HOME > 特集 > こころのオアシス > 目先の一勝より、この子の一生 三輪 華江子(港川小学校ハンドボールクラブ監督/港川中学校ハンドボール部コーチ) ビジネス・モール うらそえ 開設満8周年記念特別企画『投稿エッセイ』「大好きな沖縄へのメッセージ」
目先の一勝より、この子の一生 三輪 華江子(港川小学校ハンドボールクラブ監督/港川中学校ハンドボール部コーチ) ビジネス・モール うらそえ 開設満8周年記念特別企画『投稿エッセイ』「大好きな沖縄へのメッセージ」
「ビジネス・モールうらそえ」開設満8周年記念おめでとうございます。
2014年は「ハンドボール王国・沖縄」の復活の年になりました。2004年に浦添市が『ハンドボール王国都市宣言』をして以来、やや全国制覇の勢いに陰りがみえていた中で、神森小女子、港川中女子、興南高男子、と小中高の全国大会をことごとく制覇しました。
中でも、全国中学校ハンドボール大会では沖縄県勢の決勝対決となり、それが港川中vs神森中という浦添市立の学校同士で全国No.1を争ったことは、浦添市が日本の中で「ハンドボールのメッカ」であることを象徴していると思います。
港川中学校が第43回全国中学校ハンドボール大会で初優勝を成し遂げた要因には、3つのことが挙げられます。
まずは「選手の自主性」です。13~15歳の子ども達は、“言われるがまま”や“指示待ち”が多い中で、港川中の選手は、先生不在時の練習メニューはキャプテンが考えて進めていきます。緊張感がなかったり、ミスが続いたりすると、キャプテンはすぐに全員を集合させて、皆で悪い所を指摘し合うミーティングをします。本当に意識が高く、やらされている感は全くありません。
次に「保護者の支援」です。3年生の保護者は大会の応援だけでなく、普段の練習をよく見学に来られます。“子どもを預ける”という姿勢ではなく、“一緒に育てる・見守る”という、『共育』(共に育てる)環境ができていることを感じます。保護者の1人に理学療法士の方がいますが、練習を見学に来られた時には、子ども達のフィジカルチェックも必ずしてくれます。
そして最後は「指導者の存在」です。監督の神谷加代子先生は、『コートの外に勝負あり』と常々言われています。試合で勝つ要因は、練習以外のところにあるという意味です。授業中の態度はもちろん、学校生活の中でのボランティア精神、心のこもった大きな挨拶、周囲に対する感謝の気持ちなど、人間として大切なことをきちんとやれることが勝負に勝つ大きな要因になることを、子ども達に伝えています。また、保護者との関係も、子ども達との関係と同じくらい大切にしています。先生は練習では絶対に手を抜くことを許さず、手を抜いた選手には容赦なく叱ります。しかし、叱った時には必ず親への連絡を欠かしません。細かい気配りや心配りを忘れない先生です。ある慰労会でこんな挨拶がありました。『どんなに素晴らしい指導をしても、親の愛情には絶対に勝てない。だからお母さん・お父さんはしっかり子ども達を見てあげてほしい。』親が目を向けなければ、子どもは本当の成長をしていかないことを実感されているからだと思います。
全国大会制覇を成し遂げた子ども達ですが、この子ども達の人生はここで終わりではありません。この成果はあくまでも通過点でしかなく、この経験を「人生の次のステージ」の上で、どう活かしていくのかということを、私達大人は考えなければなりません。そして正しく導いて行ってあげなければなりません。神谷加代子先生が『目先の一勝より、この子の一生』という言葉を使われます。私達大人は、先に生きてきた責任から、目の前のこと(利益や、しがらみ)に囚われることなく、その子の将来を見通した上で、適切に導いてあげる必要があるということだと思います。今回の全国優勝に携わって感じたことが私達には、頑張っている子ども達の大切な将来を明るい未来にしなければいけない責任がある。その為に、もっともっと真剣に世の中を見つめ、子ども達の将来に関わって行く努力をしなければと、改めて想いを深くさせられた次第です。これが、今想っている私からの「大好きな沖縄へのメッセージ」です。
ところで、今年度12月20・21日に、浦添市民体育館で九州小学生親善ハンドボール大会が開催されます。九州・全国大会へ出場する際には、浦添市から派遣費の一部補助を頂いています。また、地域の方々や企業からも遠征資金造成に協力して頂くなど、たくさんの協力があって、子ども達も頑張れています。本当にありがとうございます。
九州大会の大会プログラム作成にあたり、協賛広告等の募集をしております。企業の皆さん、頑張っています子ども達への応援ご協力を今後共、どうぞ宜しくお願い申し上げます。 お待ちしております!
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