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第29回 浦西中学校 糸数 剛 校長
地域教育情報 『 てぃーだぬふぁー通信 』 は、学校・PTAと地域を結び付ける社会教育活動として行っています。どうぞ宜しくご愛読ください。
1,文武両道の花咲く浦西中
浦添市立浦西中学校 |
本校は、浦添市立浦添中学校の分離校として平成4年に創立、今年で18歳を迎えますが、13学級、生徒数430名、職員35名の、中規模で落ち着いた学校 です。 「浦添ようどれ」を望む赤瓦の校舎、マラソンコースのある広い敷地は本校の自慢の一つで、特に体育施設はスポーツを愛する地域の方々に開放し活用 してもらっています。 校区は1幼稚園、1小学校、1中学校のため保護者は互いに顔見知りで、学校に対して非常に協力的です。 創立以来「文武両道の花 咲く浦西中」をスローガンに、生徒・職員・保護者が一丸となって活力ある学校づくりに取組んできた結果、読書活動優秀校受賞(平成13年度文科省)、全国 ハンドボール大会男子優勝(平成14年度)、県新人サッカー大会優勝(平成19年)、九州ハンドボール大会女子優勝(平成20年度)などに輝きました。 さらに、生徒によって毎月発行される「学級読書通信」はすっかり定着し、今では、浦西中学校の伝統にさえなっています。 |
2,校訓「至逞」
生徒玄関の前に「至逞」と刻まれた石碑が あります。これは平成9年に創立5周年を記 念して建立されたものです。 「至逞」は「してい」と読み、この上ない逞 しさを求めて生きるという意味があります。以来、本校ではこの言葉を校訓として大切にしています。 |
3,本校の表玄関「スマイル通り」
正門から体育館に至る小径には様々な木が植えられていて、四季折々の花を咲かせてくれます。桜、羊蹄木、くちなし、オオゴチョウ、初夏はピンクテコマが満開です。 |
4,本校のマニフェスト(公約)
(1) こんな学校づくりをめざします
(2) 学校経営の特徴
- 本校の教育目標を学年教育目標、学級教育目標の一条項として入れる。(系統性)
- 協働学習《助け合い学習》を推進する。
- 校内研修は授業研究を核とする。
- 全職員参加による校内授業研究会を4回以上実施する。
- 校長は極力授業を参観し助言をする。《校長授業参観》
- 文武両道の教育活動の充実。
- 《部活動ボランティア》の奨励
- 環境教育(《チーム・マイナス6パーセント》、ごみ問題、腐葉土づくり等)の推 進。
- 学校農園・学級農園・学校田んぼの新設。
- 食育の推進。作物づくり。
- 図書館教育・読書指導の充実。
- 「家庭学習ノート」の継続。
- 鏡が丘特別支援学校との交流学習。
- 「チャリティー芸能祭」の取り組み。
- 「万人すりてぃCGG運動」への全校生徒参加の取り組み。
- 関西への修学旅行実施
5,特色ある教育活動
◆「助け合い学習」の推進
本校では授業改善の方針として「助け合い学習」の実践に取り組んでいる。教育目標「人のためになれる人になろう」の精神のもと、学習においても「自分だけ がディキヤーになるのではなくみんなでディキヤーになろう。」のスローガンで進めている。 初めから終わりまで先生が一人で教えるより、生徒同士で教え合い ができるようになれば、教えるほうもより理解度が高まるし、定着度、効率度も高まるだろうという仮説のもとに取り組んでいる。 |
◆学校農園の新設
これからの時代、環境問題、食育の観点から、第一次産業の重要性が見直されるだろう。 もう一つの理由は、本校の校舎の造りが、運動場からずいぶん離れており、休憩時間等に屋外で伸び伸びする姿が見られず、狭い学年スペースでちぢこまりがちである。そこで、生徒を屋外に出し土に親しまそうと、学校農園を新設した。 まず、各学級毎の一坪農園を造成した。清掃時間には、各学級の当番が駆けるように学級園に行き世話をしている。 また、一年生は「総合的な学習の時間」で、学年農園、および、学年田んぼに取り組んでいる。現在、田んぼには黒米を植えてある。初めての試みで、結果がどうなるか楽しみである。 |
