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浦添商工会議所みやげ品開発事業説明会
去る、4月27日に浦添市産業振興センター・結の街にて浦添商工会議所による「みやげ品開発事業」説明会が関係事業者へ実施された。
説明会会場には、浦添商工会議所、シルバー人材センターおよび「みやげ品開発事業」に関係する業者が多数出席した。
冒頭では、浦崎専務理事より、昨年度の実績、経過等の説明があり、「全国的にも地域に根ざした事業を展開している市町村は、生き生きしている。浦添市も『みやげ品開発事業』を通して、全国にアピールできる生き生きとした市町村を目指しましょう。」という旨のあいさつがあった。
その後、「みやげ品開発事業」の現状について、シルバー人材センター職員より説明があり、シルバー人材センターは今回の同プロジェクトで重要な役割を担っている様である。
浦添市では完全失業率が、8.6%と高く雇用創出はもっとも重要な課題である。また第1次、第2次産業が低く、第3次産業が高い都市型の産業構造となっている。
市内の企業は、従業員10人以下の零細事業所がほとんどで、雇用吸収を期待できないのが現状である。
そのような状況を打破するために、「”てだこの都市(まち)”ものづくりタウン計画」で、産業の育成と雇用の創出を生み出すため養蚕事業がシルバー人材センターのもとで発足した。
現在、シルバー人材センターでは、農薬の飛散が少なく安全性の高い桑の栽培、蚕の飼育および繭の生産を行っている。さらに遊休地を活用した都市型農業の確立へ向けて事業を展開しているとのことだ。またこれらの事業には、浦添市内の高齢者を活用することで、新たな雇用を生み出しはじめている。
養蚕事業から得られる、桑葉、桑の果実、蚕、繭は、それぞれ、茶葉、果実酒、ジュース、化粧品、石鹸、絹糸に加工することができる。
絹糸は、すでに「”てだこの都市(まち)”ものづくりタウン計画」の中で、「うらそえ織」が開発されているため、今回の「みやげ品開発事業」では、桑葉から生産された「桑葉茶」「桑葉の粉末」を利用することで、浦添市の銘菓を生み出すことを目指しているとのことだ。
桑葉に決定したのは、ただ単純に浦添市で養蚕事業を推進しているからというわけではなく、桑葉には健康食品としての申し分の無い成分が含まれており、メタボリック患者およびメタボリック患者予備軍が増加傾向の沖縄県内において、桑葉を用いた健康食品を広く浸透させていきたいという考えからとのことだという。
神奈川県衛生研究所「機能性食品に関する共同研究事業報告」によると、桑葉には、食物繊維がゴボウと同等、またカルシウムがキャベツの40倍含まれており、さらに、1-DNJ(デオキシノジリマイシン)による血糖値上昇抑制、GABAによる血圧上昇抑制、植物ステロールによるコレステロール上昇抑制に効果があることが期待されるとしている。
また、カフェインが入っていないので、妊婦、お子さんにも安心して摂取することができるようだ。
これらのことから、ダイエット中の方、血糖値・血圧が高い方、便秘でお悩みの方、疲れがたまり気味の方など、健康食品として桑葉が現在注目されている。
説明会会場では、実際に「桑葉茶」「桑葉の粉末」「桑葉粉末を混ぜ込んだお菓子」が、試作品として出された。
試食前は、粉末の鮮やかな緑色から、ある程度の苦味がある食材のイメージがあったが、苦味とは逆にほんのりとした甘さがあり、色、味ともに抹茶に近い印象であった。
「桑葉茶」「桑葉粉末を混ぜ込んだお菓子」とも、独特のクセもなく、どれも試作品とは思えないほど完成度が高く、色、風味ともに特に違和感なく、抹茶食品のような感覚で美味しく食すことができた。
すでに抹茶アイスや、抹茶ケーキ、抹茶チョコレートなどが浸透しているので、桑葉を使った菓子等もすぐに広まるのではと期待がもてる。
今後のスケジュールとしては、浦添商工会議所を中心に、シルバー人材センターによる「桑葉粉末」の生産、市内卸業者による流通、市内菓子製造業者による試作品の開発・製造を5月から9月の間に行う予定とのことである。
説明会には、菓子業者8社、食材事業所5社、ネットメディア企業2社の参加があり、今後みやげ品開発へ向けて様々な支援協力が期待できるのではなかろうか。
試作品開発の目標は、10月開催の「沖縄の産業まつり」である。
なお、「沖縄の産業まつり」に先立って、試食会を予定しており、これらの活動を通して、地域資源のアピールを行い、名産品のイメージアップを図るのが狙いだという。
また今後の目標として、素材の「桑葉粉末」は、様々なみやげ品としての可能性を大いに期待できるので、それを事業者が商品化できる価格まで下げて、供給できるようになることが課題である。
現在、浦添市を代表する魅力は、歴史文化の他に、主にイベントが中心で、「東京ヤクルトスワローズ春季キャンプ」、「てだこウォーク」、「沖展」など全国的にも有名な催しがある。だが、残念ながら銘菓、産物など名産品といえるべき物産がないのが実情だ。
イベント等で浦添市内に足を運んでいただいた方々へ、おみやげ品として喜ばれ食していただく銘菓が必要である。
そんな中、浦添商工会議所が中心となって、現在進行中である銘菓、名産品を開発する「みやげ品開発事業」が発足した。
みやげ品として喜ばれる銘菓の開発を推進し、名産品を作り出すことで、浦添市内の地域産業、特に2次産業を生み出すことに繋がり、それが浦添市内の雇用創出を促進させることとなる。
さらには、この「みやげ品開発事業」をきっかけとして、「桑葉」以外の「桑の果実」「繭」から新たに浦添発の名産品開発が盛んになり、地域産業の発展、雇用創出が期待できる。
浦添市がその相乗効果で、さらなる発展をすることが狙いである。
この「みやげ品開発事業」を成功に導いて行くには、我々市民の協力と支援が今後必要となってくるのではなかろうか。
『ビジネス・モールうらそえ』では、「みやげ品開発事業」の成功と、地域力をさらに高める同プロジェクト参画企業および市民の雇用促進を応援するため、これからも市民の皆様へ「みやげ品開発事業」を紹介してまいります。
菓子業者 | 株式会社沖縄農園、仲宗根黒糖、有限会社仲原商事、パインズトト、ベーカリーアルペンローゼ、天然酵母ア・ラ・カルト、株式会社げっとう食品、有限会社佐和田洋菓子店 |
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食材事業所 | 有限会社なかや食材、株式会社名城、株式会社日献、合資会社川平商会、沖縄野菜プロジェクト |
ネットメディア | 株式会社てぃーだスクエア、有限会社ジュンク |
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