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「ヒューマンネットワークの構築」に向けて

大学には卒業した社会人が集い母校や在学生を支援したり、お互いの親睦を図る意味で同窓会的な支援組織があります。

実は今回、沖縄国際大学の同窓会である「沖縄国際大学校友会」が設立40周年を迎えるということで、校友会会長である上原秀雄さんから「ビジネス・モールうらそえ」を通して各界で活躍する同大学を卒業した大学OB、OGの皆さんへ伝えたい事があるそうです。

今や何と“5万人を超える”卒業生がいらっしゃるそうで、その潜在する卒業生の皆さんへ、母校である大学校友会から「特別な思いを込めた大切なメッセージを伝えたい」との申し出がありました。

早速、当サイトは沖縄国際大学にあります沖縄国際大学校友会にお邪魔し、上原会長さんにインタビューをしまして大切なメッセージをお聴きして参りましたのでどうぞ、皆さんどうぞ御拝読下さい。

 

沖縄国際大学設立当時の沿革と校友会活動への初めて参画したきっかけについて

皆さん知らない方もいらっしゃると思うので、大学の沿革から説明しますと、沖縄国際大学は、復帰前の米国統治時代に設立された国際大学を母体に、沖縄大学の一部を統合して設立された大学なんですね。

1972年、沖縄返還がなされると、沖縄県に設置されていた大学に関しても日本国内の大学設置基準とあわせる必要が生じた。そのため、沖縄の復帰に伴う特別措置によって国庫補助金が交付され、さらに日本私学振興財団から特別に貸与金が交付された。これらを原資として国際大学を母体に、沖縄大学の一部を統合して宜野湾市に設立したのが現在の沖縄国際大学なんです。

私は、校友会が設立した同年1974年(昭和49年)の翌月に商経学部を卒業しました。校友会は大学開学より2年後の設立でありましたが、当時は祖国復帰直後という激動の時代でありましたので、大学も開学当時の仮設プレハブ校舎のままでした。

当時の学生は環境に恵まれませんでした!沖縄国際大学のキャンパスをこれから作るという状況の中で、既に統合された二つの大学からやって来た学生達が学ぶ校舎は仮設のプレハブしか無かったからです。防音対策の無い剥き出しのトタン屋根でしたから雨が降るとジェット機の爆音以上にうるさく何度も講義が聞こえなくなり中断を余儀なくされました。でも、恵まれない分、皆当時の学生の修学への情熱とバイタリティーは今にまさり、環境に負けず多くが夢を抱き一生懸命学んでいました。

プレハブ仮設校舎 1972(昭和47年)

1972(昭和47)年 建設中の教室棟(3号館)

1972(昭和47)年4月17日 講義開始日程を知らせる新聞広告

1972(昭和47)年 プレハブ仮設校舎での講義

1972(昭和47)年 プレハブ仮設校舎(左)とその周辺 左手前の原野は、現在の第一駐車場。道路の先は、長田交差点に続く

1973(昭和48)年 キャンパス全景

卒業後は沖縄市役所に就職し、1988年(昭和63年)に沖縄市役所支部が結成され、私も支部結成には参加したものの、多忙な仕事を理由に、その後、支部活動には全く参画することはできませんでした。1998年(平成10年)にお世話に成った先輩らからの勧誘をきっかけに支部活動にも初めて参加することができたのです。

2000年(平成12年)に校友会の副会長に、2006年(平成18年)には会長に就任致しましたが、会長就任時は定年退職まで後1年を残したまま状況でしたので、現役の役所の企画部長という二足のわらじを履く事態での就任でした。ですから、前任者に大変お世話になりながらの船出だったのです。

校友会の会員となるには?

