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第31回 浦添市PTA連合会長 浜﨑芳久
地域教育情報 『 てぃーだぬふぁー通信 』 は、学校・PTAと地域を結び付ける社会教育活動として行っています。どうぞ宜しくご愛読ください。
PTA活動は、気負いなく、「一人一役」が原則。
できるときに、できることを協力しあい子どもも大人も住みやすい浦添市へ。
浦添市PTA連合会 会長 |
学校、そして地域で、子どもたちの安全を守り健全なる育成を目的にする、PTA(Parent-Teacher Association)。 その浦添市PTA連合会会長として一人一役、誰でも参加しやすい環境づくりに経験と知恵を活かしているのが浜﨑芳久さんだ。 PTA活動の意義や活動方針、また家庭での顔を垣間見せてもらった。 |
孤独感が、今のカタチに結びついた
声をかけ合うことから、
協力し合う気持ちをつなぐ
浜﨑さんは、4名の女の子のお父さん。長女、次女ふたりの時代から、お父さんの役目としてPTAに関わりたいと思っていたという。当時は、清掃活動や運動会の設営手伝いなど、寡黙に手伝う程度だったとか。
「私は鹿児島出身でね。声をかけてもらいにくいたちなのか、私からも声をかけるタイミングもつかめなくて、地域になかなか解け込めなかった。清掃活動などに参加しても、知り合いはいなし、会話はない。孤独でね…。やることをやって、ササッと帰る。そんな関わり方でした」
普通なら億劫になり、活動そのものに参加しなくなりそうなもの。けれど浜崎さんは、お父さんの役目として「できることはやる、参加する」という姿勢を貫いた。
その後、長女と次女は仲西中に進学、吹奏楽部にも在籍した。その吹奏楽部の保護者会にも、お父さんの役目として参加。そこで、保護者会の活性を目指して、組織作りのお願いをされたという。
浜﨑さんの思いは、ひとつだった。
「誰にでも、声をかけよう」
部員数120名という大所帯の吹奏楽部。その保護者会で、自身が以前に感じた孤独感を誰にも味あわせたくなかったと振り返る。 積極的に声をかけ、輪を広げる。一人ひとりができることをすくいあげる。この場にいることが苦痛でないように、孤独に陥らないように、そんな声かけを気にしたそうだ。 浜﨑さんは元自衛官であり、体育会系、縦社会に生きてきた。チームをまとめることも得意としてきた分野だったということも、バックボーンにはあったという。 「声をかけ合い互いを知ると、自分にできることは何か、今、必要なことは何か。もっとこうしたい、ああしたいと意見も出てくる。互いを知っているから、相手の得意なことも把握できており、○○さんのお父さん・お母さんの出番だ!など、サポートしあう体制もできる」 |
孤独を感じさせず「会話をすること」と、自分ができることを行う「一人一役」を提案、実行している浜崎さん。ガッツとやさしさ、剛柔のバランスのすごさに圧倒され、感動した。 |
声をかけ合い、協力しあって、一人一役
吹奏楽部保護者会の組織運営作りに関わり、また屋富祖に新居を構え三女、四女は仲西小に転校。仲西小ではいきなりPTA会長の役目を請け負った。
「ただ、ここはPTA。絶対命令で動く組織ではない。協力しあうことが大事だ」
浜﨑さんは前にも増して、「話しかけること」を大事にした。人の輪を少しずつでも広げ、気軽に参加できる環境を目指して。
さらに、『一人一役運動』を提案。
一人一役運動とは、PTA活動を、できるときにする。来れるときに来る。少しでもいいから、できる範囲で参加する。頑張りすぎる参加の仕方はしない。そんな、ゆるい参加方法の呼びかけだ。
「親御さんたちはみんな、忙しい。突然の急用だってある。そんななかで、やる人だけががんばる組織になってはいけない。PTA役員や係になれば、必ず参加しなければいけない。そんなのはナンセンスだ」と浜﨑さん。「役員や係が全てを背負って、がんじがらめになっては、子どものために見本となる組織運営は難しくなってしまう」と、警鐘を鳴らしたのだ。「一人一役。できることに、少しずつ、多くの人が参加すればいい」と浜﨑さんは繰り返す。係ではなくとも、みな、子を持つ親であり、PTA会員であることは同じだから。「例えばね、運動会のテント片付け。PTA役員だけでやっていたら、いつまでも終わらない。そこにお父さんの一人一役。みんなが手伝えば、30分で終わっちゃう!」 |
