー」にて尊敬する八木政男さんと共演

 

島言葉を県をあげて継承しよう、という流れがあるなか、意味や心意気のようなものも大切にしたいなと思う。たとえば「なんくるないさ」は全国的にも有名な言葉になってきた。しかし本来の意味とはかけ離れた「怠惰」な意味合いに捉えられている感もある。これは沖縄の特に若い世代にも言えるのではないか、、僕が知る本来の意味は「誠~そ~け~、なんくるないさ」そう、物事に思い悩みながらも一生懸命に取り組めば、絶対大丈夫、という大いなる励ましの言葉なのだ。思いつめた人への最高のアドバイスだ。もちろん使う状況を考えないと、「努力しなくても、なんくるないさ」「仕事なくても、なんくるないさ」ではまったく意味が違ってくる。「て~げ~やさ」もその類で、状況としては、にっちもさっちもいかなくなった人に「今日はこれくらいにしよう、明日もある、て~げ~やさ」みたいな感じがいいですよね。だからこそ今日まで伝えられてきたのだと思っている。「ゆいま~る」相互扶助、助け合いの精神もここでもう一度確認したいですよね。

観光立県沖縄、戦争体験、基地の島沖縄、健康長寿、経済、芸能、文化、ちょっぴん難儀して沖縄を再確認し、1人ひとりが自分自身の立場で気持ちを寄せれば、沖縄への愛着が増し、それこそ「誠~そ~け~、なんくるないび~さ」と、大好きな沖縄の未来は明るくなるんじゃないかなぁ。

最後に、3人の子育て、さらばんじ~の僕が思う事ですが、沖縄の未来を担う童んちゃ~のために我々ができる事。それは「1人の真剣な大人の存在」になる事だと思います。僕が子どもの頃、周りには真剣に励ましてくれる大人がいた。勉強、友達、親子関係、健康、進路、恋愛、平和、夢、色々な事にまちゃ~小のおじさん、地域のおばさん、学校の先生、青年会長、近所にある会社のガードマンのお兄さん、そして親が真剣に耳を傾けてくれた。それは大きな安心と希望を与えてくれました。たった1人いるだけでも全然違ってくると思います。叱る大人が少なくなったと言われるが、褒め讃えるということも減っているのでは、と思う。

苦しい状況でも大人自身が子ども達を励ますことができる余裕を持ちたいものです。ウチナ~ンチュ本来の優しさや明るさを忘れずに「大好きな沖縄」の為に、よんな~まじゅ~ん前進しましょうね~!

 

ビジネス・モール うらそえ 開設満8周年記念特別企画『投稿エッセイ』「大好きな沖縄へのメッセージ」

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