母校の卒業生(旧国際大学、旧沖縄大学から移籍したものを含む。)、又は修了者及び母校に在籍した者で、評議員会の推薦により、総会で承認された者は「校友」と呼ばれ、母校を卒業すると自動的に校友会の正会員となります。在学生は母校を卒業するまでは準会員となります。

校友会活動の趣旨について

校友会の会則にもあるとおり、会員相互の親睦を図り、本学母校と会員との連携を密接にして、母校の発展に資することを目的とする任意団体です。

大学には後援会という組織もあるようですが、校友会との違いと関係は?

校友会は主に母校の卒業生からなる組織に対し、後援会は在学生の父母の皆さんで構成された団体です。

 

校友会の事業として、会報の発刊、卒業日の園遊会の開催、会員親睦体育文化事業、卒業生への記念品の贈呈、在学生への体育文化活動費の助成、就職活動の支援、奨学金の寄与等と、その他、後援会と共同で厚生会館(昭和63年)、東村のセミナーハウスを建設し母校へ寄贈してきました。

 

このように後援会と校友会は大学と密接に連携の基に諸事業を展開しております。よって後援会と校友会は大学発展の両翼であると同時に、両輪の関係にあり、母校の良きパートナーであります。

厚生会館

東村セミナーハウス

会員親睦ボウリング大会

第40回卒業式 園遊会

就職活動支援

県外就職合宿in東京

奨学金の寄与

2004(平成16)年8月13日
本会(1号館)ビルに米海兵隊所属CH53D型ヘリコプターが激突し墜落・炎上

米軍ヘリ墜落抗議 宜野湾市民大会

各職場・グループ・地域へと広がる校友会の現況は?

校友の会員数も平成25年度の卒業生を加えると5万人余の陣容となります。

現在、組織構成として事業決定機関の役員会、評議員会、総会等の他、組織部、就職部、文化芸能部の事務局体制の中枢機能と、沖縄市役所支部、宜野湾市役所支部、浦添市役所支部、北部支部、うるま市支部、宮古支部、八重山支部、東京支部、九州支部、琉銀支部、沖銀支部、コザ信金支部、教職員支部、うないの会支部といった組織の推進機能を併せ持つ14の支部があります。本会として重点課題の支部活性化と共に、支部結成への支援策を展開して居るところであります。

一段と組織の拡大化と共に、一方、新しい時代に合った組織改革・改善を急がなければなりません。

現在、私どもが考えている組織拡大策として、これまでの地域単位、職場・職域単位や種別の女性のための「うないの会」等がありますが、その他、今後、時代に合った新たな支部範囲のあり方を検討する必要があります。会則との整合性を図りながら、特に海外支部、年次・学部学科・研究科、ゼミ、体育・文化部門、サークル部門等との連携による組織化を図っていく必要があります。

校友会新年会

校友会定期総会

校友会新年会


新規卒業生への期待するもの!

私どもの校友会は、母校を卒業するまでは在学生に対し、準会員としての資格が与えられていますが、準会員最後の卒業式の日に卒業生及び修了生に対し正会員としての入会式を執り行っています。入会式終了後には5号館前の広場で新たな旅立ちを祝する校友会主催の園遊会を開催しています。

また、引き続き校友会の設立日の2月23日を境に、学舎に集い合う「ホームカミングデー」を本学体育館で開催致します。

沖縄国際大学 ホームカミングデー

 

卒業生の皆さんはそれぞれ人生の歩む道は違っても、母校で一緒に学んだ道のりは決して消えることはありません。

恩師や、学びの友との出会い、友情を培ってきた人生の宝ものを大事にして頂きたい。そして、せめて年に一度は、友と家族と一緒に母校に足を運び、母校の様子や、学舎の思い出を語り合いながら親睦を深めて頂きたいことを切にお願いしたいと思います。

続く後輩達へのメッセージを!

