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子ども演劇ワークショップ舞台発表
「ビジネス・モールうらそえ」
2010年 新春のご挨拶
浦添市民の皆さま 新年 あけましておめでとうございます。
2010年 今年も皆様にとって素晴らしい一年でありますよう 心より御祈念申し上げます。
また、「ビジネス・モールうらそえ」も今年は更に皆さまのお役に立つ情報や、心なごみ元気になる特集をご提供して参りたいと思いますので、これからも宜しくお願い申し上げます。
さて、今年 平成22年最初のスタートを飾る特集記事をご紹介いたします。
昨年の11月22日・23日と連続で講演され大好評、観衆に感動を与えた浦添の子ども達による素晴らしい子ども演劇ワークショップ舞台発表「平和劇・浦和 君とつなげる虹色」(平成21年度 浦添市文化芸術振興事業)。その模様を取材いたしましたので新春の教育イベント特集として皆さまへご報告いたします。どうぞ、ご覧下さい。
平成21年度浦添市文化芸術振興事業
子ども演劇ワークショップ舞台発表
平和劇・浦和Peace★
「君とつなげる虹色」
子どもたちの瑞々しいエネルギー
浦添に架かった、輝かしい希望
芸術の秋の連休、11月22日(日)と23日(月)の両日、浦添市てだこホールで、こども演劇ワークショップの舞台発表「平和劇・浦和Peace★ 君とつなげる虹色」が披露された。家族、友だち、戦争と平和など、多くのテーマを盛り込み、瑞々しい演技とエネルギッシュなダンスで観客を魅了した。
果実のひと房ひと房が、果汁をほとばせながら、ぷちぷちと弾け飛ぶようなフレッシュな舞台だった。
浦添市文化振興事業の一環として開催される子ども演劇ワークショップ。「ゆいゆいキッズシアター」と呼称されるその取り組みは、浦添市に住む小学4年生から高校3年生までが参加し、子どもたちの表現力や創造力、自主性の向上を目指しているのだという。
子どもたちは連日、練習に明け暮れ、泣いたり笑ったりを繰り返し、あきらめかけたり、励まし合ったりしているのだろう。そして、かけがえないのない充実感や希望を手に入れている。小さな身体から発せられるエネルギーが、それをいわずもがなおしえてくれた。
物語はいろいろな要素を取り込んでいる。現在に生きる者の苛立ちや喪失感、寂寥感、家族の絆への渇望。つなぐ手がほどけ、死を恐れ目の当たりにしていく悲惨な沖縄戦の実状。狭いガマの中で変化していくざるを得ない、人々の生きるための選択。米軍人にも同じように存在する恐怖や痛み、やさしい心。男女の業と家族のたおやかさを語る、浦添牧港に伝わる悲哀のむかしばなし。そこここに住まっているのであろう、自然への敬慕を深めてくれる木の精やらの個性的なマジムンたち。それら登場人物たちが時空を超え交差し、家族や友情、戦争や平和、沖縄に息づく伝説や生き物などを通し、命は宝であること、希望を失ってはいけないことへと着地していくのだ。そして希望の橋を架けるのは、各々であるのだと問いかけてくる。
やや荒削りで、まだ行き届いていない細部はあったけれども、子どもたちから発せられるメッセージは着実に観客席に届いた。のびのびと楽しむ様子には、わくわくとさせられた。互いの演技を確認しあい、心で応援し合う様子も伝わり、心がひとつとなって進行していく様は舞台ならではの輝きだ。
また「キャベツー!」と叫び、笑いを誘ったテレビ役の間のよさと変てこキャラ。キレのよさがずば抜け、全身から踊る楽しさを伝えていたコーンのダンス。このふたりは舞台のリズムをつくる、裏主役だったかも。舞台上にいることが愉快でたまらないとばかり、小さな身体でぴょんぴょんと跳ね回るマジムン役バイオも目を引いた。そして……あげればきりがないほど、今も一人ひとりの様子は目に浮かぶ。
オーケストラピットでの神経をとぎ澄ました、丁寧な演奏も舞台を盛り上げた大事な要素だ。浦添ゆいゆいキッズズシアターから生まれたバンド「SOTS~Sons of the Sun~」のアルバム「GO A HEAD」もリリースされるニュースも会場を賑わせた。一つひとつの成果が触手を伸ばし、活躍の場を拡げていくことにも拍手を贈りたい。
アクター、ダンサー、ミュージック、全てがひとつになって、フレッシュフルーツのように弾けた舞台。子どもたちの演技は、浦添の虹。希望を育む、最高の宝だ。
舞台を支えた演出家や指導者、各協力者が虹を育んでいる。子どもたちを見守り、育む「腕っ節父さんず&肝っ玉母さんず」なる最大にして最強の応援団も、浦添の宝だ。そう、しみじみ感じ入ったことも添えておきたい。
テーマの深さに考えさせられるも、瑞々しく、温い舞台だった。
カテゴリー [地域のイベント・催物]