■校内合唱コンクール
練習期間を通して学級が一つにまとまるのが合唱コンクール。放課後はもちろんのこと、学活、休憩時間、はては、級長の指導の下、早朝練習までして本番に備えます。最初は声を出さなかった生徒たちも、本番直前には大声で歌えるようになるからたいしたものです。
少し自信なさそうな一年生。自信はあっても全体的に声が揃っていない二年生。声量、ハーモニー、曲の理解、どれをとっても素晴らしい三年生。学年の成長段階がはっきり見えるのも合唱コンクールの特徴の一つです。
賞に向かってどの学級も猛練習をするのですが、終わってみると、その過程で学級みんなの心が一つになっている、そのことに気づくのも合唱コンクールのよさです。
◆関西への修学旅行
本校は創立以来14年間、修学旅はいつでも北九州できた。しかし、今や高校生も 海外に行く時代。いつまでも九州にこだわることもないだろうというわけで、平成18年度から関西旅行を実施しています。
奈良→京都→大阪をまわる2泊3日の旅ですが、「紅葉を見ることができた」「日本の歴史や文化に触れることができた」「沖縄では体験できない寒さを味わうことができた」「京都市内の自主研修は道が碁盤の目のようになっていて迷うことがなかっ た」「USJはやっぱり最高だった」などという感想からも関西旅行の素晴らしさが窺えます。
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■日曜参観
5月31日、平日は忙しい保護者の皆さんに、ゆっくり子供の授業を見てもらうため、日曜参観を実施しました。 両親そろっての参観に、見るからに緊張し、居眠りどころではない生徒。いつもより積極的に発表している生徒。普段の授業とひと味違う授業参観の一コマでした。 |
◆6つの部が県大会へ
本校では全生徒の70パーセント近くが部活動に加入し、顧問・外部コーチの指導のもと日々の活動に励んでいます。6月12日~14日には待ちに待った那覇地区中体連夏季総体が行われ13の部活動が参加しました。
どの部も思う存分練習の成果を発揮し、男女ハンドボール部、サッカー部、水球部、テニス部、陸上(部)の6つの部が県大会の出場権を獲得しました。
◆鏡が丘特別支援学校の生徒を迎えて交流学習
今年で10回目を迎える鏡が丘特別支援学校との交流学習が6月2日に実施されました。今年は4名の生徒を迎え、全校朝会で歓迎セレモニーを行いましたが、 一人一人が大きな声で堂々と自己紹介。受入れ学級では教室移動の際に車イスを押したり、好きな音楽やタレントについて話したりして交流を深めました。 |
6、家庭・地域に見守られて
◆ 盛大に部活動激励会
6月11日、那覇地区中体連夏季総体を目前に控え、部活動育成会主催の激励会がありました。吹奏楽部演奏、野球部の応援、各部部長決意表明の後いよいよ昼食会。お母さん方が前日から準備したというカツカレーの美味しかったこと。なかには三杯もお代わりをした生徒がいたとか・・・。
材料の買い出し、鍋やガスの準備など、部活動育成会長を中心に各部の父母会が協力し、五百食分ものカレーを作ってくださいました。
これも地区夏季総体を頑張ってほしいという親心から出たものであり、本当にありがたいことです。絶対に勝たなきゃネ!
◆ 全校生徒がCGG運動に参加
12月の第3日曜日は全県一斉に「万人すりてぃクリーン・グリーン・グレイシャス運動」が実施されますが、本校の生徒・職員も地域の一員として清掃活動に参加しています。 学級毎に割り当てられた自治会に集合し、地域の方々と一緒に空き缶・空き瓶拾い、 刈り取った草の袋詰め、運搬を手伝います。午前中のわずかな時間ですが、正月前の大清掃が思いの外はかどったと皆さんに喜んでもらっています。
終わった後は、お母さん方手作りのおやつを頂きながら交流会を持ちます。「皆さんは地域の子供たちだから、何かあったら気軽に相談してほしい」とおっしゃる自治会長さん。「来年も必ず来てくださいよ」と念を押すおじさん、おばさん。地域の方々に見守られて生徒たちは本当に幸せです。
◆Lマークで名画がいっぱい!