校友会は、在学生に対し、体育文化活動への支援事業、奨学金の供与事業、就職活動への支援事業等を行っていますが、これからも後援会との共同事業を含め、引き続き活動支援事業を実施して参ります。

日頃、在学時代は校友会との繋がりは深く考えることは少ないと思いますが、母校の卒業生の校友達は、何時も母校の在学生達の活躍を見守っています。

幸いにも母校の学生の皆さんは、体育・スポーツ、文化、芸能、学術、社会活動等に一生懸命頑張っています。世界チャンピョンの空手選手が誕生したり、難関の弁護士資格を取得するなど、多くの実績が評価されていますことは、大変素晴らしいことだと思います。改めて在学生諸君の頑張りに敬意を表したいと思います。

今や実社会は、どこにあっても一生懸命に取り組む姿勢、現場に強い人材を求めています。現場主義に基づく、即戦力のある人材養成を大学に求めているのです。今でしょう!就職に強い沖国魂、決して諦めない人間性の彷彿する人生を満喫していくためにも、どうか在学生諸君には、悔いのない学生時代を過ごして頂きたい。

大学への期待(将来への展望)について

大学発展の要素は、幾つかあります。

2003年当時撮影キャンパス全景

2006(平成18)年11月11日 本館改築工事竣工

2012(平成24)年3月7日 グラウンド竣工式

 

その根本の要素の一つは、大学と後援会、校友会、そして地域社会が一体となった取り組みが最も大事なことだと思います。今日まで「地域に根ざし、世界に開かれた大学」を目指す本学の取り組みに対し、日夜ご健闘され、日々、着実に改革・改善に向かって努力されているお姿を拝見し、校友を代表し敬意を表したいと思います。

生徒は、教科・ゼミを持つ先生方の熱心な指導激励にふれるだけで成長していく者であります。どうか引き続き教員の皆様の一層の取り組みをお願いしたいと思います。

もう一つの要素は、時代に対応する学部学科の見直しであります。時代はどういう人材を求めているか、未来を指向しつつ本学は時代に即応した体制になっているのかを常に希求していく必要があります。

三つ目には、「学生のための大学づくり」であります。学生主義へ志向する大学づくりであります。将来にわたる少子化の時代にあって、大学運営は一段と厳しくなって行くのは必然でありましょう。

従って、第1に学生にとって魅力のある大学であること、そして世界の共通語である英語力のマスターできる特色のある大学、加えて学生の生活環境の改善に当たっても、その価値が持続的発展に向けて発揮され、認められるものでなければなりません。

最後に、産官学研究体制の構築であります。校友の中には社会で苦労して築き上げた方々など、様々な人材が各界で活躍しておりますことはご承知のとおりであります。このような人材等の社会資源を大いに利活用して頂きたいと思います。その構築を大学が中心となって本格的に取り組んで頂ければと大いに期待しております。

期待する3本の矢

1.就職活動支援を重視する意義について!

毎年、各大学の新規卒業生の厳しい就職率が話題になりますが、就職部を設置して校友会の重点事業として就職活動支援事業を掲げています。

特に、「就職に強い大学づくり」を本学はもちろん校友会としても全面的に支援していこうと言うことで、本学のキャリヤ支援課と校友会の支部と連携した県外活動や、大学と企業との就職懇談会等を通して実施しているところです。

人生20代で就職という大事な選択をしていくので、学生諸君には気を引き締めてチャレンジしてほしい。私たち校友会も可能な限り支援していきたいと思っています。

 

2.広がる異業種間交流、ビジネス交流への期待

沖縄では、近年、観光関連、情報通信関連、健康関連、建築関連の産業が伸長しているといわれております。

危惧するところは、人材不足が到来する事態も予測されていますが、人材育成の立場からも知的財産を活用した新たな起業の支援など、観光ビジネス、健康ビジネス等の産業の高度化・高付加価値化は必然であります。

