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ヤクルト・スワローズ キャンプin浦添 5thクール2日目 練習試合(東北楽天イーグルス)
『2011年 東京ヤクルトスワローズ キャンプIN浦添』 キャンプ24日目
練習試合(vs.東北楽天イーグルス)
キャンプも残すところ、あと2日となった2月24日(木)。
今シーズンのスワローズの躍進を予感させる雲一つない晴天となりました。
この日は平日にもかかわらず、多くの観客が球場に訪れ、このカードの人気の高さを感じます。
東北楽天イーグルスは、今季、元メジャーリーガー、岩村明憲選手(1)や松井稼頭央選手(32)
2名の入団による戦力増強と、星野仙一監督(77)の就任で球界を賑してるチームです。
スワローズ選手らも珍しくベンチから身を乗り出して、楽天の守備練習を観察していまいした。
この試合の両軍スターティングメンバーはこのようになりました。楽天 松井稼頭央選手(32)
は応援に回り今回はメンバーにいませんでした。
同じく、スワローズ宮本慎也選手(6)も出場登録されていません。
13:00試合が開始されました。東京ヤクルトスワローズvs東北楽天イーグルス練習試合の
模様をこれから取材いたします。
1回表、楽天の攻撃から試合は始まる。
スワローズ先発は中澤雅人投手(14)、しかし中澤投手は初回からピリッとしないピッチングだった。
先頭打者鉄平選手(46)にセンター前ヒット、続く聖川諒選手(23)の打席で痛恨のボークを
取られ1塁ランナーを2塁に進めてしまう。
聖川選手は1塁へバントをするが、中澤選手とJ.ホワイトセル選手(53)が「お見合い」で球を
処理できず、ランナー1、3塁と絶好の先制チャンスを与える。
桝田慎太郎選手(68)がレフト前ヒットを打ち、楽天は1点を先制する。
続く、R.ルイーズ選手(3)が三遊間ヒットを打ち、楽天はさらに追加点かと思われたが、
スワローズ守備陣の鉄壁の連携で、2塁ランナーをホームで封殺、これ以上の追加点を
与えなかった。
続く、岩村明憲選手(1)を空振り三振、嶋基宏捕手(37)をセカンドゴロに打ち取る。
楽天の攻撃は2者残塁で終了する。
1回裏、リードされたスワローズの攻撃。楽天先発は片山博視投手(28)
先頭、青木宣親選手(1)に期待が高まったが、残念ながらファーストゴロに終わる。
田中浩康選手(7)はセンターフライ、A.ガイエル選手(5)は内角に差し込まれ、バットを折り
ショートゴロと、スワローズは三者凡退でこの回を終了する。
初回は投手の調子がそのまま得点に現れる。しかし楽天は先攻はしたものの1点のみで終了。後に引きそうな後味の悪いスタートであった。
2回表、先攻打者大廣翔治選手(35)は制球の定まらない中澤雅人投手(14)からレフト前ヒットを打つ、1回同様に先頭打者が出塁した。
しかし、中澤投手(14)は、続く草野大輔選手(12)をファーストゴロ、3-6-1のダブルプレーに切って取る。続く内村賢介選手(0)はショートゴロで、この回の攻撃が終了する。
2回裏のスワローズの攻撃は、ピンチの後のチャンスと思われたが、
先頭、J.ホワイトセル選手(53)、畠山和洋選手(33)がともに三振で倒れ、この回もこれで終わるかと思われた。
しかし、スワローズは2アウトからが強いという事を、再度思い知らされる。
w.バレンティン選手(4)が1ストライク2ボールからの4球目をセンターへホームランを放ち、
あっという間に同点とする。
続く、相川亮二捕手(2)がレフトオーバーの2ベースヒットを打つが、続く川嶋慶三選手(00)が
セカンドゴロに倒れ、2塁ランナー相川選手(2)が残塁に終わった。
なかなか追加点が奪えない楽天と、2アウトから同点としたスワローズ。
