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ヤクルト・スワローズ キャンプin浦添 3thクール3日目 練習試合(阪神タイガース)
『2011年 東京ヤクルトスワローズ キャンプIN浦添』 キャンプ13日目
練習試合(阪神タイガース)
お待たせしました、今回は阪神タイガースとの練習試合のご報告をさせて頂きたいと思います。
その日は前日の紅白戦の時とうって変わって、雲一つない晴天となりました。絶好の野球日和です。
その為か観客席も子供からお年寄りまで、ほぼ満席状態となり、試合を今か今かと待っています。
アウェーの宜野座(ぎのざ)村での試合の為、観客席のほとんどが阪神ファンでした。
今季ペナントレースの開幕戦は、奇しくも甲子園球場で「東京ヤクルトスワローズvs阪神タイガース」となるので、この試合は前哨戦という雰囲気があります。
ヤクルト小川淳司監督(80)、タイガース真弓明信監督(72)もその事をにらみ戦力分析の試合と考えているはずです。
前置きが長くなりましたが、「東京ヤクルトスワローズvs阪神タイガース」の練習試合を報告をさせて頂きます。
試合10分前に発表された、両軍のスターティングメンバー。左がヤクルトスワローズで右が阪神タイガース。
12:30にヤクルト先攻でプレイボールとなりました。タイガース先発は小嶋達也投手(29)。
先頭打者、飯原誉士選手(9)はあたりの鋭いレフト正面のライナーに倒れるも、2番打者田中浩康選手(7)が、センター前ヒットで出塁。
しかし、3番打者w.バレンティン選手(4)が空振り三振、濱中治選手(0)は見逃し三振に倒れ1回表のヤクルトの攻撃は、ランナーを1塁に残したまま終了する。
1回裏、阪神の攻撃。ヤクルト先発は増渕竜義投手(22)、受けるキャッチャーは中村悠平選手(52)。
今日の増渕は絶好調のようで、スピード、コースいずれも上々なピッチングであった。
先頭打者、俊介選手(7)をセカンドゴロ、大和選手(0)をセンターフライ、坂克彦選手(35)をファーストゴロに抑える。
増渕投手は安定した投球でタイガースの攻撃を0点に抑える。
1回の表裏を終了し、0ー0。静かな立ち上がりとなった。
2回表、先頭打者の畠山和洋選手(33)はショートゴロ、武内晋一選手(8)はセカンドゴロ、川端慎吾選手(36)は空振りの三振に倒れ、この回ヤクルトの攻撃は三者凡退で終了する。
2回裏、タイガースの攻撃は4番の好打順から始まったが、増渕投手(22)は林威助(リン ウェイツゥ)選手(31)をファーストゴロ、浅井亮選手(8)をレフトフライ、森田一成選手(69)をセンターライナーと、三者凡退で切って取る。
タイガースはこの回も増渕に抑えられ、まだファーストベースも踏めないでいた。
2回の攻防で0-0のまま試合は進み、ゲームはこう着状態が続くと思われた。
3回表、タイガースはピッチャー、ドラフト1位入団の榎田大樹(13)がマウンドに送った。
中村悠平選手(52)は、榎田投手の高めのボールを上手くミートするもレフトフライに倒れる。
川嶋慶三選手(00)はボールを見てファーボールで進塁、1アウト1塁となる。
続く飯原誉士選手(9)は、大胆にもヒットエンドランを敢行。
しかし、飯原選手(9)のライトフライとランナー川嶋選手(00)が戻れずのダブルプレーとなり、この回スワローズの攻撃は惜しくも無得点で終了する。
3回裏、ヤクルトのピッチャーT.バーネット投手(34)がマウンドに上がる。
野原将志選手(37)を、空振り三振。しかし、小宮山慎二選手(39)には三遊間ヒットを打たれる。
バーネット投手(34)は、ランナーを1塁に置きながらも、上本博紀選手(4)を見逃し三振、藤川俊介選手(7)をセンターフライに打ち取り、タイガース打線に付け入る隙を与えなかった。
前半戦は、両軍投手陣の踏ん張りで、こう着状態のまま終了し、中半戦に向かった。
4回表、タイガースのピッチャー蕭一傑(しょう いっけつ)投手(19)がマウンドに上がる。
先頭打者、田中浩康選手(7)がショート強襲ヒットで出塁する。
続く、バレンティン選手(4)も三遊間にヒットを放つ。
ノーアウト1,2塁の得点圏内にランナーを進め、先制点のチャンスを作る。
先取点チャンスに、3塁コーチャー城石憲之コーチ(87)の動きも慌ただしくなり(左)、小川淳司監督(80)の視線も塁上に釘付けになった(右)
しかし、濱中治選手(0)のあたりはセカンド正面のゴロで、4-6-3のダブルプレー。
2アウト3塁となる。
次の打席に入った畠山和洋選手(33)に期待がかかったが、センターフライに終わり、ヤクルトこの回を無得点で終了する。