県内の産業界と本学とのパイプ役を担う産学間協力連携事業がスタートしていますが、未だ十分な成果を出していないのが実状であります。

今後、校友会としても、その基盤を支える共通の課題を抱えていることから、産学間協力連携事業に対する教育研究活動や整備充実を図っていく必要があります。

このことは、また、校友会設立40周年を記念して作成されたホームページ開設の目的でもあります。

沖縄国際大学校友会HPはこちらから

現在、校友会も5万人を擁する陣容となり、今や多くの校友の皆さんが各界等において活躍していますことはご承知のとおりです。

本学及び本県の地域特性を発揮するよう校友の皆さんの異業種間交流等を広げてビジネス交流の充実強化に向けてのシステム化やモデルづくりが求められていると言えましょう。

それぞれ一人一人が異なる立場からの交流を通して、ホームページへのネットを拡大し、より一層の本学の発展及び本県の産業振興に寄与するものと考えられます。

是非、この機会に同じ学び舎を同窓とする校友の皆さんの異業種交流を活発化させて頂くため、積極的な「ヒューマンネットワークの構築」に向けて当会ホームページの会員登録参加を呼びかけていきたいと思います。

 

3.「ヒューマンネットワークの構築」に向けて

本学の前学長の富川盛武氏は、学長在籍時に良く校友会に対し「ヒューマンネットワークの構築」を期待されていました。

私たち校友会の設立目的にもあるとおり、会員相互の親睦であり、協調連携の強化にあります。従って、私たち校友会の目的こそ「ヒューマンネットワークの構築」そのものではないでしょうか。

時代は国際化の進展や情報通信の波はとどまることを知らない状況です。個々の価値観も多様化し複雑化しています。

大学を卒業し、社会に進出していく過程では、幾多の課題、出来事が待ち受けています。大学で培った人間的なつながり、恩師との出会い、友人との厚情などは人生の財産であり、宝です。何時までも大事にしていきたい気持ちは誰しも同じ気持ちでしょう。

東北の震災にも見られるように人間一人では生きられない。助け合っていく、支え合っていく、激励し合っていくことは人間にとって最も大切なことです。

私たち校友は、大学という変わらぬ共通の礎があり、それぞれ人生観や生活環境は変わっても変わらぬものがあります。それを大事にしながら高等教育研究機関としての大学の役割、次代の持続的な人材を育成し、持続的発展へとつなげていくことは重要な課題であり、私たち校友の役目でもあると考えます。

広がる仲間達、手と手を携え、人間性あふれる校友の絆を何時までも大切にして行こう。

そして、校友会活動を通して若き学徒の息吹にも触れながら人生楽しく愉快に過ごしていきましょう。

最後に、校友会創立40周年記念事業への抱負

本学校友会は1974年(平成49年)2月23日に設立しました。当時は本土復帰直後の激動の時代で多くの人材を欲していた時と言えましょう。

環境には恵まれなかっただけに学問の探究は今にまして大きかったことと言えます。そして、本学卒業生は今日の沖縄県の発展へと大きく貢献して参りました。

本校の卒業生達は各界で主要な役職や、リーダーとして経済を支え、教育や文化社会で大いに活躍されています。

これまでを振り返ると校友会設立30周年では沖縄に多大な貢献をして頂いたニュースキャスターの筑紫哲也氏を招いての記念講演を開催し、大学内外から大好評でした。

今思えば彼も亡くなり今さらながら時代の節目を感じさせられます。

 

創立30周年記念講演・芸能の夕べ

本会も40年が経ち、登坂の半世紀へと新たな出発を迎えました。

来たる2月23日には本会創立40周年の記念式典と祝賀会を本学体育館で催します。丁度その日は幸いにも日曜日となり、祝賀の日となります。式典は午後3時から、祝賀会は午後4時から開催します。特に祝賀会には卒業生を含め、1千名規模の祝賀会になります。

また、来賓の皆様をはじめ、舞台出演する方々は全て本学卒業生や在学生で花を飾って頂きます。その日に創立30周年時の10年前に筑紫哲也さんとご一緒にタイムカプセルとして古酒を埋蔵していましたので、今回、その古酒を開封し、皆さんにご披露したいと思います。

是非、ご参加して下さい。そして楽しんで下さい。お待ちしています。

詳細はホームページをご覧下さい。

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