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ヤクルトスワローズ キャンプIN浦添 公開練習
『2013年 ヤクルトスワローズ キャンプIN浦添』 13日目
2月13日(水)3度目の取材である。ヤクルトキャンプ第3クール初日の今日は、昨夜から降り続いた大雨による影響で、室内での練習が行われるかと思われが天候が徐々に回復し、無事にグランドで練習を行うことができた。「グランドで選手を見ることができる!」とホッと胸をなでおろしたファンの方もおそらく多かったのではないだろうか。
選手たちはいつも通りストレッチから入りランニングで体を温めた。
次に投内連係が行われた。野手だけで行われるシートノックとは違い、内野手に投手を交え、より実践を意識した守備連係である。
「ノーアウト2塁」とキャッチャーから指示が出されると、ベースカバーやバント処理の確認が行われた。ピッチャー、キャッチャー、ファーストの選手たちが お互いに声を掛け合いながらゴロをさばき、「どの塁でランナーを刺すのか」、「巧みなプレーで併殺を決めるための選手間の動き」といったチームの連係を高めていた。
キャッチャーからの返球を受けファーストへ送球する岩村明憲選手(48)
声がなかった場合やミスをした場合は、宮本慎也選手(6)が「指示をしっかりだせ!!」「しっかりしろ!!」と注意を促し、他の選手を鼓舞していた。
午後になると、野手組のバッティング練習が行われた。宮本慎也選手(6)と相川亮二選手(2)は、野手組のランチが終わると誰よりも早くグランドに入り、トスバッティングでバッティングフォームを確認しながら、両ベテランが若手の模範となる精力的な動きを見せていた。
宮本選手が打席に入ると、バッティングピッチャーの投げるボールに対して、基本のセンター方向を中心に、右に、左に打ち分ける逆らわないバッティングを見せた。
今季からキャプテンを務める田中浩康選手(7)は、バント練習を行っていた。シーズンが始まると、バントの高い成功率が求められる2番に入ることが予想される。田中選手は、見事に打球の勢いを殺したバントを決めていた。打線やチームにおいても、新シーズンのチームを繋ぐ必要不可欠な選手に なること間違いないだろう。
この日、ファンを一番沸かせたのは、バレンティン選手(4)であった。右バッターボックスに入ると、持ち前の怪力を発揮し、レフトやバックスクリーンにホームランを放っていた。圧巻は、ラスト一球でバレンティンが「Wo--!!」と声を張ると、打球はグングン伸びレフトスタンド場外まで運ぶ特大ホームランを見せた。
今回で最後となる『優勝への鍵』は、左から順に雄平選手(41)、比屋根渉選手(0)、上田剛史選手(50)によるヤクルトのセンター争いについて取り上げようと思う。
まずは雄平選手(41)である。投手として入団すると、最速154キロをマークする剛腕投手であった。しかし、制球難の課題を克服出来ず2009年オフに野手への転向を決断した苦労人である。今キャンプで野手転向4年目となる。昨年は、シーズン終盤にセンターを任されることが多く、47試合に出場した。野手転向まもないが、自慢の強肩に加え、ホームランを打てる長打力のあるバッティングが出来るスケールの大きい選手である。球界ナンバーワン外野手との呼び声高い、日本ハムの糸井義男選手も投手入団という同じ経歴をもつことから、今年大活躍する可能性を充分に秘めている。今春のヤクルトキャンプでも人一倍汗を流し、練習に取り組んでいるため、期待できるシーズンになるのではないだろうか。
次に比屋根渉選手(0)である。昨年、社会人野球の日本製紙石巻からドラフト3位で入団した比屋根選手は、沖縄県出身の2年目の選手である。比屋根選手最大のセールスポイントは、50mを5秒95で走る俊足だ。チーム屈指の俊足を活かし、昨シーズンは1年目ながら43試合に出場し11個の盗塁を決めた。今春のヤクルトキャンプでは、課題とあげられているバッティングを中心に練習を行ないセンターでのレギュラー定着を狙う。さらに、小川監督(80)から直接アドバイスを貰うなど、首脳陣からの期待の高さも感じられる
最後に上田剛史選手(50)である。昨シーズンの開幕試合では、センターを任せられた選手である。開幕試合は、首脳陣が「今年はこの選手たちを軸にシーズンを戦う!」という意味合いが込められているため、上田選手への期待度も高いことがわかる。しかし、昨年はケガに泣き、50試合の出場に留まった。本人にとってかなり悔しいシーズンとなっただろう。今春のヤクルトキャンプでは、体も万全であり、練習にひたむきに取り組む姿が印象に残っている。本来の実力を出し切れば、激戦区のセンター争いでも最有力候補ではないかと思われるだけに、首脳陣からは1年を通しての活躍を期待していることだろう。
次回からは、他チームとの練習試合を取材するのでお楽しみに。