先制点のチャンスは消えたものの4回裏も、バーネット投手(34)は踏ん張りのピッチングを続ける。
先頭打者、大和選手(0)をセカンドゴロ、坂克彦選手(35)をファーボールで歩かすも、林威助選手(リン ウェイツゥ)選手(31)をキャッチャーフライ、浅井良選手(8)をサードゴロにそれぞれ仕留め、この回もタイガースを0点に抑えた。
4回を終わり、得点は0-0。タイガースはまだ2塁を踏めないでいた。
5回表、ゲームが大きく動く。
武内晋一選手(8)はセカンドフライ、川端慎吾選手(36)はセカンドゴロに倒れた。
しかし、2アウト後、ヤクルトの強さを実感させることが起こった。
中村悠平選手(52)が、見逃せばボールとなる低めの球を上手く腰を落として流し打つ「技あり」のヒッティングでサード強襲安打を放つ。
差し込まれるような内角の球でも、低めの球でもうまくバットに当て正面に飛ばす技術の高さを思い知らされた。
そして、この内野安打がゲームを大きく動かすことになる。
続く、川嶋慶三選手(00)が三遊間を破るヒットを放ち、2アウト1、2塁。
1塁ランナーの川嶋選手(00)は外野方向を見る(左)。2塁ランナーの中村選手(52)はバッテリーの癖を見、走塁の機会をうかがってる(右)。
飯原誉士選手(9)の放った打球が、三遊間を抜けてヒット。2アウト満塁となった。
調子のいい田中浩康選手(7)は1ストライク1ボールからの高めの球を見事に打ち返す。
球は左中間を深々と破るタイムリー2ベースヒットとなった。
中村選手(52)と川嶋選手(00)が次々とホームインし、ヤクルトが2点を先制し(左上)、ついに均衡は
崩れた。
飯原選手(9)は3塁へ進塁(右上)。田中選手(7)は2塁上で満足げな表情を浮かべる(左下)。
続く、バレンティン選手(4)にも長打の期待がかかったが、見逃しの三振。
この回2塁に田中選手(7)を残したまま、ヤクルトの猛攻は終了したが、2アウトからの連続安打で
得点するヤクルトの粘り強さをここでも見ることができた。
5回裏から、七條祐樹投手(42)がマウンドに立つ。キャッチャーも川本良平選手(28)に交代。
森田一成選手(69)をセカンドゴロ、野原将志選手(37)をサードゴロ、小宮山慎二選手(39)をライトフライに切って取る。
七條投手はタイガース打線を危なげなく三人でぴしゃりと抑え、反撃の糸口さえ与えなかった。
5回の攻防を終了したところで、得点は2対0とヤクルトが2点を勝ち越している展開となっている。
まだ何が起こるかわからない得点差だ。
ゲームを支配したいヤクルトとしては、もう1~2点は欲しいところ。
6回表ヤクルトの攻撃。
タイガースのピッチャー筒井和也投手(20)がマウンドに上がった。
先頭打者、濱中治選手(0)はレフトライン際を襲う2ベースヒットを放つ。ここで濱中選手は代走の上田剛史選手(50)に交代する。
ベンチに戻る際に、3塁側タイガース観客席から「よくやった、濱中」の掛け声とともに暖かい拍手が送られた。
実は試合が始まって、濱中選手がバッターボックスに立つ度に、声援や拍手が送られていた。
濱中選手は去年までタイガースのレギュラーだった。観客は覚えていて、暖かい声援や拍手を送っていたに違いない。
話はそれたが、2番打者畠山和洋選手(33)はレフトフライ。続く、武内晋一選手(8)もセンターフライで、ランナーを進める事ができなかった。
「野球は2アウトから」とよく言われるが、それは今日のヤクルトにこそ当てはまる言葉だろう。
2アウト、ランナー2塁で打席に立った川端慎吾選手(36)がセンターへタイムリー2ベースヒットを放つ。
2塁ランナー上田選手(50)がホームイン、1点を追加した(左)、打った川端選手(36)は2塁上で打球の飛んだ方向を確認(右)川本良平選手(28)はファーボールを選び、2アウト1、2塁となる。
6番目の打者、川嶋慶三選手(00)はセンターオーバー2点タイムリー3ベースヒットを打つ。
まず、2塁ランナー川端選手(36)が2点目のホームイン。
1塁ランナー川本選手(28)は2、3塁ベースを疾走し、3点目のホームイン。
この回、ヤクルトは一挙3点を奪う。
7人目の打者、雄平選手(41)は見逃しの三振に終わり、3アウトチェンジ。
この回のヤクルト、2アウトからの怒涛の攻撃がやっと終了した。
6回裏、3点の追加点をもらった七條祐樹(42)投手の好投はこの回も続く。
先頭打者、上本博紀選手(4)を空振り三振、俊介選手(7)をセカンドゴロ、大和選手(0)をライトフライに仕留めて、3アウトチェンジ。