今後の展開が読めない状況となった。
3回表、楽天の攻撃。
先頭二人が倒れセカンドゴロとレフトフライで倒れ2アウトとなるも、桝田慎太郎選手(68)がレフト前ヒット、続くR.ルイーズ選手(3)もレフト前ヒットを打ち、ランナー1、2塁。
ここで前打席三振した岩村明憲選手(1)が、1-2塁間を破るタイムリーヒットを放ち、
2塁ランナーがホームイン。楽天は1点勝ち越しに成功する。
しかし、その後の打者が倒れ、ランナー1、2塁で残塁。ヤクルトから1点以上の得点を奪えなかった。
3回の裏、スワローズ打線は何故かピリッとしなかった。
先頭、飯原誉士選手(9)はA.ガイエル選手(5)同様にバットを折り、セカンドゴロに倒れる。
青木選手(1)に三遊間を破る技ありのヒットが出たものの・・・
後続の田中浩康選手(7)がセカンドゴロ、A.ガイエル選手(5)もファーストゴロに倒れ、青木選手(1)
が2塁に残塁し、この回の攻撃が終了する。
この回は楽天の優位が目立った回だった。
ただ、シーソーゲームのような試合展開になってきて、両軍ストレスの溜る試合運びになっていた。
4回表、楽天先頭の大廣翔治選手(35)はライト・センター間を抜ける2ベースヒットを放ち、ノーアウト2塁と、勝ち越しのチャンスを掴む。
しかし、草野大輔選手(12)はライトフライ、タッチアップした大廣選手にも鉄壁のヤクルト守備陣が
立ちはだかり、3塁ベース上でタッチアウト。
内村賢介選手(0)はファーボールで出塁するも、鉄平選手(64)がライトフライで、この回の攻撃を無得点で終了する。
4回裏、ピンチをしのいだスワローズはここで得点したいところ。
J.ホワイトセル選手(53)がレフトフライに倒れたあとに、畠山和洋選手(33)がファーボールを選ぶ。
w.バレンティン選手(4)に対しても前回のホームランを警戒するあまりファーボール。
これで1アウト1、2塁の同点のチャンスを掴む。
相川亮二捕手(2)のライトフライの間に、2塁ランナーが3塁へタッチアップ。
続く川嶋慶三選手(00)が初球をセンターに弾き返すタイムリーヒット、3塁ランナー
畠山選手(33)がホームイン。
楽天守備の乱れの間に、川嶋選手(00)は2塁に進塁しランナー2、3塁。
勝ち越しの期待がかかったが、飯原誉士選手(9)はファーストゴロでこの回の攻撃が修了する。
しかし、スワローズはまたゲームを振り出しに戻した。
未だにシーソーゲームの試合展開であるが、試合内容でスワローズが楽天を上回り始めている。
5回表、この回ヤクルトはキチッと0点で締めたいところ、逆を言えばそろそろ得点しなければ試合の
流れをスワローズに持っていかれそうな楽天の攻撃が始まる。
スワローズは先発、中澤雅人投手(14)に代わって、林 昌勇(イム チャンヨン)投手(12)を
マウンドに送った。
青木宣親選手(1)や相川亮二捕手(2)などのレギュラー選手もこの回から控えの選手らに
その後を託し、ベンチに退いた。
代った林投手(12)は、先頭、聖澤諒選手(23)をショートゴロ、続く桝田慎太郎選手(68)と
R.ルイーズ選手(3)をいずれも空振り三振に仕留め、楽天をこの試合初めて三者凡退に抑える。
5回裏、厳しい表情でこう着した試合を見る、小川淳司監督(80)。
勝負に出たいスワローズだったが、先頭の濱中治選手(0)と田中浩康選手(7)が
いずれもセンターフライ、新田玄気捕手(32)がショートフライの三者凡退で終わる。
6回表、スワローズは好投の林 昌勇投手(12)から育成選手R.フェルナンデス投手(115)へ
スイッチする。
フェルナンデス投手(115)は先頭、横川史学選手(25)に二遊間へのヒットを打たれる。
続く嶋基宏捕手(37)をセンターフライ大廣翔治選手(35)を空振り三振に切って取るも、草野大輔選手
(12)にファーボールを与えた。