一人一役の結集は、大きな大きな力になる。みんなが協力し合って、はじめて活動は軌道に乗るはず。誰でも気軽に保護者会やPTAと関われる関係を築いたのだ。
子どもたちの安全を見守る
住みよい街づくりへとつなげる
さて、浜﨑さん自身の一人一役のうち、ひとつは、安全への気配り。屋富祖に越してきたばかりのとき、繁華街で宵を過ごし、酔いつぶれたまま路上で眠る人が多かったという。また、こども110番の家も少ないと感じたそうだ。学校の裏門は暗く、きれいとはいえない状況にも不安を持ってしまったと語る。
「あの道が通学路で、あの門をくぐって子どもたちは学校に入る。うーん…」
浜﨑さんは、酔っぱらいに「ここは子どもたちの通学路だよ」と声をかけ続けた。頭を下げたこともしょっちゅう。学校にも積極的に働きかけた。そうするうち環境の変化は、実感できるものになったらしい。
また、宮城公園に変質者が出るという噂がのぼれば、即座に行動。議員への協力もお願いし、公園が外から覗けるよう木の枝払いなどを行った。
口ぐせは「学校が外から見える。学校の中からは、外が見える」公園も同じ。どこから見ても明るく、環境を整備し、死角をつくらならいことが大事。
地域に住む先輩方が行っていたという、黄色いTシャツとブルゾンがトレードマークの「スクールガード/仲西っ子を守る会」にも加わった。見回り隊には積極的に参加している。
外出の際は、『安全パトロール中』とステッカーを貼った車で、学校周辺を通るようにしているという。遠回りもいとわない。地域を見守る者がいつ何時に通り、目を光らせているのか予想のつかない状況は、不審者が出にくくなると統計が出ているからだ。子どもが安心して住める街は、大人も、年寄りにも住みよいはず。快適な街づくりへとつなげたいと語る浜崎さんだ。 | 「安全パトロール」のステッカーを貼った車に乗る。外出時はあえて遠回りをし、パトロール。不審者を寄せつけない安全な街づくりを目指している。 |
子育ては親学
悩みを共有し、子どもを守りたい
仲西小学校のPTA会長職に就いてから行ったことの一つは、先にあげた「一人一役」運動。そして、会長職や学校行事、PTA行事などの計画表・時間工程表を作成、ひな形をつくり、1冊のファイルにまとめたという。
「次の人が楽なように。季節行事の案内状や賞状などにひな形があれば、日付や名前部分に変更をかけるだけでいい。活動が続いていくためにも、ひとつの基本があると負担が少なくなる」
それにしても、浜﨑さん自身が一人何役も行い忙しそうだ。そう問いかけると、「なぁに、忙しいのが好きなんだ。忙しいところに飛び込むのが趣味」と、豪快に笑った。でもその笑顔の裏には、覚悟を決めた厳しさも存在していた。
浜﨑さんは、子どものために、地域のために、保護者会やPTA、地域に積極的に関わると断言する。子どもたちのためにも正々堂々と生きたいのだそうだ。
「学校や地域にあれこれ要望を出したいなら、まずは自分がやってから意見を述べたい。お願いをいうだけなら誰でもできる。でもね、そんな卑怯はしたくない。正々堂々といいたいんだな。正々堂々とするには、普段が大切。子どもと密に関わり、学校と関わり、PTA活動にも積極的に関わることで、いろいろなことが見え、いろいろなことを知り、いろいろなことを考える。一生懸命関わっているから、正々堂々と文句もいえるさ」と、カラリ。
そして、「PTAの活動は、会にもよってさまざま。そのなかから保護者が、子どもの見本として示せるものでありたい。子どもを守る親同士、悩みを共有し、がんばっていきたいよね」 子育ては「親の学びの期間でもある」とも言葉を連ねた浜﨑さん。今後、成人学級や発達障がい学級など、さまざまな視野での地域づくりも必要だと考えている。 |
浜﨑さんはその後も相変わらず忙しく、仲西小PTA会長の役目を終え、浦添市PTA連合会副会長を1年務めた後、現在の会長を引き受けたとのこと。浦添市の教育に欠かせない存在である。