◆ 地域とともに運動会
浦西中学校は運動会を隔年で実施しています。運動会ともなると、生徒・保護者の演技、競技の他に、地域の旗頭、自治会対抗リレーなどがプログラムに加わり大賑わいです。
地域の皆が待わびている運動会。今年は10月18日(日)に行われます。
◆ 学習発表会
運動会のない年は学習発表会です。1年生は福祉・環境問題、2年生は職場体験、3年生は国際理解について、それぞれ「総合的な学習の時間」で学習したことを舞台の部、展示の部で発表しています。 平成20年度の幕開けは、3年生が「かじやでふう」を踊りました。 |
◆ 親子で汗を流しましょう
~親子ふれ合い作業~
本校では、PTA環境整備部主催の親子ふれあい作業を年3回実施しています。中体連夏季総体前の6月、運動会前の10月、卒業式前の3月、割り当てられた学年は生徒・保護者総動員で清掃活動をします。
普段、生徒たちでは手に負えない場所も、保護者の皆さんが草刈り機やチェンソーを使って瞬く間にきれいにしてくれます。
作業後は、お母さん方手作りのぜんざいやかき氷をいただきます。楽しい親子ふれあい作業です。
本校では、草刈り作業で刈った草は、ごみに出すのではなく大事な資源として扱います。テニスコート横(学校農園の隣)に堆積し、時間をかけて腐葉土にします。既に腐葉土になった部分と、新たに積み上げるスペースを分け、ローテーションで活用します。今年度は、新設した学校農園に手作りの腐葉土をたっぷり混ぜ、多くの収穫を得ました。
7,むすびに
◆ 家庭と地域
子育ては家庭が中心になりますが、その家庭を取り巻く地域との関わり中でも、子どもは成長していきます。
しかし、近年は、子どもの減少やお年寄りとの同居が少なくなり、親以外人から子どもが学ぶ機会が少なくなっています。
社会を作るのは私たち人間です。そこに住む一人一人が考え方を変えれば社会も変わるはずです。一人の親のふるまいは、我が子のみならず周囲の子もにとっても望ましい地域環境につながるという考えで、地域作りに参加しいものです。
親は、地域の人々との日常のつきあいを大切にし、地域の子どもは地域のみんなで育てる心をもちたいものです。 子どもたちに、スポーツや地域の催し、行事、勤労体験などの機会を通して共に手を携えて活動することの喜びを体験させることです。
そうした活動が、地域にとけ込んだ家庭作りにつながっていくことでしょう。
宮崎県青少年育成県民会議著
かがやく瞳「子育ての手引き」より
子どもたちの幸せを願って学校・家庭・地域が一つになったとき、社会さえも動かす大きな力が発揮できると思います。本校の教育目標「人のためになれる人になろう」の精神のもと、地域の学校として家庭・地域の声に謙虚に耳を傾け、学校経営に反映させていきたいと考えております。至らない点も多々あることと思いますが、どうぞ、今後とも、ご指導・ご鞭撻よろしくお願い申し上げます。
校長先生紹介
コンニチハー!
《自称オペラ歌手》《歌う校長》の糸数です。
毎朝校門において《オペラ声あいさつ》で生徒を迎えています。
ついでに歌ってもいます。「ストリートライブ」ならぬ《校門ライブ》をおこなっています。
校長講話でもよく歌を組み込んで歌っています。
さて、現代社会は「新自由主義」だと言われています。
「経済至上主義」が福祉や教育にまで浸透することを「新自由主義」と呼ぶそうです。
このために世の中が殺伐として「格差社会」をはじめ、さまざまな問題が生じています。
これを救うのは、人々が助け合ってともに向上する「協働主義」だと考えます。
そこで、本校の教育目標を「人のためになれる人になろう」と改新いたしました。
協働の精神で学校を経営していく所存です。
授業においても教師が一人で一方通行的におこなう授業から、生徒が助け合って学び合う「助け合い学習」を核とする授業改善をめざします。
定年まであと数ヶ月です。
これからの数ヶ月間、これまでの教職経験で培った知識・技術を惜しみなく発揮していきたいと考えています。
よろしくお願いいたします。
「ビジネス・モール うらそえ」を愛読
「ビジネス・モール うらそえ」を愛読しています。教育関係だけでなく、産業・文化面等、浦添市全般の情報を得ることができてたいへん重宝しています。平良健二代表の幅広いネットワークに敬服します。個人的には音楽を趣味にしているので演奏会案内も役立っています。紙(画)面の機能でも、紹介サイトにリンクしやすいようにお願いしたところ迅速に対応してくれました。今後も浦添市の発展のために情報提供や創造的な提案をよろしくお願いいたします。
浦添市小中校長会会長 浦西中学校校長 糸数 剛
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