楽天は2アウトながら1、2塁の得点圏にランナーを進めるも、内村賢介選手(0)が空振り三振に終わり、この回の攻撃も無得点で終了する。
6回裏、楽天は好投の先発、片山博視投手(28)から2番手、岡本真哉投手(61)をマウンドへ送る。
そして、この回スワローズの怒涛の攻撃が始まった。
先頭のJ.ホワイトセル選手(53)がライトへソロホームランを放ち、
スワローズ待望の勝ち越し点をあげる。
畠山和洋選手(33)はファーボールで1塁出塁、代走の三輪正義選手(60)が、w.バレンティン選手(4)
の打席で2塁盗塁に成功し、楽天内野陣へ揺さぶりをかける。
バレンティン選手(4)は打席中ランナーけん制球で打席を外されるも集中力を切らさず、
レフトスタンドの柵を越える、この日2本目の2ランホームランを放つ。
スワローズはこの回の3連続安打で3点を楽天から勝ち越した。楽天星野仙一監督(77)も思わず、
しかめっ面で戦況を見ていた。
以後は、川本良平捕手(28)がレフトフライ、川嶋慶三選手(00)がショートゴロ、飯原誉士選手(9)
がキャッチャーフライと、この回攻撃を終了する。
塁に出ても、あと一打が出ずに、凡退する楽天と、3人で3得点を叩きだして、試合をひっくり返した
スワローズ。
この3点が楽天にとっては10点にも20点にも感じたに違いない。
7回表、スワローズはR.フェルナンデス投手(117)に代え、一場靖弘投手(43)をマウンドに送る。
一場投手(43)はヒットとファーボールで、2アウトランナー1、3塁とされピンチを迎えるが、
見事に後続を断ち、この回を無得点で終了する。
この回の戦況を見つめる松井稼頭央選手(32)。行けるものなら自分が行きたい、
と思っているのだろうか。バッターボックスをじっと見つめている。
7回裏、楽天星野仙一監督(77)は、岡本真哉投手(61)から長谷部康平投手(20)へチェンジ。
1アウト後、森岡良介選手がい1ー2塁間へのヒットを放ち、続く荒木貴裕選手(24)の打席中に
パスボールで2塁へと進塁。
しかし、後続が次々と倒れ、この回2塁残塁でスワローズの攻撃は終了する。
試合はある程度の落ち着きを見せているが、選手にとってはそれどころではないだろう。
初回と2回以降、追加点を奪えずに逆転を許してしまった楽天ナインは、あとの2回の攻撃に全てを託すしかないのだ。
8回表、ピッチャー交代を審判に伝える小川淳司監督(80)。
スワローズは一場靖弘投手(43)から高市俊投手(54)へリレーする。
高市投手(54)は、ツーアウトランナー1、2塁とピンチを迎えるもその後後続を断ち、
楽天に得点を与えなかった。
得点チャンスに、身を乗り出す岩村明憲選手(1)と松井稼頭央選手(32)の姿があった。
8回裏、楽天は、マウンドを長谷部康平投手(20)から美馬学投手(31)に託す。
先頭打者、三輪正義選手(60)はピッチャー強襲安打で出塁するも、盗塁に失敗する。
続く、上田剛史選手(50)がファーボールで出塁するも、後続が続かず、2塁残塁で
この回の攻撃を終了する。
9回表、スワローズは高市俊投手(54)から松井光介投手(44)をマウンドに送り、この回での
試合終了を目指す。
松井投手(44)は先頭、二人を抑えるも、桝田慎太郎選手(68)にヒット。
しかし、最後の打者をセカンドライナーで打取りゲームセット。
マウンドに集合し、勝利を祝するスワローズナイン、先行され、追いつき、突き放すという
苦しい試合展開で戦って、勝利することは、また喜びもひとしおに違いない。
ベンチに戻っても、仲間達から祝福を受ける。
一方楽天は、4回以外のすべての回にランナーを送りながら、得点できたのは1、2回の2点
だけという、今後へ課題を残す試合結果となった。ゲームセット時の星野仙一監督(77)は、
敗戦をどのように考えただろうか?
