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食で育む子どもの未来 村野 勝子(株式会社オーディフ 常務取締役) ビジネス・モール うらそえ 開設満8周年記念特別企画『投稿エッセイ』「大好きな沖縄へのメッセージ」
村野 勝子 (むらの かつこ)
浦添市出身 |
この度「ビジネスモールうらそえ」が満8年を迎えられこの様な節目の年に寄稿をさせて頂きます事にまずは感謝申し上げます。
昨今のネット社会において多種多様な情報が得られる様になった環境で「ビジネスモールうらそえ」は早い段階からITを活用した地域連携強化の取り組み・構築を開始し、浦添市を支え、盛り上げてこられたのだと思います。
わたくしも大学進学で上京するまで浦添市で育ちましたが今回は大好きな沖縄へのメッセージというテーマを頂いたのでサブタイトルにもありますが食育の観点から未来の子ども達へ繋げていけるメッセージをお伝えできればと思います。
現在、東京都の自治体において学校給食運営委員を務めさせて頂いており、また私自身が経験実践してきた子育て体験も併せ、3つの項目に分け構成しました。
1)東京都の学校現場で現在取り組まれている食育について
2)子育て世代に向け、家庭でも簡単にできる食のワンポイントアドバイス
3)現在の沖縄の健康状況と未来の可能性に向けて
まず始めに学校現場からの取り組みについてです。現在、文部科学省から発信されているESD活動というのがあります。聞きなれないとは思いますが、その取り組みの中の一つに『2050年の大人づくり』というテーマで学校教育ではすでに実践されています。ジェネリックスキル(次世代の教育カリキュラム)が根底となっており、食育の観点からは
≪考えて食べる事≫が課題の一つとして挙がっています。例としてサバイバル食と題し、学校内で防災キャンプを体験し、そしてその中から食の大切さを学び生徒達自らが昨今、問題となっている食品ロスを減らしていこうという意識に繋がっています。
さて、では『2050年の大人づくり』の取り組み、具体的にはどんな事?どうすれば良いの?と思われたのではないでしょうか。2050年とはちょうど今の子ども達が子育て世代となり自身の子どもにも食の大切さを繋いでいくという教育の取り組みです。それでは具体的にどうすれば良いのか、それはズバリ、和食文化を見直すという事です。実際、啓蒙され広まりつつあるのですがここから2つ目のテーマ、家庭でも実践しやすいワンポイントアドバイスをお伝え致します。
≪まごわやさしい≫というコトバをご存じですか?豆、ゴマ、わかめ、野菜、魚、シイタケ、芋の頭文字を取って≪まごはやさしい≫です。日本には昔からあるおなじみの食材ですが日々の調理の中に少しづつでも取り入れてみる事を是非意識されてみて下さい。
そしてもう一つ私自身も家庭での食育で参考となっていたコトバが≪七色のバランス≫です。
七色とは赤(トマト、パプリカ等)橙(人参、カボチャ等)黄(トウモロコシ、ジャガイモ等)緑(ブロッコリー、春菊等)紫(ナス、レッドキャベツ)白(大根やニンニク等)黒(ごぼう、こんにゃく等)の食材等から成る7つの栄養素の組み合わせです。これらの色を思い浮かべてみると意外に各家庭によって色のバランスが偏ってるのではないでしょうか。毎食である必要は無いので無理なく上手に献立を考える際に、この七色の食材をサイクルさせてみて下さい。
食のバランスを整える事で生活習慣病の予防にも繋がります。
最後、3つ目のテーマですがこれは沖縄県だけの問題では無く、糖尿病予備軍も含め、国民の五人に一人が生活習慣病と言われています。それに輪をかけて耳が痛い話となりますが、沖縄県の健康状況をご存知でしょうか?全国のメタボリック該当者及び予備軍が男女ともワースト1(平成22年厚生労働省)生活習慣病による死亡率が約五割(平成24年人口動態統計)というデータが出ております。
が、しかしその現実にただ悲観ばかりはしていられません。現在、県の施作によって≪健康おきなわ21(第二次)≫がスタートされました。ここ近年、長寿上位県から大幅にダウンしてしまった沖縄ですが美しい海と自然、豊かな食材が育つ環境は健在です。
そしてその恵まれた環境は実は諸外国からも注目されており特にアジア太平洋地域に向け、健康を取り戻すモデルプランとしても動きつつあります。
その大いなる可能性を秘めた沖縄県で、そこに未来の子ども達へ食の大切さを伝承していく事は大切な課題だと強く感じております。
食の仕事に携わる一人としてまた母親としてその使命に努力邁進すると共にそして沖縄の発展を願い、結びと致します。
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