タイガースに6個目の0が付いた。
6回の攻防は、明暗を分けた。2アウトから連打で3点を追加したヤクルト。
1回から6回までタイガース打線は2塁を踏めないでいた。
7回表、森岡良介選手(68)はサードファールフライ、麻生知史選手(114)は空振り三振、上田剛史選手(50)がデットボールで1塁へ出塁するも、松井淳選手(57)の打席時に盗塁に失敗し、3アウトチェンジ。
7回の裏、阪神の攻撃が始まる。ラッキー7の攻撃に外野やレフト側観客席のタイガースファンが、これまで以上の声援をタイガース選手に送る。
ヤクルトのピッチャー山岸穣(51)投手がマウンドへ上がった。
先頭打者、坂克彦選手(35)をレフトフライに切って取る。2番打者の林威助(リンウェイツゥ)選手(31)は、球をよく見てファーボール。続く柴田講平選手(00)は、二遊間へのヒットを打ち、タイガースは1アウト1、2塁と、反撃ののろしを上げるかに思われたが、山岸投手(51)は踏ん張りの投球で森田一成選手(69)を、セカンドフライ、野原将志選手(37)をサードゴロに打ち取り、3アウトチェンジとなる。
結局、タイガースはこの回のチャンスを生かすことができなかった。
ゲームも残すところあと、2回の攻防となる8回表、タイガースのピッチャーは藤原正典投手(15)がマウンドに上がった。
8回先頭打者、松井淳選手(57)は空振り三振、武内晋一選手(8)も三振、川端慎吾選手(36)も空振りの三振となる。
この回スワローズは全打者が空振り三振で終了するという、イニングになった。
この藤原投手(15)はペナントレース中、注意しなくてはいけない選手になるかもしれない。
8回の裏、山岸穣投手(51)の快投はこの回も続く。
先頭打者、清水誉選手(45)を空振りの三振、上本博紀選手(4)をセカンドゴロ、俊介選手(7)をサードゴロでタイガース打線を三者凡退に抑え、8回表のお返しをした。
最終回の攻防が始まった。
最終回、タイガースは鄭凱文(ジェン ガイウン)投手(40)がマウンドに上がる。
川本良平選手(28)はセンターフライ、荒木貴裕選手(24)はショートゴロ、雄平選手(41)はサードゴロに打ち取られ三者凡退。
9回表を0点で終了する。
9回裏、タイガースは代打岡崎太一選手(57)を送ってきた、岡崎選手はレフト前にヒットを放つ。
この試合タイガースが初めて先頭打者を塁に出した。
2番打者、坂克彦選手(35)の打席で痛恨のパスボール、ランナー岡崎選手は2塁に進塁。
しかし、坂選手を空振り三振、新井良太選手(32)をショートゴロに仕留め、2アウトとする。
4番打者、柴田講平選手(00)は球をよく見てファーボールを選ぶ。これで2アウト1、2塁となった。
しかし、タイガースの反撃もここまで、5番打者森田一成選手(69)のバットはむなしく空を切った。
山岸投手の見事な三振奪取でゲームセット、森田選手は天を仰いでいるようだ。
勝利の瞬間、ベンチも湧きかえる。コーチも集合し、勝利を握手で喜び合う。
選手らもハイタッチをしながらお互いの健闘と、勝利をかみしめる。
喜びもつかの間、各コーチによるミーティングが始まった。外野守備・走塁コーチの飯田哲也コーチはコーチャーズボックスから見て感じた事を発表しているのだろうか、小川監督もまなじりを上げてじっと飯田コーチの話を聞いている(左)。
私も何度か練習を取材させていただき小川監督の顔を何度も拝見したが、こんな形相は初めてだった。嬉しいはずの気持を抑え、今回の課題を見つけ出し改善策を模索する指揮官の厳しい立場を感じる場面だった。
ピッチャーを集合させミーティングを行う、チーフコーチ兼投手コーチの荒木大輔コーチ(右)。
荒木コーチの表情はピッチャ陣がゲームを作ったことで嬉しい反面、「勝って兜の緒を締める」気持で檄を飛ばしているように見えた。
【最後に】
この試合は、両軍主力選手を外しての試合となった分、選手層の厚さと実力を知ることができました。
ヤクルトスワローズは2アウトからでも安打をつないで得点をするという、全員野球の姿が見て取れま
したし、投手陣の仕上がりの上々さも実感できました。
今日の試合を取材して、カメラマンにも話したのですが「少ないチャンスから大量得点を得ることができ、エラーもほとんどないし、あったとしても失点にならなかった。ピッチャーも踏ん張り強い。
ヤクルトスワローズは本当に強くなった」と試合を取材しながら感じました。
今回もヤクルト取材をご覧いただきありがとうございました。今回の報告を見て皆様はどう感じられたでしょうか?
というわけで、次はどの球団との練習試合を取材しようか思案中です・・・次回もお見逃しなく!