試合終了後、チームを集めミーティングを行う、田淵幸一1軍ヘッド兼打撃コーチ(88)。
チャンスに一打が出ない事で、頭を痛めている事が表情からもうかがえる。
勝ったスワローズにも課題は残ったはず、城石憲之コーチ(87)と飯田哲也コーチ(85)主催の
試合後ミーティングが始まった。
今日は暑かったためか、全員が疲れた表情はしているが両コーチからの指摘を真剣な表情で
聞いている。
これから、オープン戦、ペナントレースに突入していく選手らにとって、このミーティングでどこがよくて、
どこが悪かったのかをコーチなどを通じて知る機会であるのだろう。
チーム全体の事もあるが、選手個人のプレー事でも、気になることがあれば指摘をする。
そういう場面なのだろうか。
【小川淳司監督(80)へのぶら下がり取材】
試合終了後、スワローズ小川淳司監督(80)がぶら下がり取材に応じてくれた。
最初に見せた表情は「しんどかった~」という感じだった。
打順が試合ごとに入れ替わる理由を聞かれ「練習試合だから、打順に深い意味があるわけではない」
と、まだペナントレースを意識した打順を考えてるわけではない事を説明した。
記者の質問で一番時間を割いたのが、この試合で2本のホームラン、3打点のw.バレンティン選手(4)とA.ガイエル選手(5)についての質問。
記者の中から「もうバレンティン選手で外国人は決定ですか?」との質問に気が早いと苦笑い
しながら「練習試合の結果なのでまだ誰にするのか考えていない」と語った後「二人にも相談した上で、
例えば今日はガイエル、明日はバレンティン、という風に、オープン戦まで競わせていきたい。
最終的に誰にするか、オープン戦での状態を見ながら考えていきます」とまだこの事については白紙状態だと説明。この事には少し慎重になっていたような気がした。
ただ、今季から採用される「飛ばないボール」でホームランを放つ外国人のパワーには感嘆していた
ようで「外国人に必要なのは長打力と確実性だけど欲を出したらキリがないからね」と言いつつ、期待もしている旨を伝えた。
また「バレンティン選手は陽気でヤンチャな性格だから、早く日本の野球に慣れるといいんだけどな」と実はバレンティン選手に期待大ということも、話していた。
最後に、先発で失点を喫した、中澤雅人投手(14)についての質問に「コントロールが甘いと打たれる」と指摘した上で、「課題を見つけて調整すればいい」と今日の結果をあまり気にしていない様子だった。
試合で疲れているにもかかわらず、質問に丁寧に答えてくれる小川監督(80)の姿に優しさと
真面目さがにじみ出ているのを強く感じた。
一方こちらの監督にもぶら下がりが出来ている事を期待し、行ったのだが、見ての通り
「何にも話さんぞ!」という表情で、楽天、星野仙一監督(77)は何も話さず、そそくさとバスに向った。
ただ、バスに乗る前に番記者らしい記者に「チャンスに打てなきゃどうしようもない!」と言っていた。
実はかなり「おかんむり」の様子であった。
【楽天 岩村明憲選手(1)に取材しました】
岩村明憲選手(1)がぶら下がり取材に応じてくれると聞き、参加させてもらう。
岩村選手といえばかつてはスワローズの一員、今日どのような気持ちで試合に参加したのか
気になるところでもあった。
会場に現れた、岩村選手は少し疲れ気味の表情で、試合内容がよくないから落ち込んでいるか?
とも感じた。
記者から、古巣との試合の感想を聞かれ「(スワローズ選手らと)久しぶりに話もできたし楽しく試合ができた。ただ今は敵だから、もう負けたくないね」とコメント。
久しぶりの日本のプロ野球については「まだ4年のブランクしかないから、覚えている部分を思い出しながらやっていく」とコメント。
また、記者からスワローズ、w.バレンティン選手(4)についての質問があり「バレンティンとはシンシナティで一緒の時期があった、まじめでいい選手ですよ。それ以上は敵の選手なので・・・」と記者たちを笑わせた。
メジャー選手が心的ストレスに強いは何故?と質問を受けた岩村選手は「俺は日本人だから、外国人がどういう考え方をしているかわからないよ」と笑いながら答えると、記者一同からまた笑いが起こる。
最後に、楽天の選手らに声をかけるとしたら?の質問に「小さい事を気にしても仕方がない、深く考えない。いい意味でのアバウトさを持つ」と答え席を後にする。
恰幅がいいのもあると思うが、岩村選手は「頼れる兄貴」というのが印象に深く残った。
今後どのようにチームのモチベーションを上げていくのか注目したいと思う。
・・・というわけで、一ヶ月にわたってお送りしました「ヤクルト・スワローズ キャンプin浦添」ですが、今回を持って終了したいと思います。
スワローズは底力があって、本当に強いチームだという事を知ることができました。
来年は優勝旗を持って、浦添キャンプに戻って来る事を期待したいし、出来るとも思いました。
セリーグ優勝、日本シリーズ優勝めざして、頑張れ東京ヤクルトスワローズ!