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書籍の紹介 琉球の王権とグスク

書籍の紹介 琉球の王権とグスク

太陽は東方彼方の楽土=ニライカナイから昇ってくる。

世界に活力をあたえ、そして西の海に沈んだ太陽は、地底を通りぬけて、再びニライカナイから生まれでる。

無限に再生を続ける太陽と国王を重ねあわせて王権を神聖化する古琉球の思想を「太陽子思想」という。

これまで『おもろさうし』や文献史料で議論されてきた琉球王権と太陽子思想の成立の問題に、グスクと琉球王陵の発掘成果から追ってみる。

あらたな切り口で、通説とは異なる琉球王権を論じたい。

さらに、海のシルクロードの拠点中国泉州にも議論を広げる。

書評 ブログ「干瀬のまれびとの座」より~

山川出版社の日本史リブレットシリーズの最新刊、『琉球の王権とグスク』です。

◆書籍タイトル【琉球の王権とグスク】 A5判106頁  本体価格800円(税込)
著者:安里進    発行年:2006年12月20日発行

一言で言えば、とっても刺激的な本です。

安里氏の最近の論考のエッセンスを一冊にまとめて、新しい琉球王権の形成・成立論を提示したものです。
この示唆に富む本が、リブレットという形で提供され、誰でも手軽に読むことができるのは、幸せです。

本書の魅力は、15世紀の文献史料の検討と著者が長年携わってきた浦添グスク・浦添ようどれの発掘調査の成果、それに首里城などの大型グスクや王陵の構造の検討、16、17世紀の文献の記述などとを合わせて、説得力のある琉球王権の形成過程の論証を行っていることにあります。

その論証に欠かせない図版もふんだんに使われていて、理解を深めるのに役立っています。
統一以前の琉球史における浦添の位置づけについて、認識を新たにさせられると思いますし、さらに、中国および東アジアと琉球とのさまざまなレベルの関わりについても新しい見方が示されており、著者によるさらなる琉球史研究の発展も大いに期待されます。

2006年も、沖縄の本を、相当読むことができました。

従来にない新たな視座からの書物が多かったと思いますが、この安里氏の新刊はその締めくくりにふさわしい本であったと思います。

書評は本屋のおっさんブログでご覧いただけます。

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