PTA基本方針を実践
朝ご飯の食育も自身の手で関わる
PTAとの取り組みと連動して、「朝ご飯を食べる食育」「ノーテレビタイム」「630運動」「親子読書」などを家庭で実践しているという浜﨑さん。自身はシンデレラタイムを守り、集会や酒宴があっても、夜12時までには帰宅を約束しているという。
「女房がしっかりしているから、できること」と、照れ笑い。そして、「しっくりもきているから、できる」とも。奥様のことを「私にとっちゃ、いい女。そして世の中で一番怖い存在」とのろけた。「仕事やPTAにばっかり懸命になっても、それはいけない。家族サービスも忘れないよ」という。また、朝5時に起き、朝ご飯を作るのは浜﨑さんの役目。家事もできる限り手伝うそうだ。ここでも「一人一役」。できることをやる、浜﨑さんの生き方が体現されているよう。「女房と一緒に、共同作業。それで夫婦円満になるなら、いいじゃない。家事を通してさ、夫婦の会話も生まれる。まな板の音をトントン響かせる側で、夫婦の会話、親子の会話が生まれるんだ」 |
台所のそばにパソコンと長机も設え、親子の距離感を近くする工夫がいるそうだ。ちなみに浜﨑さんの料理はおいしいらしく、子どもたちには外食よりも「家で食べたい!」といわれるそう。
「豪華なものは一切ないよ。野菜チャンプルーが翌日にはチャーハン、トンカツや天ぷらは翌日には丼もの」その工夫が父の腕の見せ所。家族の会話がぬくぬくと生まれるから、一層おいしくもなるんだろう。
「ビジネス・モール うらそえ」の大ファン!
暮らしの欲しい情報が詰まっている
「会話」と「一人一役」を通して、PTA活動も、家庭も、円満に過ごしている浜﨑さん。人を包容する柔和さと、学校や地域をよくしたいと進み続けるバイタリティがものすごい。
そんな浜﨑さんに、最後の質問として「ビジネス・モール うらそえ」について尋ねてみた。「ビジネス・モール うらそえの大ファン!」と、即答をいただいた。
「欲しい情報がある、そこがいい。また、取り上げて欲しいなとか、おしえてほしいなと思う情報がアップされる。俺の気持ちが通じているのか?どこかで聞いたのか?と思うほど!」
例えば、連休中に開いているお店のタイムリーなインフォメーションは非常に役に立ったという。警察との連動による情報発信も、浦添に住まう者にとって必要なことだと太鼓判。また「“不動産情報”や、“てぃーだぬふぁー通信”などもいい」
「牧港コマーシャルエリアのことなどは、歴史を感じて感動したね」といい、「今後も歴史や浦添でがんばる人を取り上げてほしい」と要望をいただきました。
浜﨑さん自身も「沖縄戦をひもとき始めた」そうで、戦争や戦後の復興、戦中の語り部なども、忘れてはいけない歴史ではないかと意見をいただきました。
浜﨑芳久さん(うちなー婿)鹿児島県出身 61歳ダイコー(株)沖縄営業所 所長家族は妻と四人の女の子趣味は、海あっちゃー元自衛官バイタリティあふれる浜﨑さんは、平成22年度現在、沖縄県PTA連合会副会長や浦添市PTA連合会会長、浦添市子ども文化連盟「太陽樹」理事 長、浦添市健全育成市民会議副会長、地域交通安全推進委員、浦添市学力向上対策委員会副会長などを兼務している。 | |
浦添警察署長より「健全育成活動」や「交通安全活動」などで、何回も表彰状を授与されている。 |
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PTA成人学級開級式での挨拶 |
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三役 |
市P連 功労者を表彰 |
2010年5月に、以前 自衛官として勤務していた頃の事が評価されて危険業務従事者に対して国から贈られる勲章「瑞宝双光賞」を受勲された。仲西小PTAのOBが主体で、公民館 でお祝いをしてもらったそうだ。浜崎さんおめでとうございます! |
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