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~嗚呼、青春よ、ありがとう!~ 新里 紗弥子((有) 拓実住宅 リーダー) ビジネス・モール うらそえ 開設満10周年記念特別企画『投稿エッセイ』「“ありがとう”と伝えたい」

新里 紗弥子 (しんざと さやこ)
(有限会社 拓実住宅 リーダー)

沖縄県立西原高等学校 卒業
沖縄国際大学 法学部法律学科 卒業
2006年に有限会社 拓実住宅入社。
入社以降、営業事務を担当。2013年に宅地建物取引士を取得。その後、事務を兼務しながら売買・競売業務に携わり、2015年相続部門を立ち上げ現在は、自社主催の無料相続対策セミナーの講師を務めている。
URL:http://www.takumi58.co.jp/

昨年の夏、西原高校マーチングバンドがオランダのケルクラーデ市で開催された4年に1度行われる音楽のオリンピック『世界音楽コンクール』に出場。見事、ベストインターナショナルショーを受賞したことは記憶に新しい。

実は私も高校時代は西原高校に通い、3年間マーチングバンドに所属、青春時代を送った一人である。

小学生から憧れていた西原高校マーチングバンド。初めて演奏演技を見たとき、とてもかっこよくて、まるで、有名芸能人に出会ったかのような興奮とドキドキが止まらなかった。その時から、絶対西原高校に行ってマーチングバンドに入る!マーチングやる!と決意し、念願叶ったのである。

西原高校の魅力といえば、切れのある演技、優雅なカラーガード。動いている人が「人」という漢字に見えるくらい、美しいシルエット!!日本一いや世界一の美しさを誇ると自負している。

その舞台裏は、凄まじい練習量である。炎天下の中、麦わら帽子と日焼け止めは欠かせない。3キロ走に始まり、筋力トレーニング、基礎練習…。歩き方、姿勢。遅いテンポから速いテンポまで。細部にまで徹底的にこだわり、何度も何度も繰り返す。

ドリル練習

先輩達が鬼のように見えた。これが終わると、次は合奏・フォーメーションの練習に入り、練習終了時間は夜10時。高校3年間ほぼ毎日この生活だった。

練習風景

何度も挫折しそうになり、逃げ出したいと思った。しかし、先輩たちのようにカッコよく凛々しい演奏・演技がしたいという思いが私を支えた。おかげで体力も精神力も鍛えられ、今の私があるのだ。

厳しい練習を乗り越えた先に、2年連続 全国大会で文部科学大臣賞グランプリを受賞。日本一の栄光に輝いた。そして2001年、昨年同校が出場した世界音楽コンクールで、海外勢初のベストインターナショナル賞を受賞し、この時初めて勝旗が海を渡ったと地元の新聞を騒がせたのだ。

優勝パレード

当時は、360度超満員の客席。曲は、「だんじゅかりゆし」「じんじん」「芭蕉布」など沖縄民謡と空手を織り交ぜた演奏演技。演技終盤、ブラスバンドが一列になって前進するシーンで曲は芭蕉布。会場に響き渡るオキナワメロディー、会場との一体感に鳥肌が立ち、自然と涙が溢れてきた。ショーが終わった後、観客はスタンディングオーベーション。大きな拍手と歓声で会場が沸いた。もう二度と味わうことができない感動だ。

また、同月にドイツで行われた世界大会でも、賞を総なめにするという最高の結果を得ることができたのだ。

ドイツ大会

この功績を築いたのは、私たち部員だけの力ではない。指導者という大きな存在、当時の顧問 高江洲裕之先生である。彼は、アメリカのマーチングバンドでトロンボーン奏者として活躍した後、母校である西原高校に音楽教諭として戻ってきた。

当時を振り返えると、先生は指導者であり西原高校マーチングバンドという組織の経営者であったのだと思う。

企業は経営理念を掲げ、そこに全員がベクトルを合わせていくように、彼も西原高校マーチングバンドという100人を超える大きな組織で、「日本・世界の頂点を目指す」という目標を掲げた。厳しくも愛のある指導が部員の心を突き動かし、全員が一丸となって目標に向かった。妥協を許さず、徹底的にこだわり、そして、結果を出す。今だからこそ、高江洲先生の凄さを実感できる。どうやら、私も少し大人になったらしい。

オランダ大会

今は他校で指導をされているが、いつの日か西原に戻って、西原高校マーチングバンドをさらに盛り上げてほしいと願う。

最後に、高校3年間を支えてくれた両親は心よりの感謝を伝えたい。そして、励ましあい感動・喜びを分かち合ったメンバーに感謝である。また、誰も真似する事もできない貴重な体験や経験をさせてもらえたことは、何物にも代えることができない一生の宝物なっている。それが故、今となっては指導して頂いた高江洲先生に深く感謝したい。

あの時の経験が今の私を導いてくれている羅針盤。

本当に幸せな高校3年間。十数年経った今でも色あせることがない。嗚呼、青春よ、ありがとう!!

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カテゴリー   [こころのオアシス]

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